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真駒内川の落差工 布の魚道でサケが上流へ

川に落差がある場合、多くの魚たちは上流と下流で分断されてしまいます。
それを解決する方法は、落差をなくすか、魚道をつけるかですが、どちらも一朝一夕には実行されない大工事になってなかなか実現できません。
でも、現にいま、越えられない落差の先に産卵環境があるとすれば、その季節だけでも上流にあがらせられないか—。
その方法として、安く、早く魚道を取り付ける方法として考え出されたのが、キャッチ画像の「布式魚道」です。
工事現場の足場でよく見る単管パイプを組み合わせて骨組みを作り、丈夫な防水シートをクリップのような道具で止めるだけ。この場所の魚道も数日で完成しました。

真駒内川の落差工は、サクラマスはジャンプして越えられるのですが、サケは上がれませんでした。魚道の本格運用がはじまったのは9月中旬、いくつかの雨があり、そろそろサケもあがっているのではないかと調べたところ、期待通りサケを発見しました。

このオスのサケは、落差工のすぐ上流100mで、なぜかサクラマスのメスとペアになって、サクラマスのオスを追っ払っていました。
サケ同士のペアであれば理想的でしたが、それでも、まずは魚道を使った遡上が確認できました。

遡上の時期だけとりつける、取り外し式の魚道は斜里町内にも2ヶ所あって、同じ方式の魚道を取り付けるワークショップ(美幌博物館主催)が10/21に美幌町内で予定されています。

2023年9月24日撮影



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