打球速度と立ち幅跳び②

始めに

私の後輩に、勉強熱心で優秀なスポーツスクール代表(講師)がいます。
その後輩から面白い論文が送られてきましたので、それについての見解を書きます。
こうやってキチンと議論ができるって私の勉強にもなるし、面白い!
こんな指導者が世の中に増えると良いんだが…。

※ちなみに今回の論点は「打球速と立ち幅跳び」です。

※私の投稿

※送られてきた論文

私の見解・注意点

この論文を読むにあたり、注意する点が2点あると思っています。
①約25年前の論文であること
②打球速度平均125㎞/hは現代大学野球にとって決して速いわけではない

それではそれぞれについて解説します。
①約25年前の論文であること
約25年前の野球界ではウエイトトレーニングを行っている人は僅かでした。
情報も少なく、むしろウエイトトレーニングを行うと野球が下手になるとか怪我をするとか言われていた時代です。つまり、時代背景から推測するに、ウエイトトレーニングを行っていない選手のデータであること。
比較対象としてはウエイトトレーニングを行っている選手を対象にした方が信憑性が高いように感じます。

②打球速度平均125㎞/hは現代大学野球にとって決して速いわけではない
打球速度が140㎞/hで理想的な打球を打つことでホームランが打てます。つまり、安定してホームランを打つ選手は打球速度が150㎞/hほど必要なのです。現代の野球界では125㎞/hは決して速いとは言えません。
※今回の比較対象者の平均は115㎞/hですが、ほとんどが高校1年生です。

現代野球の変化

現代野球では得点をすることが重要視されており、長打が優遇されます。
その為に、ウエイトトレーニングが普及し、結果的にBIGベースボールになりました。ここから読み取るに ウエイトトレーニング>立ち幅跳び が成り立つのではないでしょうか?ただ、それを自分の目で確かめたくて今回、体力測定を行ったのです。その結果立ち幅跳びは打球速度と関係が低く、また、ウエイトトレーニング(デッドリフト・スクワット)が強い選手は立ち幅跳びの能力が低かった結果となりました。

見るべき他の研究

打球速度と50m走の関係で以下のような研究があるそうです(ソース不明)
野球レベルが低いほど50m走との関係性が強い!というのです。
例えば…50m走との関係性は
小学生>高校生>大学・社会人>プロ野球
こんなイメージだそうです。

推測

野球レベルに応じて50m走の関係が強いという事は、立ち幅跳びでも同じことが言えるのではないでしょうか?(今回の研究では立ち幅跳びと50m r=0.55)
これらについて思う事はレベルに応じてウエイトトレーニングの実施量が違うのでは無いか?と言いう事です。
小学生のほとんどはウエイトトレーニングを行っていないし、中学生では一部の選手しか行っていません。逆に大学、社会人、プロ野球とレベルが上がるにつれウエイトトレーニングをしっかりと行うようになります。

BIG3のトータルと打球速度 r=0.34
立ち幅跳びと打球速度     r=0.14
論文内の立ち幅跳び      r=0.45
※ちなみに被験者を増やした場合のBIGとの関係は r=0.60まで向上する。
※やはりウエイトトレーニング経験者で比較するべきと感じています。

つまり、立ち幅跳びよりウエイトトレーニングの方が打球速度向上には向いている。

結論

・ウエイトトレーニング環境が無ければ立ち幅跳び能力を向上さえることは、打球速度に有効である。
・ウエイトトレーニング環境があるならばわざわざ立ち幅跳び能力を向上させる必要はない

経験談

私は中学時代走り幅跳びで6mほど跳び、所沢市内1位でした。
高校時代は誰よりも走り(当然ジャンプ系も多数)行いました。
確かに球速アップはしましたが120㎞/h程度で伸び悩みました。
大学に進学後、走り込みを辞めウエイトトレーニング中心にした結果、体重も伸び、球速も140㎞/h超を投げるようになりました。
走り込みやジャンプ系のトレーニングには成長限界があるように感じます。

※私の他の研究で、筋力で球速が決まるという考え方に則します。
↓↓↓有料記事なんですけどね(笑)
※もっとまとめたものがあるので、必要な方はDMください。

さて、皆様はどのようにお考えでしょうか?
ぜひご意見をお聞かせください。

さいたま市浦和区のパーソナルトレーニングジム
ネクサスフィットネス浦和 代表トレーナー保條


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