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「まちと路地」(空間としての場所づくり)

こんにちは、hoka booksの西尾です。

お店の「空間としての場所づくり」について、場所選びや内装工事を振り返りながら、綴ってみたいと思います。今日は「まちと路地」編です。

hoka booksは堀川五条の交差点からすぐ、醒ヶ井通に面した路地にあります。
京都の方はご存知かもしれませんが、堀川通りと五条通り、それぞれ南北・東西を結ぶ京都の大動脈とも呼べる大きな通りで、車線も多く、お店もロードサイド型の車で立ち寄るような場所ばかり。正直歩いていて楽しいところではありません。

しかし、そんな大通りから一本入るだけで、静かな住宅街の中に小さなお店がポツポツと点在するような、落ち着いた風景があります。風情ある京町家、数席ほどのカフェや和菓子屋、ガレージでやっている八百屋……。hoka books周辺を歩いていると、小さくて可愛らしく、温かみのある営みを感じることができます。

もう一つ、この地域の特徴としてあるのは、そこら中にある路地です。一軒の家のためのものから、10軒近くが立ち並ぶもの、通り抜けできるようになっているものまで。出入り口には門があったり、真っ白い暖簾がかかっていたり、地面の舗装が石畳だったり……。必ずしもお店ではないので、勝手に入るわけにはいかない場所も多いのですが、ついその魅惑的な気配にいざなわれてしまいそうになります。

hoka booksも、やはり路地にあります。5軒ほどが住居、3軒ほどが工場に使われており、そのほとんどが築70年は経つであろう町家形式の長屋です。通り抜けはできないものの、建物が向かい合わせに並び、家の数も多いので、さながら集合住宅。しかし、アパートやマンション暮らしとはまったく違って、管理人はいません。

家の中にいると、いつも路地からは話し声が聞こえてきますし、隣の工場からは金槌を打つ音が響いてきます。それが心地よく、音の風景(サウンドスケープ)を感じることができます。掃除は交代で当番がまわってくるのですが、自分の都合でやれるときにやればいいので、とても気楽です。ササっとほうきで掃いたら、仕上げに雨水を溜めた赤いバケツから打ち水をするのですが、そのおかげで清々しい気分で過ごすことができます。

路地の暮らしを経験したことのない方には、hoka booksに来ていただくことでその趣に触れていただくことができると思います。駅からは少し歩くのですが、近隣を散策しながら、小さなお店を覗きながら、hoka booksの路地を訪れていただければと思っています。


hoka books
600-8480 京都市下京区小泉町100-6
6/18-6/28 13:00-19:00 「ろじの本屋おひろめ」
7/11 13:00-本オープン

https://hokabooks.com

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