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挿絵を描くこと④ 〜白と黒で表わす色〜


こちらの記事では挿絵を描く過程や
難しさについて書いてみました

少し長い記事になります




確か、去年の12月
私はとんたんさんの童話に挿絵を描かせていただいて
夢中になっていたものを描き終えてしまって、なぜか何も描けず途方に暮れていた

それまでnoteに絵や詩のようなものを投稿していたけど
その時は、もう何を描いていいのか、自分が何を書きたいのかわからなかった

そんな時、ウミネコ制作委員会さんにまた挿絵を描きたいとお願いした

ウミネコ制作委員会さんは、いくつか私のイラストに合うような作品をご紹介してくださり、その中のひとつにみけにゃんさんの「かぜのたより」という童話があった


「かぜのたより」のお話は
昔、小さなころに寝る前にお母さんに読んでもらっていた、やさしい絵本の世界そのものだった


のちにみけにゃんさんは、この物語を
「絵本に近い感覚で書いていました。」と言われていてとても納得したのを覚えている

そしてこの物語を、いつかお姉さんのお子様に読んでもらいたいなと思われて書かれたともおっしゃっていた


このお話は優しいおばあちゃんが出てきて、そのおばあちゃんに、ゆうくんがお手紙を届けるお話


私はちいさなころから自分のおばあちゃんが大好きだったので、自分と重なりこのお話にぜひ絵を描いてみたいと思い、挿絵を描かせていただくこととなった

指定された挿絵の枚数は一枚


驚いたたことに、
みけにゃんさんが描いて欲しいシーンと私が描きたいシーンがぴったりと同じだった

「おばあちゃんにゆうちゃんが抱きついているシーン」

描くならここだと初めから浮かんでいた


そして、おばちゃんのイメージも似ていた

「おばあちゃんは60代くらい」と設定はいただいて描いた下絵をお送りすると、みけにゃんさんは
「割烹着のおばあちゃんがいいなと思っていたのでイメージとピッタリです。」と言ってくださった

とても感覚が似ている方だと確信して、とてもうれしくなった



最初のスケッチ

なぜか割烹着のおばあちゃんが浮かんだ



スケッチをもとに
iPadで描いたデジタルの下絵

いつもお絵描きアプリ「アイビスペイント」を愛用




さて、私は白黒がとても苦手
ここからどうしよう

とりあえずいつものように好きな色をつけて
それをモノクロに転換すれば良いのだろうか。。?



色をつけた
この作業はいつも大好き

わくわくする



そしてこれをモノクロ変換してみると
こうなった


なんだか空がどんよりして見えるし
原っぱも暗く見える

何か違う気がした




そこで試行錯誤

白でタッチを加えたり、ぼかしてみたり
淡い灰色を塗ってみたり


そして出来上がったもの


なんだかしっくりきた

こちらをみけにゃんさんへ見ていただき
提出することとなった



とても微々たる変化で、比べなければ分からないし
自分にしか分からないこだわりだけれど

ただカラーを白黒に変換しても
私の描きたい雰囲気は出ないと気づいた


白黒の挿絵。。色を使わず表現するって難しい


これまで色が大好きで色ばかり追い求めていたので
とても難しいお題だったけど、新しい発見もたくさんあった


白と黒の世界でも
表したい色がある


色がなくても表せる色がある


それは絵だけを見るのではなく
その物語の世界観の中で言葉と一緒になり
読む人の心にそれぞれの色で色づいていく

白黒の絵は想像によって無限大に広がる
読む人の数だけ何色にでもなれるから


それが「挿絵」なのかもしれないと思った





こちらの真矢(みけにゃん)さんの「かぜのたより」はウミネコ童話集(ー)に掲載されています


懐かしさを感じるような
やさしい絵本のような世界へ


ウミネコ制作委員会さんのネットショップはこちらです




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