[体験記] はじめての生活保護 水際作製

割引あり

1回目:1日目 はじめての保護 はじめての施設

まったく思い出したくないのだが——いや、正確に言うと思い出すだけで気分が悪くなる——いちおうの参考資料にはなるだろう。生活保護の申請をする際に、もしくは単にどんな様子か知りたい場合にもオススメだ。

ながれ
受付→相談室→記入→質疑応答→申請書類→質疑応答→終了
(誰なんだい? 書類を提出するだけですぐに終わるなんて言ったのは)

該当施設に到着後、まずは窓口で受付だ。紙に記入して渡す。
記入する内容は、名前・生年月日・住所・受給歴の有無にチェック(生活保護がはじめてか/過去に受給したことがあるか)。

受付後、椅子に座って待つ。しばらくすると担当者がやってくる。相談室に担当者と一緒に入る。
担当者から紙を渡される。紙は両面印刷で、すぐに書き終える量ではない。紙を受け取ると、担当者は退出する。5~10分くらいで担当者は戻ってくる。相談室の机の上にはカレンダーとボールペン、朱肉が置いてある。透明なパーテーションがデスクを横切っている。相談者と担当者の間には明確に壁がある。相談室の入り口のドアは開いたままだ。いつでもガードマンが入れるからだろう。

記入する内容を簡単にまとめておく
(本当は写真を掲載したいが、問題になると面倒なのでテキストにした)

有無にチェックをする。
ある場合は詳細を記入する。

・氏名、生年月日、
・住所、本籍、戸籍筆頭者

・相談内容

・住居 (持家or賃貸、家賃、家賃の滞納有無)
・所持金 (金額)
・預貯金 (有無、銀行名、残高、定期・定額預金の有無)
・生命保険等 (有無、種類、掛金、掛金支払年数、解約した場合の払戻金額)
・年金等 (有無、国民・厚生・共済・障害・企業)
・仕事の収入 (金額、仕事内容)
・仕送り等その他の収入 (有無、金額、仕送の内容)
・健康保険 (有無、国民健康保険or社会保険)
・身体状況 (体調、良or不良、病名、病院名)(手帳・自立支援医療証)
・手当 (有無、失業・傷病・心身障害・児童扶養等)
・借金 (有無、借金の状況)
・親族の状況 (婚姻歴の有無、離婚歴の有無、子供いるか)(両親・兄弟との交流状況)
・生活保護歴 (有無、受給していた自治体名)

おそらく、この紙は来所した際に、書かなければならないテンプレートだろう。来所者のプロフィールを知るためのものだと思われる。DVやモラハラ、虐待に関する事項も記載されている。つまり、来所者は相談者として、まずは扱われる。
もしかすると、この用紙はインターネット上に公開されているかもしれない。公開されていないかもしれない。PDFかWordが公開されていれば、事前に記入して持参できる。

記入した用紙に間違いがないか確認し、記念写真を撮る。自ら持参した紙も撮影する。提出する紙のデータを残す。机の上にスマートフォンを置く、生活保護の申請書類と賃貸契約書も置く。メモ帳とペンも置く。顔をあげ、部屋を見渡すと時計が壁にかかっている。時刻は16時00分だ。

担当者が戻ってきた。来所してからここまでで20分が経過している。
そして、ついに水際での攻防が始まる。

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