「リベリオンズ ~Secret Game 2nd Stage~」をクリアした感想

りべりべ


リベリオンズ Secret Game 2nd Stageをクリアした。プレイ時間は20時間前後と割とボリュームがあった印象。前作の「シークレットゲーム~Killer Queen~」は未プレイ。

この作品は、fateを代表とする選択肢を選んで進むノベル(アドベンチャー)ゲーム・・・かと思ってたんだけど実際は、選択肢が一つもなく物語の展開を傍観するノベル作品だった。良い悪いは別としてこれはゲームじゃないと感じた。どこかに注意書きとかあったのかもしれんけど。

内容をざっくり説明すると14人の少年少女が拉致・隔離されて殺し合いをさせられるバトル・ロワイアル物。今にも北野武の声で「みなさんに殺し合いをしてもらいます」と聞こえてくる感じ。
そして一度最後までストーリーが終わると「あの時違った行動をしていたら」というifのパートが開放されて違った結末を楽しめるようになっている。

で、最後までストーリーを読み終わった状態の今、登場する14人のキャラクター毎の感想を書いていく。


★藤田 修平(主人公)ナンバー4
主人公。腕力ではなく知性で道を切り開くタイプ。話し合いでは理性的かつ相手の立場も考慮して交渉するので安心してみてられた。また幼馴染の琴美を守りたいという目的もしっかり持っていて主人公っぽい主人公。
セカンド(殺し合いルート)ではだいたい無能で、戦略と呼べる作戦はほとんど無く特攻してすぐ撃たれるし、警戒心も薄い上に殺戮に対する躊躇もあって頭のキレる姿があんまりみれなかった。俺はお前の悪魔的な強さがみたかった。

★吹石 琴美 ナンバー6
無知は罪を地でいく女。頼れそうな人がたくさんいるにも関わらず拳銃を撃ってセカンドを引き起こし、その後壮絶な殺し合いが始まってしまうのを自覚もせず笑顔で去っていく姿は涙なしにはみれなかった。
「だってこうなるとおもわなかったんだもん」
彼女が生きてたなら、きっとそう言っただろう。

★藤堂 悠奈 ナンバーJ
自己犠牲の塊。こいつはただ偽善的に死にたいだけなので、割とすぐ死のうとする。ファーストの時点では誰も死なないように動いているが、なんせ相手に対して説明不足だったり、武力による実力行使をつき通さなかったり、甘い部分が多々あって行動に本気度が感じられない。さてはお前最初から死ぬ気満々だな?という風に感じました。

★荻原 結衣 ナンバー5
琴美と類似した非暴力を基本推奨する女。Cパートではなぜか暴力的な黒河のことが好きになり黒河とくっつくのだが、危機的状況を錯覚する吊り橋効果だったのか、もしくはダメンズが好きなタイプなのか、展開に違和感を覚えた。
能天気で生に執着している感じもなく、とにかくマイペース。拉致されてなかったらケーキ屋さんかお花屋さんにでもなってたんじゃないかな。

★伊藤 大祐 ナンバー10
リアルなサイコパスで良く言えば臨機応変なタイプ。ルール内なら何をしても良いとわかったら手頃な女をレイプして奴隷としたり、セカンドになったらしっかり潜んで強力な武器を手に入れて殺戮をする。普通の人がためらうところを全くためらわない。正直こいつの行動原理は他の極端な博愛主義者より遥かに納得がいった。
利他より利己主義っていう原始的な行動に素直で、ちょっと応援したくなるぐらい。好きじゃないけど嫌いでもない。

★阿刀田 初音 ナンバーQ
他の小動物(雌共)と違って身を守るために最初の殺人をしたり、ゲーム達成のため自分以外を皆殺ししようとする勇敢な少女。そのために苦悩したり泣いたり怒ったり、めちゃめちゃ人間らしいとおもう。
復讐のためだけに動いてるアホ・どんな時も博愛主義のバカ・状況を理解してないクズ、というメンバーがいる中で、初音は常にルールに対応しようと良い意味で臨機応変に動いて戦った一人。

★三ツ林 司 ナンバーK
一番大好きになったキャラクター。俺って天才みたいな登場の仕方でいけ好かない野郎だとおもったけど、全編通してカッコよかった。途中からもう司が主人公でいいんじゃね?とおもったよ。
特にAパートで玲と組んでからの退場まで、攻撃タイプの玲と参謀タイプの司が、罵倒にも似たコミュニケーションを取りながら信頼を築いていき、チームとしてお互いの足りない部分を補って戦い、最後は司が玲から離れ一人で死ぬところは今作一の名シーンと言ってもいい。
司は、Bパートでも瞳をしっかりと操ってたし、Cパートでも最後まで見せ場を作ったし、Dパートでも生き残ったし、彼はMVP何じゃなかろうか。

