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LomoChrome Purple Film Swap -FotobesとHodachromeによるフィルム両面露光(日本語訳)

先日ロモグラフィーより公開された、イギリスの写真家Toby Masonとの長年に渡る国際フィルムスワップについての特集記事の日本語訳版です。LomoChrome PurpleXR100-400による「フィルム両面露光」(EBS)の「フィルムスワップ」(←ややこしい)の最新コラボ作品の紹介とともに掲載されており、二人の共作の経緯からノウハウ・アドバイス等が紹介されています。インタビューはToby Masonが回答する形式ですが、二人の意見をまとめたものとなっておりますのでぜひご一読ください。
元記事:LomoChrome Purple Film Swap ⁠— Exposing Both Sides with Fotobes and Hodachrome

(以下記事を翻訳)

ロモグラフィーのコミュニティメンバー、Toby Mason(別名fotobes)とHodaka Yamamoto(別名hodachrome)は長年に渡り「フィルムスワップ」のコラボを続けており、常に素晴らしい結果を生み出してきました。 今回Toby Masonに、LomoChrome Purpleを使った最新のプロジェクトと「フィルム両面露光(EBS)」として知られる手法についてインタビューしました。

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ロモグラフィー:こんにちはToby、あなたは数年前からhodachrome とフィルムスワップを続けていますが、そのきっかけは?そして今もやり続けている理由は?

Toby:私は2010年頃にFlickrでhodachromeの作品に出会い、すぐに彼の作品の色と創造性に惚れ込みました。私たちはFlickr、そしてFacebookを通じて会話を始め、幸運なことにお互いの写真をお互いが気に入っておりすぐに意気投合しました。当時はフィルムスワップをあまりやっていませんでしたが、同じ写真のフレームを共有したい人がいるとすればそれは彼だと思いました。そこでイギリスと日本の国際フィルムスワップにトライすることにしました。私たちが毎回新たなフィルムスワップをやろうと決めるたびに、私たちは常に何か新しい、より創造的なことに挑戦してきました。これまでに、通常の「フィルムスワップ」(フィルムを変え数回)、「フィルムスープスワップ」、「両面露光(EBS)フィルムスワップ」(片方がフィルムのオモテ面を撮影し、もう一方が裏面を撮影-両面を露出)、そして「Trifecta(3名による)フィルムスワップ」(イギリスの私、日本の穂高とアメリカのGraziella Inesの三者間で挑戦)を行いました。このTrifectaフィルムスワップはプロジェクトが完了するまでに約1年かかりましたがいくつかの素晴らしい結果が得られました。これとは対照的に、私と穂高はイギリスのブライトン(Tobyのホームタウン)で会ったときに、24時間で完成させるというフィルムスワップもやりました。私たちは数日間遊んだりビールを楽しんだりたくさんの写真を撮ったりしてとても楽しい時間を過ごしました。ということで、私たちはお互いの作品を楽しんでいるのでフィルムスワップを今でもやり続けています。

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ロモグラフィー:最近、Lomochrome purple filmを使ってフィルムスワップをやりましたね。このプロジェクトはどう構成されていますか?(技術的スペック面や準備の観点から)

Toby:以前は、カラーネガフィルムを使用してEBSフィルムスワップに取り組んできましたが、我々は個別にセルフスワップでLomoChrome Purpleを使い、Lomochrome Purpleのフィルム両面露光も試みました。二人とも結果を気に入り、そこでこのフィルムをフィルムスワップ用に使ってみることにしました。今回私たちは2本のフィルムを使用しました。穂高は日本で最初にフィルムの「通常」面を撮影しました。幸運なことに、穂高は暗室での経験が豊富なので各フィルムの撮影を終えると暗室でキャニスターからフィルムを取り出してそれを「反転」させてキャニスターに巻き戻しました(フィルムが正しく巻き上げられているかを注意深く確認しながら)。その後次の一方が二回目の撮影を行いました。最初にフィルムを装填するときは、LC-A内に入れたフィルムの装填位置に必ず慎重にマークを付け、2回目の撮影時にフレームが揃うようにしています。

「フィルム写真の魔法は、ちょっぴりのunpredictability(予測不能性)、そしてそれがもたらすexcitement(興奮)です。フィルムスワップに取り組むとき、我々はフィルムに何が写っているかを現像されるまで話し合いません。」

ロモグラフィー:フィルムスワッププロジェクトで楽しんでいることは何ですか?

Toby:一言で言えば:セレンディピティ(素敵な偶然に出会ったり予想外のものを発見すること)。フィルム写真の魔法は、ちょっぴりのunpredictability(予測不能性)と、それがもたらすexcitement(興奮)です。我々のフィルムスワップの行程では、フィルムが現像されるまでフィルムの内容についてはお互い一切説明をしません。別の世界のどこかで撮影されて生まれたものが現像されること、他のフォトグラファーが見たものを私が見るということを経験できることに私は喜びを感じます。出来上がったものは、私が見ていないものと実際に見て撮ったものとの共作というものですからね。現像結果は(うまく機能していればですが)魔法のように見えることもあります。一見平凡なショットでさえ、フレーム内で他の被写体と混じり合うことでそこに命が吹き込まれてきます。そして穂高と私はフォトグラファーとして、それぞれの故郷の自然や風景・文化の融合をお互いが常に意識し考え、感じたものを取り入れ創造しようとしています。これは無限の魅力を秘めており、それこそ私たちが常に達成しようとしているものです!

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ロモグラフィー:このプロジェクトを試してみたい人にアドバイスをください!

Toby:必ず同じ露出で撮影し、同じカメラを使用するようにフィルムスワップパートナーと話し合ってください。これにより一方の画像が他方を支配してしまうことを防ぐことができます。フィルム装填時にはフィルムの位置を慎重に印をつけ、ときには装填するときの状態を携帯電話のカメラで撮影して2人目が確実に同じ位置に装填できるようにします。これは手間がかかりますが、正確な撮影のために時間をかける価値は必ずあります。きれいにそろっているフレームはそうでないものと大きな差があります。そしてフィルムスワップは自分自身でやることで実践することもでき、これにより素晴らしい結果を得ることもできます。そして最後に、「挑戦」してください!一本のフィルムから2~3枚程度のクールな写真が生まれる可能性があり、その数枚でさえすべての苦労や手間を凌駕する価値を感じられることまちがいなしです!

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fotobeshodachromeの作品を二人のロモホームでもっと見てみよう!

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