見出し画像

2ヶ月で球速10キロアップ!県大会優勝に導いた高校生が取り組んだこと


こんにちは!宮地です!

改めて、秋季大会ではご声援いただき
ありがとうございました!

このTweetからありがたいことに、
DMなどで大会までの取り組み内容を聞きたい!


というお声をいただきましたので、
ようやく書き始めました。
(遅くなってすみません)


私が現在指導している
滋賀県立八幡商業高校(母校)の
投手の話になります。


若干釣りタイトルのようになっていますが、
紛れもない事実であり、正直私が選手以上に
驚いています(笑)


そして、

今よりピッチングのパフォーマンスを上げたい


このように思っている投手の方は、
参考になるかもしれません。


2021年7月〜2021年10月までの
期間を中心に時系列で書いていきます。


今回主役である中川翔介は、
高校野球ドットコムさんのYouTubeにも
取り上げていただいています。
(以降翔介として書いていきます)


1.山本由伸の劣化版?

2021年7月に小川監督からお話をいただき、
八幡商業1.2年生投手の指導をさせて
もらうことになりました。


初日は練習の見学。
(10年ぶりの母校懐かしい…)


そこで初めて翔介を見た感想は、

2021年7月10日
「身体はしっかりしてるけど、、
山本由伸投手の劣化版や!」

(心の声)です。

実際、
山本由伸投手を参考にしているようでした。


そしてこのフォームでも120キロ後半を
投げれると聞き正直驚きました(笑)


中学時代は滋賀県内の
ボーイズチームでファースト中心。

ほとんどピッチャー経験はなく、高校に
入学後は投手に挑戦するも肘の怪我に
悩まされていました。


そして、この2ヶ月前には練習試合で
大炎上しキャッチャーに転向していました。


フォームをパッと見た感じ、
軸脚が機能していないため
→歩幅が短くインステップ
→上体が前を向くタイミングが早い
→体幹が回らず手投げ

のように感じました。

↑投球腕と体幹の連動性を感じない
(完全悪ではありません)


翔介の投球練習後に、

「山本由伸投手のような、脅威的な柔軟性や
パワーを持ったフォームは難易度高いなあ」

と話したのを覚えています。

↑7月時点のラプソード測定では
130km/h出るか出ないか


このあと身体機能についても書きますが
明らかにパワーロスをしていて、
肩肘の負担が大きそうだという初見でした。
(当時身長178センチ、体重82キロ)

2.最初に取り組んだこと

まずは、選手が自分の身体を知るための
評価(チェック)を投手全員行いました。


指導する以上、私も選手の身体の
状態を知らなければいけません。

私自身、これまでプレーヤーとしての
パフォーマンスを上げる取り組みを
してきましたが、高校生の指導経験が
浅い中で最初に決めたことが3つあります。

・身体評価した上で指導する
・怪我をし難い身体作りを最優先する
・全員に共通する最適なトレーニングはない

それぞれの内容について
今回は割愛します。


そして、
翔介の結果はこちらです。

2021年7月
■可動域
・ブリッジ:×
・開脚:×
・オーバーヘッドスクワット:×
・脊柱屈曲:△
・肩関節内旋:△
・背中腕クロス:○

■パワー・スピード・瞬発力
・MB3kgバックスロー:16.4m
・立ち幅跳び:2.45m
・Tテスト(1往復):11.7秒
・50m走:選手からのヒアリングのみ
・ウエイト各種目:選手からのヒアリングのみ


内容は主に野球オンラインサロンの
ネオリベース小山田さんが投稿された内容を
参考に行いました。
(野球選手は入会を強くおすすめします)


評価後に1人ずつフィードバックをして
取り組むべき内容や選手の話を聞きました。

↑投手陣の中で1番ブリッジの
アーチが低かったのは翔介でした

その後ブリッジが投手陣の中で
トップクラスになり、エース番号を
背負うまでに成長するとは、、
この時は全く思いませんでした。


3.球速を上げたトレーニング


身体評価を行い様々な動きを
取り入れて分かったことは、


「翔介はパワーはあるけど可動域が少なく、
身体がどう動いているか理解していない」


ということでした。
(下の文はほぼ全員の投手がそうでした)


