日々是紅茶㉜<番外編>「お釈迦さまに捧げるバースデーティー、甘茶」
今回は番外編。
4月8日は、お釈迦様のお誕生日と一般的にはされていて、各地のお寺では「花まつり」という行事が行われている。
仏教国の中には、旧暦でお祝いする場合もあるし、スリランカにおいては日付ではなく、満月の日にお祝いするので、新暦5月に「ウェサックポヤデー(5月の満月の日)」にお祝いする習慣がある。
日本における行事は?
日本のお寺では一般的に、誕生したときのお釈迦様の像に、甘茶と呼ばれるお茶をかけて、お花をお供えするという慣習がある。
この甘茶というお茶は、「チャノキ」から作られたお茶ではなく、ヤマアジサイの変種である「アマチャ」という植物の葉で作られるいわゆるハーブティー。
実物を見たことはないので添付の写真は、タマアジサイだが、検索するとすぐに画像で出てくるので見てみてほしい。
その見た目は、まさにヤマアジサイ。
そして名前の通り、とっても甘い。
甘味を感じさせるハーブの仲間で言うと、ステビアが砂糖のうん十倍、リコリスがうん百倍とも言われる中、アマチャは1000倍とも(!)言われる程、強い甘さを感じられる特有の成分がある。
しかし、そのままの生葉では苦くて甘くないらしい。
ひとが手を加えることで、新たな一面を見せてくれる植物。
これは、「チャノキ」にも通じるところがあってとても興味深い。
さて、この日、この甘茶をお釈迦様に浴びさせる代わりに(ベイビーシャワーみたいだ)、私はアマチャブレンドティーを作ってみた。
好奇心でなんでも紅茶に入れてみたくなる。
使ったのはこちら
〇セイロンティーのシャンパンとも呼ばれる「ヌワラエリヤ」
〇アマチャ
〇矢車菊とカレンデュラの花
甘茶の使い方は気を付けなければならないとは聞いていたけれど、本当に甘味をしっかり感じられるので、入れすぎに要注意。
今回300㏄のお湯に対して0.4gとしたけれど、もっと少なくしてもよかった。ほんのひとつまみ入れるだけでもいいくらいだった。
ちなみに、アジサイにはこの成分は含まれていないので、乾燥させても揉んでも甘味は出ないそうだ。
なにより紫陽花は人間にとっては有毒で、食用飲用は出来ない。
見た目は美しいけれど要注意だ。
ヤマアジサイの変種であるとされる「アマチャ」。
それにしても、変種って微妙な変化が大きな変化につながっている。
自然の甘くて甘くない世界で、甘さに転んだ一例。
あくまで人間にとって、かもしれないけれど。
とにもかくにも、お釈迦様のお誕生日は甘いケーキではなく、甘いお茶を捧げましょう。
という話。
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