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【ゲームレビュー】ブラスターマスター ゼロ 3【メトロイドヴァニア】

※本記事はSteam(PC版)をプレイして書かれたレビューとなります

見下ろし型視点&横スクロール混成探索アクション第3弾。全ての始まりの地『惑星ソフィア』を舞台に、『ジェイソン』と『イヴ』の物語は、ついにクライマックスを迎える。

ストーリーに関しては続編物ではあるが、ゲーム開始時に過去作の簡単な説明が入るため、今作からプレイしても問題はない。

※続編作品でもあるため、本レビューでは前作、前々作との比較が多めになっています。

----------------------【良い点】----------------------

アクション

◆ こちらは改善点とバランス調整はあるものの、過去作からの変更点が少なく、内容的にはほぼ前作と同じになっている。こちらに関しては説明も兼ねて一部の文章を前作から流用させてもらう。


アクションパートでは過去作から引き続き戦車『ソフィア』を操作する横スクロール視点のパートと、ダンジョンに侵入した際に画面が切り替わり、主人公の『ジェイソン』を操作してプレイする見下ろし方視点のパートでプレイすることができる。


ソフィア

『ソフィア』操作時はオーソドックスな2Dアクション系の操作で、通常武器とサブウェポンを使い分けながら進めて行く


過去作からの大きな変更点の一つは、今作から追加された『ダブルSPシステム』を採用している点にある。『SP』は主砲用の『メインSP』、サブウェポン + 各種能力用の『サブSP』に分割されている。

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この仕様のおかげで、SP切れをあまり気にすることなく、と言っても無駄使いできるわけでは無いが、サブウェポンを使用したり、アクションを行う事が可能になった。


また、ゲームを進めていき、アップグレードアイテムを入手する事で、『ホバー』や移動関連のアクションが追加されていき、探索可能な範囲が広がっていく。


横スクロールパートでも、『ソフィア』から降りて『ジェイソン』でプレイする事も可能だが、こちらは狭い場所を通る時や『ソフィア』が使えないといった特定の状況のみでプレイする事となる。

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横スクロールパートで重要となるシステムの一つが『ガイアシステム』だ。このシステムは高所からの着地時や敵の攻撃で発生する衝撃を吸収し、SPに変換する機能になっている。

探索やボス戦時に『如何に上手くSPを回復しながら戦うか(探索するか)』を考えながらプレイできるようになっている。シンプルながら、今作のゲーム性にマッチした使い勝手のいいシステムと言えるだろう。

『ジェイソン』

見下ろし方視点『ジェイソン』操作時も通常武器とサブウェポンを使い分けながら進めることとなるが、『ジェイソン』は敵を倒すことで入手できるアイテムで一時的に通常武器をパワーアップさせる事ができる。
だたし、こちらが攻撃を受けると武器がパワーダウンしてしまうので、注意が必要だ。

ちなみに通常武器は能力の異なる『5つ』の弾薬をいつでも切り替える事が可能になっており、一部の敵の弱点になっていたり、特定のパズルを攻略する時に使用する必要がある。

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『ジェイソン』でプレイ時には、各武器の能力調整がされた点もだが、いくつか『カウンター』が追加されたことでアクション面での爽快感が増した。

敵の攻撃時やスキができた際に敵の周りに枠が表示され、表示されているタイミングでボタンを押すことで『カウンター』が発動する。
発動条件が非常に緩く、簡単に発動できる。ただし、強力だったためか、前作と比較すると少々発動可能なタイミングが短めになっている。
また、タイミングミスによってカウンターの発動に失敗してしまうと、再度カウンターが行えるようになるまで少々クールダウンタイムが発生するようになった。

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『カウンター』の仕組みについては、ゲーム性が全く違う作品で申し訳ないが、あえて例えるならば、わかる方には『バットマン アーカムシリーズ』や『シャドウオブウォー』のカウンターの感覚に近い。