★蒔岡 玲 ナンバー9
剣術の達人で復讐するためにゲームに参加した混沌をもたらすヤバいやつ。のはずが、話が進めば進むほどまともで安心できるメンバーになった。
司と組んだ時はしっかりと命令通りに動き、復讐相手を殺せる時も静止の呼びかけで止まったり、暴走する黒河の抑止力になったりと、物語の中では復讐者にも関わらず、武を持って暴力的な解決を制止し、知を持った解決方法を追うために奮闘する立場であった。作中最強なのは瞳だったけど、剣を持った玲が互角ぐらいの設定でも良かった気がするなぁ。

★上野 まり子 ナンバーA
心に余白を持てない女。目的のためのルールがルールを守ることが目的、になっちゃうことってあるよね。
「わたしがんばっているのに」っていう言葉がまり子にはとても似合う。
最後はイケメン真島に依存するも真島は運営に殺されてしまい、リベンジャーとなって前作の「シークレットゲーム~Killer Queen~」にも登場する模様。みててイライラするレベルの空回りをしてくれるキャラクターって特徴としてはすごい優秀だとおもう。

★真島 章則 ナンバー7
だいたい死ぬボクサー。敵対する相手が刀・銃・チェンソー・マシンガンに対し、ボクサーって設定は近距離に飛び込まざる得ないので、どうしても死亡率高くなっちゃう。強さランキングでは、
 瞳>>玲>悠奈=はるな>真島>>黒河 
くらいの感じなんだけど、心の拠り所が素手なのはキツいよね。最後の方はずっと「まり子まり子」言っててイチャイチャしてんなこいつらとおもった。

★黒河 正規 ナンバー8
最初が悪すぎて後に善行を行っても全然印象が回復しないクズ。大祐は状況を理解してから監禁レイプしたクズだけど、黒河は状況とかルールとか関係なく拳銃を撃ち、人を殺そうとしたクズ(何度も)なので実生活で一番関わっちゃいけないタイプだとおもう。
BパートやCパートでは黒河がけっこう活躍するんだけど、あまりにも印象が悪すぎて読むのが嫌だった。せめてAパートで、人を殺すことには流石にためらいがあるとか弱者には弱いとか、もうちょい人間的なところ見せておいてほしかった。

★城咲 充 JOKER
善人の中で一番まともなバランスを持ってるプレイヤー。解決方法も現実的かつ平和的なものをチョイスして行動するし、最後には自分の命を投げ出してもいいと考えてる。人生は出会いで運命は変わると思うんだけど、初音は充に出会えたことで色々な強さをもらって人として成長したとおもう。だからか最後のシーンの大人になったショートカットの初音がカッコよくみえた。

★細谷 はるな ナンバー3
野暮かもしれんが、親はなんで自己破産しないの?
若者一人の命の値段を1000万と想定、1回のゲームで最低で10人は死亡するので1回辺り1億相当の対価。運営経費を差っ引いて25%がはるなに入るとすると1回の参加で2500万。たしか今回で9回目だったのではるかは今まで2億程度の成功報酬を受け取ってることと推測。
10人近くぶっ殺して2500万っていうのは安すぎるのでもっと貰ってるとはおもうけど。
人って150万以上の借金から自殺リスクが生まれる統計があるが、2億以上の借金はもう子供が何とかしようとする次元ではない。
金銭の相場がゲーム内では異なってると言えばそれまでだが、少なくとも自分だけの判断で、何十人も人を殺して金銭的な問題を解決しようとしているはるなの理性は狂ってる。

★粕谷 瞳 ナンバー2
最強のメイド。ルールがあって武器が用意されていてPDAの能力が個々に用意されて、誰がどういう戦略で状況を攻略するのか、という前提をぶっ潰すようなバランスブレイカーだったとおもう。行動原理もゲームをクリアしたいではなくご主人さまと決めた人の支持に従う(だけど暴走もする)というもので、彼女は感情移入する対象ではなく一つのウェポンみたいな存在。
だからこいつがトラウマがあって幼少期に精神が退化するみたいなところにも、まったく何も感じなかった。
Dパートで全員が遂に手を組んで運営と戦う!となった時も、瞳の戦闘が始まった次のシーンで速攻はるかと一緒にやられてて、今までの強さどこいったんだよ、という超がっかり展開には興ざめだった。たとえば瞳に体術を仕込んだトラウマの根源的な運営の男が現れて、瞳が一騎打ちするとかがあって肉体的にも精神的にも自身を乗り越えるみたいな展開がほしかったよ。



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