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映像の向こう側の自分へ。

先日のミカジロウさんの記事。私も同じような出来事で胸を痛めていて、
しかも、自分への戒めと決意のためにもnoteに書こうと思っていた内容だったので
彼女のnoteを読みながら涙が止まりませんでした。

年子を育てた経験のあるお母さん、それだけでなく、2人以上の子育て経験のあるお母さん達なら、一度は味わったことのある気持ちなのかもしれません。

2歳の長男自身を「かわいいね」と私たちが抱きしめて
キスしてやるべきだったと胸が締め付けられるような気持ちに襲われる
いま、あの時に戻れたら小さい長男をずっと膝にのせて話をたくさん聞いてあげたいと思えるのに、と後悔する

そんなミカジロウさんの記事にもぜひ足を運んでみてください。

私も本当に似たような出来事で後悔をしました。
今日はそのことについて書きます。


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我が家の息子2人は、1歳5ヵ月差の年子です。
その頃、精神的に周りの人より未熟だった私は、慣れない子育てにいっぱいいっぱいでした。

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次男が生まれたばかりの頃の生活は、もう思い出したくないぐらい悲惨。

2時間置きの授乳で常に寝不足で、そのイライラでチョコレートを食べまくり食生活は乱れ放題。

子ども2人が昼寝するタイミングが同じじゃないと自分が疲れてしまうので、長男がまだ遊びたくても無理矢理寝かせたりしていました。

長男にご飯を食べさせる時も、次男をあぐらの上に乗せて授乳させながら食事の手助け。みそ汁やお茶をダーッとこぼされて発狂してしまうこともありました。

自分の身だしなみなんて整える余裕は一切無く、髪はボサボサでよれたTシャツ姿で2人のお世話に追われていました。

特に長男は体重が重くて、1歳になる前にはすでに12キロぐらいあったので
抱っこするのも腰が痛くてきつかったし、育児を楽しむ余裕はほとんど無かったです。

そんななかでなんとか乗り切って、2人の息子は中学2年と1年生になり、一昨年、私は13年ぶりに赤ちゃんを産みました。

お兄ちゃん2人とも、妹の誕生をとても喜んでくれて、産後、私の体調が回復するまでもオムツ替えや寝かしつけを進んで手伝ってくれました。

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おかげで、現在1歳7ヶ月になった娘のお世話を苦に感じることもなく、今まででいちばんゆったりと育児できている気がします。

今年の夏ぐらいのこと。

久しぶりに上の子2人が赤ちゃんだった時の映像が見たいと思い、8ミリビデオカメラで撮った映像を見ようとしたら、ビデオカメラは故障して再生できず、テープもところどころカビがはえていたので
カビの補修をしてDVDに焼きなおしてくれるサービスを利用して、過去のビデオを復刻してもらったんです。

届いたDVD9枚の中には、2人が産まれたばかりの頃の様子やお食い初め、1歳の誕生日の様子など、懐かしい映像がたくさんあって、家族みんなで盛り上がりながら見ていました。

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ところが、長男が2歳8ヶ月、次男が1歳3ヶ月まできたところで
とてもショッキングな映像が映し出されていたのです・・・。

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おそろいの服を着てテレビの前にいる2人を、私が撮影していました。

そしたら、長男が小さい声で何やら言っています。

「こーー。もーー。抱っこってばぁ・・・」

すごく小さい声で、最初は聞き取れなかったけど
2回目には私のところに近づいてきてハッキリと言いました。


「抱っこってばぁ~」

長男が寂しそうに抱っこをせがんでいるのです。
それなのに私は、何も答えずに次男を撮影しています。

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次男が映る映像の向こうで、長男がまた言います。
「もーー抱っこってばぁ!!」

(寝転がってる長男は泣き顔)

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そこまで見ていた私は、映像の向こうの自分に向かって、ビデオ撮ってるヒマがあったらなんで抱っこしてあげないのよ!って思ったのですが、その後聞こえた自分の言葉にア然………

「あーまえんぼーーー」

その声は、呆れるぐらい のんきな声に聞こえました。

さらに息子の声
「抱っこってばぁ~!!!!!」

「あーまえーんぼーーー」

「抱っこ~抱っこ~抱っこてばぁぁ!!!」

「もーー抱っこってばぁぁ!!!」

息子は全部で10回も、私に向かって必死で叫んでいました。。。

それなのに私、「あまえんぼー」だけ言って、そのままビデオを撮り続けていて・・・。

その直後で夫が「ただいま~」と帰ってきていて、そのあとのやりとりで、私がこの時なぜビデオを撮っていたのか理由はわかりました。

1歳の次男が「パパ」という言葉を覚えたてで、夫が帰ってきた時に「パパ」というところを記録に残したかったみたいなんです。


2歳の息子があんなにも私に抱っこして〜って訴えているのに、その気持ちにこたえなかった私。

そこまでして残したいものって一体なに?って、
映像を見ながらすごく胸が苦しくなりました。


その時、家族4人でDVDを見ていたのですが、長男は「俺めっちゃぐずってるやん」と笑いながらおどけていて、私はそんな長男の姿によけい申し訳なくなりました。

しかもこの映像の中で、夫が帰ってきた時の息子とのやりとりはこうでした。

「ただいま~」
「とぉしゃーーん!」

長男が夫にとびつき、ちょっと遅れて次男もとびつく。
夫は2人を一気に抱きあげています。

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「あのね、大根もにんじんも食べたよ」
「そうか~ご飯食べたか、偉いな~」
「うん!いーーっぱいたべた!」

