「理子さん、今週末、お時間ありますか?」 リハビリ室で作本がいつものように声をかけてきた。彼が新しい提案をしてくるのはすでに予想していたが、何を持ち出してくるのか、理子は少し興味を抱きつつ問い返した。 「また何か新しいことを考えてるの?今度は何をするつもり?」 理子は机の上にある資料から顔を上げ、作本の明るい表情を見た。 「実は、音楽を一緒に聴きたいんです。しかも、レコードで聴く音楽です。」 作本は楽しそうに話すが、理子はその言葉に驚いたように目を丸くした。 「レコ
「理子さん、今週末、またお時間ありますか?」 作本の明るい声がリハビリ室に響いた。最近は、彼の新しい提案に乗ることが増えてきた理子だが、次は一体何を考えているのか興味半分、少し構えながら問い返した。 「また何か面白いことを考えてるの?」 理子は作本の方を見て、半ば冗談めかして言ったが、彼はまるで子供のように目を輝かせて答えた。 「今度は釣りです!堤防でのんびり釣りをしながらリフレッシュできると思いますよ。」 「釣りね…。料理はするけど、魚を触るのはちょっと苦手な
「理子さん!今週末ってお時間ありますか?」 作本がリハビリ室のスタッフルームに顔を覗かせながら、元気よく声をかけてきた。理子は、午後のリハビリ業務を終え、ようやく一息ついていたところだった。 「週末?日曜日は学会だから…土曜日の午後なら空いてるわよ。どうして?」 理子は、椅子に深く腰を下ろしながら答えた。作本の突然の質問に、特に期待することもなく淡々と応じた。彼の元気さはいつものことだったし、最近では新しい趣味を提案してくることも多い。 「実は、今週末にちょっと散