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夜遊びと手作りワンピース

デザイナー兼パタンナーだった母
型紙を起こすのも 服作りも大好きで
子供の頃は 妹とお揃いの服だったり
学生の頃は ディスコに行く為のミニ丈ワンピースなんかも希望を伝え 作って貰っていた
体のラインが綺麗に見える様 何度も補正して出来上がった服は 着心地も良く気分も良くて
恵まれた贅沢な環境だった事に 今急に感謝をしたくなった

そんな訳で 夜遊びが楽しくても 纏っている母の温もりがチラつくので
日付が変わらないうちに必ず帰る事!っていう約束を守れていた気がする

ところが一度 門限を越えてしまった日があった
連絡手段は公衆電話の時代だから まぁうっかりすると帰宅時間の連絡も出来ず
その日は場の空気に流されて 電話もかけないまま約束を破ってしまった

取り敢えず 今帰宅したとバレなければ 翌日いくらでも誤魔化せるだろうと思い
床板の軋みにハラハラしながら忍者になって 抜き足差し足で 何とか2階の自室に到着
任務完了で ホッと電気を点けた

途端"お帰りぃ〜〜"
私のベッドから にやにやと母が出て来た
何故か全く怒られず

うちは知らない人の車に乗せて貰うのは禁止のルールなのに
断りきれず 初対面のBMW君に送って貰った

家を知られたく無くて
一方通行だから ここ迄で大丈夫!有難うございました〜 と別れ歩いていると
一方通行を高速で逆走して来て 電話番号の紙を渡された

私の部屋の隣は畑が広がり ベッドの前の出窓から道路が丸見え…

衝撃と焦りと反省と汗と

END

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