観光客が行かない小清水町の旅・後編
斜里平野(しゃりへいや)
オホーツク海沿岸で知床半島の付け根に展開する斜里平野は、藻琴山 (1000m) ,斜里岳 (1545m) を開析して北流する斜里川、止別(やんべつ)川などの河川によって形成された低い沖積地と山麓部の台地です。
格子状の畑を区切る防風林や斜里岳山麓の森は今の斜里平野に暮らす人々の原風景といえるでしょう。
夏冷涼のため水田はほとんどなく、ジャガイモ、テンサイ、豆類を中心とする畑作と酪農地帯です。
一辺500mの碁盤の目状に道路と耕地防風林が整備された開拓村が美しい村の風景です。
平野内の斜里町,清里町,小清水町には製糖,デンプンなどの農産物加工業が立地し網走管内の農業粗生産額の約50%を占めています。
また、コムギ,バレイショ,テンサイの栽培面積・収穫量ともに全道の25~40%を占め、労働生産性・土地生産性ともに全道の平均を上回っているのです。
川の豊かな水資源は流域に広がる農業地帯を潤し、北海道一番の漁獲を誇るサケマスをはじめとした水産資源をも育んでいます。
藻琴山(もことやま)
藻琴山は標高1,000mと屈斜路カルデラ外輪山で最も標高が高く、「北海道自然100選」にも選ばれている山です。
小清水町の原生花園は良く知られていますが、小清水峠からの藻琴山山頂のコースは近年人気が出てきています。
山頂からの眺めは、屈斜路湖、美幌峠、斜里岳などの絶景が見渡せます。
北浜の原生花園
評論家・戸塚文子「旅の四季」のなかの「北浜の原生花園」から
北海道でも最も北海道らしい所として、私は網走から斜里に向かう海岸の原生花園をあげたい」と書いています。
昭和20年代後半のことです。
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