ボス戦

体感でボス戦の回数自体が過去作よりも全体的に増え、よりボス戦でのアクションを楽しめる作りになっているように感じられた。また、ファンには嬉しい過去作から 使い回し のボスもいくつか登場する。

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『ガイアシステム』や『カウンター』、『ダブルSPシステム』によるアクション性とプレイヤー側が取れる選択肢の増加の影響もあり、ボス戦時のマンネリや単純さが軽減され、より面白みのある戦闘を楽しむ事ができるだろう。

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また、今作からいくつかのボス戦では見下ろし型視点と横スクロール視点、両視点での戦闘を行うボスも登場するようになった。

探索

探索面に関しては、アップグレード、ステータス強化、サブウェポンの数々の他にも、マップも発見する事ができる。これといった特徴は無いが、メトロイドヴァニア系作品特有の探索面での面白さを『ある程度』は体験する事は十分にできるだろう。

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また、今作ではゲーム開始時点からチェックポイント間の『ファストトラベル』を行う事が可能になっているため、探索面でのストレスが軽減された。

----------------------【悪い点】----------------------

良くも悪くも、前作と前々作からの不満点の多くは今作でも引き継がれている。

操作

◆ こちらは引き続き、『ジェイソン』操作時(見下ろし方視点)は全方位シューティングに似た操作なのだが、移動と銃の狙いを付ける時に使用するスティック(方向キー)が同じものになっているので、慣れるまで少し操作し難い。

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Lスティックで移動、Rスティックで狙いを付ける、所謂『ツインスティックシューター』系の操作方法が理想的だった。

音量調整

◆ この制作陣の作品ではいつも書いているが、音量調整を行うオプションが一切ない。OS側で調整するしかない為、非常に煩わしいだけでなく、ゲーム内のBGMとSEの差を調整できない。

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SP切れ

◆ 今作においては過去作ほどではないものの、こちらは人によってはストレスの溜まる仕様であるため、あえて記載する。

上記したように、過去作との違いとして、今作では『ダブルSPシステム』を採用している。『SP』は主砲用の『メインSP』、サブウェポン用 + 各種能力の『サブSP』に分割されている。

問題はSP切れを起こすと一時的に機体の性能が大きく低下し、『ホバー』すらできなくなり、地形にハマるために、フラストレーションがたまる点だ。

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ただし、このシステム自体はプレイヤーにSPの管理をさせるためのシステムで、面白い取り組みでもある。前作と同様の問題点ではあるが、『ダブルSPシステム』のおかげもあり、この点は大分改善されている。

アクション作品

今作の製作陣らしく、良くも悪くも『アクションゲーム』という側面が強く、『メトロイドヴァニア』あるいは『探索型のゲーム』という要素は非常に軽視された内容になっている。

ネタバレになるため詳細は控えるが、例えば、終盤のとある個所ではプレイヤーがいくら探索とアップグレードを機体に行っていたとしても『全く関係ない状態』でいくつかの戦闘を行う事となる。

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前述した通りに基本的な部分は押さえているものの、装備まわりのアイテムの殆どは強制的に取るモノばかりで、探索をする事による面白さや、探索系作品で重要となる『新しい何かを発見した時の楽しさ』を感じられない作りなっている。

難易度

◆ こちらは悪い点と言うよりは『注意点』として。

今作の難易度は他の過去作と比べて難しいという事は無いのだが、明らかに難易度の曲線、上昇の仕方が『過去作をプレイした前提』となっている。

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そのため、今作からプレイを開始すると急に難易度が上昇しているように感じられるかもしれないので、注意して欲しい。

-----------------------【総評】----------------------

相変わらずの『インティクリエイツ』らしい、良作のアクション作品に仕上がっている。そちら目的で購入するのであれば、間違いなく楽しめるだろう。

注意点としては、追加システムや遊びやすさの向上はもちろん図られているが、良くも悪くも過去作を踏襲した作品に『+α』した作りになっているため、過去作が好きであれば間違いなくハマるし、そうでなければ合わないだろう。


プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


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