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令和の時代に「幼児のおつかい」アリ?ナシ?


「おつかい」と聞くと…

昭和生まれの私は、子どものころよくおつかいに行っていました。当時は、子どもでもコンビニや自販機でタバコが買えたので、おつかいのお釣りでお菓子を買うなど報酬があったので(笑)自分から進んで行っていた記憶があります。

「幼児のおつかい」というキーワードから思いつくのが、「はじめてのおつかい」というテレビ番組です。親目線からのドキドキハラハラ感が味わえるのが醍醐味で、調べてみると30年以上の歴史のある長寿番組のようで、その人気がうかがえます。海外でも配信されて根強い人気があるそうです。


「幼児のおつかい」メリット&デメリット


結論からいうと、私は「幼児のおつかい」には反対です。
その理由を、メリットとデメリットを比較して述べていきます。

メリット①達成感を得て心の成長につながる


おつかいはお手伝いの1つです。親の代わりに買い物をしてくれることで、親は他の用事を済ませることができます。子どもとしても、親の役に立てた!褒めてもらえた!と嬉しく感じ、自己肯定感が高まります。もっと他のお手伝いもしたい!という意欲にもつながるでしょう。

メリット②「おつかい」を通して社会経験が積める


おつかいに行くことで、普段親がしている買い物を代わりに体験できます。思いもよらないことが起きて、その都度自分で考えていろいろな判断を迫られる場面も出てくるでしょう。その経験は、家庭ではなかなか得られない貴重なものです。

メリット③地域とのつながりを持つきっかけになる


自宅周辺がどうなっているのか、知る機会にもなります。この道はあそこにつながっているんだ、じゃあこっちはどうなってる?などと、住環境の理解にもつながり、周辺地域への興味につながります。

メリット④お金の使い方の勉強になる


キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、まだまだ現金が主流であることには変わりありません。その使い方を知り、慣れることで金銭感覚を覚えて、長い目で見れば経済への興味の芽生えになるかも知れません。

メリット⑤親以外の人とのコミュニケーションの練習になる


初めて関わる人と、やりとりをしたり会話をすることは、子どもにとって緊張するものです。しかし、社会に出ていくと知らない人とうまく関わるスキルは欠かせません。子どものころから練習しておくことは必要です。


続いてデメリットです。

デメリット①交通事故、性被害、連れ去りなどの犯罪に巻き込まれる危険性がある


これが最大のデメリットです。

地域の見守る力が希薄になる中、自分の子どもの安全をどうやって守るか、苦心している親が多いと思います。時代の変化とともに、両親が共働きをし、家族単位での子育てが広がり、幼児が1人で出歩く機会が限られてきています。携帯電話やGPS、防犯ブザーを持たせるなど、親自身がその手で子どもを守らなければならないという意識も急速に広がっています。

子どもが交通事故にあう報道も、後をたちません。3歳の不慮の事故による死因は交通事故が40%で最多、1〜14歳まで同じ傾向が続くそうです(こども家庭庁)

また以前SNSで話題になっていたのが、ショッピングモールで小さい子どもを1人でトイレに行かせるのは、性被害に巻き込まれる危険がある!という注意喚起の記事でした。そんな時代になってきているのです。

デメリット②迷子になる


おつかいなので、まず店まで自力でたどり着く必要があります。たとえ行き先がなじみの店だとしても、道路状況は常に変化します。車も自転車も歩行者も、常に動いています。その場での状況判断が必要になります。これは子どもにとってとても難しいことです。万が一迷子になった場合、デメリット①のリスクが高まります。

デメリット③お店に迷惑をかける


子どもが無事に店までたどり着いたとして、きちんと自分の欲しいものが伝えられるでしょうか。うまく伝わらず、店員が対応に時間を取られ、子どもの面倒を見ることになってしまった場合、お客さんの対応や他の業務をさまたげる可能性があります。


このように、令和の時代に幼い子どもを持つ親の思いを代弁すると、おつかいのメリットは理解できるし可能ならば経験をさせてやりたい。
でも、危惧される万が一のデメリットの方が断然影響が大きくなってきます。「おつかいなんでさせなければよかった」、しかし、後悔先に立たず。大きなリスクを冒してまでさせることではないというのが私の主張です。

でも、「幼児のおつかい」には反対ですが、簡単な計算ができたり人とのコミュニケーションがとれるようになる小学生の低学年以上のお子さんは、少しずつ親と一緒に楽しみながらおつかいができるようになっていくと思います。

お子さんと相談し、話し合いながら、負担感のない形でおつかいを楽しめるといいですね。


今の時代にあった、おつかいに代わる経験を


子育て世代にとっては、日々情報が更新され、子どもにとって1番いいこととは何か?と考えなければならないことが多い、子育ての負担感が大きい時代になりました。

こんな時代だからこそ、おつかいに代わる経験を子どもに積ませる良いアイデアがあります。

それは、1人ではなく親と一緒に、おつかいをすればいいのです。

1人では心配なら親が一緒について、子どもが主体になって買い物をさせてみてください。

必要な品物を伝え、どこにあるのか探し、もれはないかチェック。代金を支払い、袋に入れて持ち帰る。とても時間がかかる上、途中でついつい先回りして口出ししそうになるでしょう。でも、そこはグッとこらえてお子さんにゆだねてください。リーダーは子どもです。大人の忍耐力を向上させる副効果もありそうですね(笑)。

あるいは、自宅でおままごと遊びとして、お店屋さんごっこをしてもいいでしょう。イメージをふくらませて、自宅を出てお店にやってきて、自分で品物を探して代金を支払う、袋詰めして持ち帰って冷蔵庫へ入れる…。ここまでごっこ遊びをやればカンペキですね。

また、特別なことをしなくても、普段からメリット①〜⑤を意識して、子どもにさまざまな経験させようと意識するだけでも、親自身の行動が変わります。ゲーム感覚で親子で一緒に楽しみながら生活の一部に取り入れれば、お子さんは楽しんでくれるはずです。


子どもは遊びの天才です。子どもから学ぶことはたくさんあります。困った時は、お子さんの行動や言っていることをよく観察してみると、色々なヒントをくれます。

親子が一緒に楽しみながら子育てしていけるような、考え方やアイデアをこれからも発信していきたいと思います。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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