長男はその一瞬だけで、満足したかのように抱っこされていた状態から自分で下に降りていたのです。

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これを見てさらに後悔しました。

息子は、何も私に何時間も抱っこしてほしかったわけじゃない。

ほんとに一瞬、お母さんの温もりを感じたかっただけなんです。

なんでその一瞬の抱っこをしてあげなかったんだろうと。

3歳目前になると、子どもは自我もすっかり芽生えて自分からお母さんのところを離れ、いろいろな冒険をするんだけど、ふとした瞬間にまたお母さんの温もりが恋しくなるんです。

お母さん抱っこ~!!

そんな時、すぐに腕を広げて包み込んであげたら、一瞬で笑顔になれる。
お母さんの匂い。お母さんの温もり。
産まれた時からずっと受け止めてもらってきた腕の中。

そうして安心したらまた自分で駆け出していく。

今の私なら絶対にあんなひどいことしないのに
あの時の私、なんでだよ、なんでだよって

その後、しばらくそのDVDは見ることができませんでした・・・。

それから数週間たって、みんなでご飯を食べている時に、私は思い切って長男に話しました。


「ねぇ この前2人が小さい時のDVDでさ、お兄ちゃんがすんごい泣いてたじゃん?」

「あー、あの 抱っこってば~ってやつ?」

「うん、あの時の自分を見て、お母さんすごく反省したのね。もしあのビデオの中に入れるならすぐにでも抱っこするのにな~って。今さらだけどごめんね。」

「あー いいよ、年子って大変って言うじゃん」

「ほんとごめんね。もう今のあなたは大きすぎて抱っこできないし抱っこされるのイヤだよね 笑」

「あはは もう母さん今のオレ抱っこしたらギックリ腰なるわ!
そう思うなら代わりに、ゆっちゃん(妹のこと)たくさん抱っこしてあげて。だってこーんなに可愛いんだから」

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長男はまたおどけながら、私を許してくれました。

情けない自分。でも救われました。

でもね、時間は戻らないんです。

あの瞬間の受け止めてもらえなかった傷は、「あの瞬間」でしか埋められない。

だからこそ。

長男が言ってくれたとおり、今は下の子をたくさん抱っこしています。

私自身も、姉とは1歳9ヶ月差の年子で、私の場合はいっつも姉ばかり褒められることや、いつも自分だけ洋服も道具もお下がりなことがすごく嫌で、不満に思いながら育ちました。

私の方が手がかかるからか、小さい頃の記憶は、私がいくら泣いてもお母さんが抱っこしてくれずに泣き叫んだことや、言うこと聞かないから捨てるって言われて車からおろされたこととか、悲しい記憶がいっぱい……。

自分がそんな風にされて寂しかったにも関わらず、私もミカジロウさんが書いているように長男に冷たく接してしまったことがあって、それもまた後悔しました。


長男のイヤイヤ期にスーパーでじたばた号泣されて、もう知らない!って背中を向けたり
話しかけてるのに聞こえないふりしたり。
この復刻した映像と、ミカジロウさんの記事から、自分の良くない部分を目の当たりにした気がします。

DVDは、もう当分再生したくないけれど、私が末っ子を育てていくなかで面倒くさいと思ったり、わざと冷たく接してしまいそうになるのを防ぐために、また観ようと思います。

ミカジロウさんが記事の中でご自身のことをすごく責めているのが伝わってきて、自分も共感できるからこそ彼女に伝えたいです。
コメント欄にも書きましたが、少し付け加えます。

ミカジロウさん、気づいているなら大丈夫。間に合わないなんてことはないし、愛情や気持ちは必ず伝わると信じて、、、お互い、あの時のことは忘れずに、今の子どもたちに精一杯こたえていきましょう。

ミカジロウさんのnoteを読んでいると、自分に眠っている感覚というか、性格というか、とても似ている部分を感じるので・・・応援したい気持ちと出会いに感謝する気持ちでいっぱいです。

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今日もありがとうございました。


私の書く記事は多分、伝わる人が限られています。いじめ、機能不全家族、HSP、病気などの記事多めなので。それでも深くせまく伝えたくて書いています。サポートとても嬉しいです。感謝します。コメントも嬉しいです🍀