また、ウエイトトレーニングに関しても、
重量や回数の設定が筋力向上に適して
いなかったため見直すことにしました。



YouTubeやTwitterなどでも、
どうしたら球速が上がりますか?
という質問をもらうことがありますが、

「自身の弱点に向き合うことが
パフォーマンスを上げる一番の近道」

私はこのように考えています。
(私の学生時代は弱点から逃げ続けていました…笑)


弱点に向き合うほど、
怪我をし難い身体に繋がり、
怪我をし難い体づくりはパフォーマンスを
上げる根幹になると思っています。


なので、パフォーマンスを上げる最適な取り組みは1人1人異なり、動画でフォームを見ただけでは即答できないのが本音です。


<翔介の場合>
・筋力:◎
・瞬発力:○
・可動域:×
・身体操作:×
・投球フォーム:×
・メンタル:試合経験少なくて分からない

これが全てパフォーマンスを決めるわけではありませんが、とても大切な要素だと思っています。


翔介の弱点は分かりましたので
あとはどう取り組むかです。


そこで主に提案したものは、以下の6種類です。

・ストレッチ
・体幹トレーニング
・ジャンプトレーニング
・ウエイトトレーニング
・アニマルウォークトレーニング
・ファンクショナルトレーニング

投球フォームに関しては、サンプル数を集めることが大切だと考え、プロ野球選手のフォームと比較したり、ほとんどLINEでアドバイスしました。

グランドより落ち着いて考えられるので、文明の利器に感謝です(笑)


トレーニングの詳細は高校野球ドットコムさんのYouTubeで紹介していただいたものや、
私のTwitterでも紹介しています。
(今後も紹介していきます)


そして週2.3日はグランドに行く生活が
1ヶ月経った頃、8月に入り新チームの
初戦で翔介含む3人の継投で
ノーヒットノーランを達成してくれました。

4.トレーニングより大切なこと

翔介の弱点がどんどん改善すると共に、
計測する度に球速が上がっていきました。

2021年8月25日


8月の後半に計測した際、誤計測かなと
思いましたが、3球連続140km/hを超え、
翔介も私もめちゃくちゃ驚きました(笑)


コロナの影響で試合が無い中、
自分と向き合う時間が多かったのも
結果的に良かったのかもしれません。

翔介は人一倍自分の弱点に
向き合うことができる選手でした


今でも日々のトレーニングメニューを
LINEしてくれたり、全体練習後ジムに
通う選手は他にいません。


この頃にはブリッジは投手陣の中で
トップクラスになり、球速と相関の
高いスクワットの重量も大幅に伸びてきました。
(今は150kg近い重量でフルスクワットをします)

2021年7月
2021年8月

投球フォームに関しても、
参考にしていた山本由伸投手の面影はなく、
荒々しい個性的なフォームですが、
体幹と投球腕の連動性が抜群に良くなりました。


投手にとって個性的なフォームこそ
打者の打ち辛さに繋がるので、
ここの部分は丸く納まらず今後も
磨いて欲しいと思います。

そして滋賀県秋季大会では、
リリーフエースとして厳しい場面から登板し、
投球イニング13回、失点1、イニング数を
上回る奪三振を記録しました。

ちょっと出来過ぎかなと思います(笑)


そして他の投手や打者の奮起もあり、
大会経験者が少ない中でも滋賀県大会を
制することができました。
(近畿大会では残念ながら初戦敗退でした)

5.おわり

個人的にはトミージョン手術の影響で精神的に参っている状態でしたが、自身のリハビリも兼ねて高校生の指導を経験させていただき、小川先生や選手にはとても感謝しています。

他の選手も翔介と同じように
成長してくれました。

書いて欲しいと頼まれたら
書いてみようかと思います(笑)

来年も選手の成長を
見れることが楽しみです。

どのような結果になっても
後悔のない高校野球生活を
送って欲しいと思います。



想像以上に長文になりましたが、
最後までお読みいただきありがとうございました🙇‍♂️

他にもまた野球に関するnoteを書いていこうと思いますので、よろしければフォローしていただけると嬉しいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?