日々是紅茶㉛「ぼやけてしまった紅茶のレスキュー方法」
上質なセイロンティーは、何も加えなくても香りも味わいも品があってそのままで十分美味しい。
私はそう思っている。
けれど、つい色んな茶葉の封を開けてしまって、開封した茶葉がいくつもあったら、一人暮らしの人や家族構成によっては、また紅茶以外の飲み物も普段楽しむ人によっては、茶葉を余らせてしまうかもしれない。
紅茶の賞味期限って?
一般的に紅茶の賞味期限は、パッケージ商品として売られている状態で、2年~3年後に設定されていることが多い。(メーカーの意図にもよる)
紅茶の茶葉は意外と長持ちする。
乾燥しているし。
ただし、それは「未開封の場合に」という前提がある。
「開封後は2~3ヵ月を目安に飲み切れる量での購入をおすすめ」とも言われている。
・・・とそうは言っても、よっぽど湿気の多いキッチンなどに袋を開け放して放置しておかない限り、カビが生えたり明らかに傷んだようには見えないので、「開封後もパッケージに書かれている賞味期限までいけるだろう」と何となく保存してしまう人もきっと世の中にはいるだろう。
何を隠そう、かつての会社員時代の私もそうだった。
でも、ちゃんと美味しい紅茶を知っていくうちに、体感として分かってきた。
開封して空気に触れた瞬間から、茶葉の酸化劣化はゆるやかに、けれど着実に始まっている。
特に着香などをしていないシンプルなナチュラルティーの場合はなおのこと。
香りの揮発と、味の劣化を顕著に感じる。
古くなるとどうなってしまうの?
紅茶の茶葉特有の香りは、柑橘系、フラワリー系、グリーン系、穀物系など色んな個性があるが、酸化してくると概して酸化鉄ような少し鉄棒のようなサビたような香りへと変化してしまう。
味については、紅茶の渋みは感じるけれど、その奥にある甘味などが感じにくくなってきてのっぺりとした、ぼんやりとした味になってくる。
可もなく不可もなく、といった感じに香りも味わいも個性をなくしていってしまうのだ。
その変化は、ある時急にガクンと来るなら分かりやすいけれど、じわじわと来るので、ある日気付いたら、「あれ~この紅茶、こんなもんだったかな」と評価が落ちてしまうのだ。
なんと不名誉な・・・。
緑茶に比べて紅茶は、発酵や乾燥の工程のおかげで、退色や変質はしにくいとは言われてはいるけれど、それでも完成した茶葉の水分量は3~4%とカラッカラ。
しかも紅茶は一般的には新芽を選択的に摘採して製茶するので、元々とても柔らかい葉っぱを使用している。
空気に触れたら、湿気も酸素も匂いもスポンジ状態でがんがんと吸収していく可能性がある繊細なもの。
なので特に、紅茶を開封したら、美味しいうちに飲み切ってほしいし、保存の方法にも少し気を配ってほしい。
ぼやけてしまった紅茶を楽しむ方法
とは言え、ちゃんと遮光できる容器に密閉して保存して、なるべく早く飲むのが良いのは分かってはいるけれど、それでも余ってしまった紅茶。
若干ぼやけてきたけれど、どうしよう?
そんなときは、ちょい足しアレンジティー。
これは、自分の好みでなかった紅茶を買ってしまって余らせてしまったときにも使える。
とは言っても、難しいことではなく、本当にただちょい足しして香りや味にアクセントをつけるだけ。
ちょい足しの例としては、
☆柑橘ピール
☆カカオハスク(カカオの外皮)
☆レーズンなどのドライフルーツ
☆ハーブ(フレッシュでもドライでも)
☆スパイス
わざわざ茶葉を古くする必要はなく、新鮮で美味しい茶葉でももちろん楽しめる。
「オリジナルブレンドティー」と言うと、なんだかハードルが上がるけれど、何か一つ二つ、バランスを崩さない程度にほんのちょっと付け加えて茶葉と一緒に抽出するだけで、ぼやけた紅茶も美味しく飲み切ることが出来ると思う。
失敗しにくいのは、このほんのちょっと。
入れすぎると、色んなクセが出てきてアクの強い飲みにくい味になることもあるので注意!
出来れば美味しいうちに飲み切ってほしいので、保存方法についてはまた別の記事で。
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