約束手形の作文

僕の通ってた高校では、年に一回何かしらのテーマに沿った作文を書いて、それをクラスの連中の前で一人ずつ読んでいって、その中で一番内容が良かったヤツを選んで、ソイツは全校生徒の前でその作文を読まされるってイベントがありました。

ハイパーめんどくさいイベントではありますが、流石に逃げられなかったので、渋々やった記憶があります。

高校一年生の時にそこで書いた作文が、何を血迷ったか約束手形について書いたものでした。おそらく自分の中で何度目かの『ナニワ金融道』ブームが来ていたのでしょう。

約束手形についてのエピソードは『ナニワ金融道』の中で何度か出てきていて、「なんて恐ろしいんだ…」と子供ながらに感じた記憶があります。なのでこのことを書いたら面白いんでないかと思い選んだのでしょう。

細かい内容に関しては忘れてしまいましたが、「手形の裏書人には絶対にならないようにしましょう」ってことを強く伝えようとしたものであったことだけは覚えています。

この作文を読み終えた後、クラスの連中は全員「何言ってんだコイツ」って顔をしてました。当たり前です。

唯一担任の教員だけは「面白かった」と言ってくれましたが、約束手形そのものについては知らなかったようで、「こんな大事なことなのに学校の先生ですら知らないって大丈夫かこの国?」っていうショックの方が大きかったです。

僕の書いた作文はもちろんクラスの代表に選ばれることはありませんでしたが、教員達の中ではちょっとした話題になったらしく、他のクラスの担任とか部活の顧問とかに弄られることがありました。

なんとなくヘラヘラしながら躱しましたが、「でもコイツら全員約束手形のこと知らないんだよな。詐欺仕掛けたら絶対引っかかるんだろうな」と思ってました。「こんだけ沢山カモになりそうなヤツらがいるんだから、そりゃ詐欺も無くなんないよなぁ」と悲しくなりました。

まあ特定の職業の人以外は取り扱うことなんてないんですけど、だからと言って放ったらかしにして良い話でもないかと。

まあ僕一人が声を荒げたところで変わるようなもんでもないと思ったので、とりあえず自分の身だけ守れりゃ良いかとその時はそれ以上何も言いませんでした。

正しいこと言ってても伝わんない時は伝わんないんだなぁってことを身をもって学んだというお話でした。

『約束手形』について気になった方は、是非『ナニワ金融道』を読んでみてください。

読んでいただいてありがとうございました。退屈しのぎにでもなっていれば幸いです。