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GoogleGeminiと弁護士業務 通帳等のデータ化編

遺産相続等で、預金通帳(銀行の取引履歴を含む。)等の入出金履歴の金銭の動きを調べるために、Googleスプレッドシート(簡単にいうと、ExcelのGoogle版)を利用することがある。

以前は、自ら、または、事務員さんの手を借りたりしながら、通帳等の入出金履歴を逐一入力し、その後、分析する作業をしていた。

この入力する作業が、通帳がたくさんあったり、複数の口座間で、複雑な金銭の動きをしている場合、結構大変だったりする。

最近は、GoogleGeminiを使って入力作業を省力化している。

通帳等を表形式で出力する

① 通帳をすべてスキャンし、PDFにする。
② 通帳の一部をWindowsボタン+Shift+Sで切り取る。
③ Geminiのchat欄に張り付け。

さらに、以下の内容を加える。

④ 「OCRにして表形式で出力して。ただし、一行目は、日付、摘要、入金額、出金額、残高でお願い。」と入力する。

これで、一行目の項目を指定したうえで表を作成することができる(指定しなくても、うまくいくことも多々ある。)。

スプレッドシート形式で出力すると、割とそのまま使える形になる。

コツ① 小分けにすること

大事なコツは、欲張って一気にやらせようとせず、小分けに頼むということである。

複数のページや一気に広い範囲をOCRしようとすると、通帳の数字と全く違う嘘情報を出力しまくったり、途中で出力をあきらめたり、といった動きをする(GeminiもchatGPTも似た感じ)。

時代の最先端のAIが、突然、怠惰さを全開にするので、自分としては、とても面白く、表現はおかしいが人間っぽくて結構好きな部分である。

そういうときは、こちらで、小分けにして頼むと、ちゃんと正確な数字を出力することができる。

コツ② 正誤チェックをすること

Geminiによって、出力された内容が、実際の通帳の内容と違いがないかのチェックも大事である。

預金通帳の場合は、残高の数字を、SUM関数で検算することで、間違った部分がないか確認することができる。

通帳等の記録、OCRで出た残高、SUM関数で計算した数字が完全に一致していれば、数字部分については間違いがないということである。

最後に事務員さんに内容を見てもらい、間違いがないかを人間がチェックし、最終的に証拠として提出できる。

まとめ

こんなかんじで、GoogleGeminiのOCR機能を通帳の入出金記録のデータ化に使っている。

補足 Googleスプレッドシートについて

Googleスプレッドシートは、同時編集が可能であり、かつ、共有もURLを事務員さんへのchatworkに張り付けるだけでものすごく簡単である(編集権限を与える設定で共有する。編集権限・閲覧権限がないとみることもできない)。

これにより、弁護士・事務員さん(事務員さん複数でもOK)で、分業で作業が行うことができる。

入力してもらいながら、自分の判断で、わかりやすい・分析しやすくするため、項目を追加することも可能である。

Googleworkspaceのすべてに言えることだが、この同時編集可能というのは、①ファイルをやり取りしているうちに、どれが最新版かわからなくなる、②誰かがファイルを開いたままにしているため、ファイルを編集できない、といったありがちな苦痛から解放してくれるものである。




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