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中秋の名月

 旧暦の8月15日にあたる29日は、月が特に美しいとされる『中秋の名月』です。29日は満月と『中秋の名月』が一致するためお月見には絶好のチャンスとなっていて次に同じ日になるのは7年後となるそうです。 
「中秋の名月」で満月のきょう 全国各地で見られた月の風景 | NHK | 気象 

 めったにない機会なので自宅のベランダで撮影しました。あいにくの曇り空でしたが、ときおり雲の切れ目から中秋の名月を観ることができました。 
百人一首に秋の月夜の情景を詠った歌があります。                   


秋風にたなびく雲のたえ間よりもれいづる月のかげのさやけさ
                       左京大夫顕輔
  
【歌のこころ】
秋風の吹くがままに、夜目にも白くなびく浮雲。そのかげに隠れている 月よ。ゆったりと動く雲の切れ目から、ふとこぼれ出る月光の何というさやけさ。静かに冴えた秋の心だ。
 
【語注】「月のかげ」・・・・・月の光。月影。

【解説】
 雲間にもれて一段と清らかに冴えまさる月光を、その一点だけにしぼりこんで詠んでいる。歌の格調のゆたかさがなければ景としては珍しさも何もない。さすがの力量といえるだろう。歌は、「崇徳院に百首歌たてまつりけるに」という場面での題詠で、家集にはなく、『新古今和歌集』の「秋歌上」に採られている。久安六年(1150)に召された百首である。
(中略)(顕輔の)歌風はこの歌にもみられるように、静かな淑気をもつ叙景歌が多いが、もう一度この歌に戻ってみると、風が少しある夜の晴天の深い秋色を背景にして、時々姿をみせる月の光の格別な冴えが空想を誘うものである。   

馬場あき子の「百人一首」NHK出版2016年


東京都近郊 (9月29日 午後9:30~10:00頃撮影)

 

 

歌のイメージとどこまであっているか自信はないのですが。。。

 今年の夏は記録的な暑さで9月に入っても厳しい残暑が続き、東京では9月28日現在90回目の真夏日を記録し過去最多を更新中ですが、この数日は夜はだいぶ過ごしやすくなってきており、秋の訪れを感じた一夜でした。

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