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天体観測をしてみませんか?

この記事は「音と遊 はにーま酒店 Advent Calendar 2021」の16日目の記事です。

記事の内容はタイトルの通りです。皆さん、天体観測に行かれたことはありますか?「興味はあるけどなんだか難しそう」「敷居が高そう」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、天体観測に行くための基礎的な知識を述べて、これだけ知っていれば天体観測なんて余裕なんだよということを皆さんに伝えていきたいと思います。

その前に、そもそもお前はどの立場でこんな記事を書いてるんやと言われそうなので、自己紹介をしておきます。小さい頃から星座や神話が好きでしたが、実際の活動としては大学で天文部に入っていただけです。大体2カ月に1回天体観測をしてしました。経験としてはそんなもんですが、逆にそんな自分でも天体観測を楽しむことはできるんだよということをこの記事では伝えに来ました。
もちろん、天体観測を本気で趣味にしている方がこの記事を見ると、たくさん言いたいことが出てくるとは思いますが、そこは目を瞑ってください。

天体観測の目的

そもそも天体観測の目的って何でしょうか。どうして天体観測に行くんでしょう。

それ自体をお仕事にしている人ならまだしも、遊びとしての観測であれば、目的は特にないんじゃないかなと思います。観測地でどう過ごすのもみんなの自由です。望遠鏡や双眼鏡で星や星座を追いかけるも良し、カメラで写真を撮るも良し、ぼーっと空を眺めるも良しです。
ちなみに僕は、観測中の行動としては、カメラが半分、裸眼で空を見上げるのが半分くらいでした。夜の冷たい空気の中で、地面に寝転がってゆっくりとした時間を過ごすのが楽しいんですよね。

必要な物

好きなように過ごせば良いとは言うものの、やはり天体観測はふらっと行けるような遊びではありません。それなりに事前準備が必要です。天体観測に行くためにはどんな物がいるのでしょうか。

観測をするには、星が見えるところ = 街灯などの光が少ないところ、に行く必要があります。要するに山や高原、少し田舎の方に移動する必要があるんですね。徒歩や公共交通機関では行けませんので、車(とドライバー)を確保しましょう。これが一番難しかったりします。
また、観測地付近は気温が低く、路面が凍結していることもあります。冬場はスタッドレスタイヤを装着することも考えておくほか、通ろうと思っているルートが冬季通行禁止になっていないかも確認しておきましょう。

防寒着

車の次に重要な持ち物です。観測地はとにかく寒いです。冬はもちろんのこと、夏でも余裕をぶっこいていると自然に負けます(僕は何回も負けて風邪を引きました)。大は小を兼ねると言いますか、想像以上に観測地は寒いんだぞという覚悟で防寒着を持っていきましょう。服装だけじゃなくカイロなんかもあると安心ですね。
具体的には、普段街中を歩く格好に加えて、上着2着、肌着1着、ズボン1本、ズボンの下に穿くレギンス1本、そして手袋とマフラー類くらいは持っていくようにしていますね。これだけあれば十分なんじゃないかなと思います。

赤色灯

天文部に入ってから、一番最初に「何だよこれ」と思った持ち物です。その名の通りなのですが、赤色の光を発する懐中電灯です。
なぜ赤色なのでしょうか。ここから少し難しい話が始まります。天体観測中は暗闇に目を慣れさせることで、小さな星の光も見られるようになってきます。これを暗順応と言います。皆さんも夜寝る前に、電気を消してから布団に入り、しばらくすると部屋の様子が分かるようになった、という経験がありませんか?これです。個人差はありますが、人間が暗順応するのにかかる時間は30分と言われています。難しい話ここまで。
せっかく目を暗闇に慣れさせても、スマホなど白い光を目に入れてしまうと眩しくて目がリセットされてしまいます。でも、観測地は真っ暗なので光を照らさないわけにもいかないですよね。
そこで赤色灯です。赤色の光は目の暗順応を妨げにくいとされています(暗いところで働く桿体細胞が赤い光に反応しないため、らしい)。観測地では赤色灯で照らすようにしましょう。

必要な持ち物は以上です。もちろん、双眼鏡や望遠鏡で星を見たいとか、カメラで写真を撮りたいとか、やりたいことに応じて持ち物は変わります。でも、ひとまず天体観測に行きたい!ということなら、上の持ち物があれば十分だと思います。

事前準備

次に、観測に行くまでにどんな準備が必要なのかを見ていきましょう。とは言っても、やることは「持ち物を用意する」以外、もう一つしかありません。それは、「天気を見て日付と観測地を決める」です。天体観測の天敵は「月明かり」と「雲」です。これを踏まえて、日付の決め方と観測地の決め方をそれぞれ見ていきましょう。

日付を決める

街明かりの多い場所だとそれほど感じないかもしれませんが、月明かりが観測の妨げになることが往々にしてあります。観測地に行くとわかりますが、月って本当に明るいんですね。昔の人が月を題材に句を詠む気持ちが分かります。

…話が逸れましたが、観測日を決めるには月齢カレンダーを見て、新月(満月の逆、月明かりがほとんどない日)あるいはそれに近い日を選ぶようにしましょう。ただ、お月見をしたい日とか、月明かりを感じたい日は、逆に満月の日に観測に行くのもおすすめです。

観測地を決める

日付を決めたら、次は観測地を決めましょう。月明かりをクリアしたら、残された敵は雲です。天文部のメンバーは、よくGPVというものを使っていました。

GPVとは気象庁や米国海洋大気局等の気象予測モデルをスーパーコンピュータで計算した予測値を指します。 気象予測モデルには、低解像度で長期間の予測をするモデルや高解像度で短期間予測するモデル、波浪を計算するモデル等あり、GPV気象予報では様々なモデルの予測を提供します。

http://weather-gpv.info/

各種天気予報では「晴れ」「曇り」「雨」などの情報が得られますが、天体観測に行く際には雨天はもちろんのこと、曇天でも中止の判断をすることがほとんどです。せっかく遠くに出かけても、雲があると何も見えませんからね。なので、GPVを見て、空にどれくらい雲がかかりそうかを確認してから、なるべく晴天になりそうな観測地を選びましょう。

上記からも分かる通り、せっかく予定を空けていても天候のせいで中止になることはよくあります。複数の観測地を候補にして調べておくと良いですが、行動範囲一帯が雲で覆われて絶望的な時もあります。そんな時は潔く諦めて、お家で美味しいご飯でも食べましょう。

最後に

これだけ知っていれば天体観測ができる!と個人的に思っている知識を並べてきました。この記事を見て「思ったより天体観測って難しくなさそう」と感じて頂ければ幸いです。そして、ぜひ天体観測を楽しんでみてください!

一方、天体観測は奥の深い趣味でもあります。話そうと思えばまだまだたくさん話せるので、もし興味が湧いて他の話も聞いてみたい!と思って頂けたら、ぜひうちのDiscordサーバーにお越しください。隙あらば宣伝しておきます。

このサーバーって何?と思った方は、アドベントカレンダーの初日の記事をご覧ください。隙あらば宣伝しておきます。

この記事は以上です。それでは皆様、楽しい天体観測ライフを!

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