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保育士配置問題についての私的見解➁乳児編

保育園での虐待事件を受けて保育士の配置問題も話題になっていますね。保育園で働いている立場から配置について考えていきます。今回は乳児 1歳2歳です。


厚生労働省の最低基準は

0歳…保育士1人で子ども3人
1~2歳…保育士1人で子ども6人
3歳…保育士1人で子ども20人
4歳以上…保育士1人で子ども30人
です。

これは昭和44年からほとんど変わっていないのだそうで驚きです。他国と比べても手薄な配置だそうです。上記基準に、自治体独自で上乗せしていたり、保育所の規模や、朝夕などの時間帯によっても細則がありますが、ひとまず最低基準に沿って話していきます。

乳児クラスは子ども6人に保育士ひとりの配置です。
この年齢の子どもたちも、0歳に引き続き月齢差が、大きい年代です。ある程度集団で動けますが低月齢児にはしっかりフォローしてあげたいところです。
子ども同士の関わりが出てきますが、まだそのノウハウを身につけていません。取り合いからの引っかき、噛みつきなどは頻発しますから保育士は常に全体を見ていなくてはいけません。
そしてなんといっても、いわゆる「やだやだ期」「自己主張期」になります。様々なことを少しずつ身につけていくものの保育士のサポートは必要な時期。けれども「やだやだ」「自分で!」と荒ぶる子どもたちが複数名。これはこれでなかなかのてんてこ舞いなわけです。そして言うまでもないことですがこの「やだやだ期」は成長の過程でとても大切です。丁寧に関わって自信に繋げたいところです。けれど人手がないと、ヤダヤダいう子どもの自然な姿にイライラしてしまったり、ゆとりのない対応となってしまうのではないでしょうか。母集団(リーダー保育士について一定の集団行動、生活の流れについていっている集団)を待たせすぎることなく、主張する子どもたちに丁寧に関わるには人手が必要ということです。

例えば外で遊んで入室の1場面を想像してみましょう。母集団は自分で、もしくは保育士に手伝ってもらいながら靴を脱ぎ、服を脱ぎ(着替えもする園が多いと思います)オムツ替えをし(2歳児だとトイレに行く子もいます)手を洗い、椅子に座る、、とします。その間、おむつを替えようとしたらウンチだったーとなれば1人保育士が対応します。更に脱いだはいいけど、新しい服が気に入るものがないと着用を拒否する子、手洗いの順番でケンカ勃発、自分で自分で!といいなからなかなかすすまない子、、あっちでもこっちでも個別の関わりをしてあげたい場面が頻発するのです。どこかのブログで読みましたが、この時間帯、保育士は千手観音のように様々なことに同時に対応していきます。チームワークと経験でベターな対応はしていきますが、人手があればベストに近づくことができます。

というわけで、私の見解。。1~2歳は1人で6人保育するのは不十分な対応になることが想定される。しっかり手厚く配置されると望ましい保育ができます。

特に生活の変わり目ではゆとりある配置がほしいところです。

遊びの最中は気の抜けないところもありますが、環境さえ整えてあげれば子どもたちがある程度は自主的に遊びこみ、生活の流れの節目(入室、食後、お昼寝明け等)よりは人手にひっ迫感はないとは思います。

それでも、ひとりひとりの興味はや関心に沿った対応や環境構成、一人ひとりが何かを達成したときに気持ちにより添って共感できること、そういう状況を生むにはやはりマンパワーにゆとりがあることが大切だろうと思います。

なので人がいたらいたで困ることなど一つもなく良いことしかないわけです。
ぎりぎりの人数しかいない職場では、休暇がとりにくい、研修に参加できない、振り返りができない、など弊害も大きいのです。

5対1でも心許ないかなと思うほどです。

長きにわたって見直されてこなかった基準の見直しがされることを望みます。またそれが保育士の待遇改善と同時に実現していきますように。

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