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スライドで授業する世界史

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2019年8月の記事一覧

21.坊やだからさ。

①カエサルの後継者は坊や カエサルが殺されたことを一番憤慨したのは親友であり一番の部下だったアンニウスだ。 アントニウス「絶対に許さんぞ!ブルートゥス一派を八つ裂きに!」 ブルートゥス一派を成敗したアントニウス。カエサルの葬式にも参列し、後継者は自分だと思っていた。 アントニウス「カエサルの意志は私が引き継ごう・・・。」 「発表する!カエサル様の後継者は・・・。」 「オクタウィアヌス様です!」 民衆「・・・だれ?」 オクタウィアヌスはカエサルの姉の孫だった人物

20.第一回三頭政治

①カエサルたちの台頭 混乱を収拾すべく軍人たちが力をつけていく。それがカエサル、ポンペイウス、クラッススの3人だ。 カエサルは地位があったが金がない。マリウスの血筋だし。 クラッススは金があるが地位がない。騎士だし。 この二人がくっついた。騎士階級はどうしてもバカにされるので、表舞台にカエサルを出すことで裏から支配しようとクラッススは考えた。 大隈重信と三菱みたいなもん。 ポンペイウスはもともと元老院の軍人だったが、シリア遠征に成功し、属州とすると、ここに無産市民

19.内乱の一世紀

①争いの後の混乱 グラックス兄弟はラティフンディアに疑問をもっていた。 「一人の人間が土地をもっていたのなら、戦争で重装歩兵となって我がローマを守るものは誰もいなくなってしまうのではないか?」 グラックス「元老院諸君!リキニウス・セクスティウス法によれば、大土地所有は制限されている!今っ!諸君らは家族名義でこの法律の穴をすり抜けているようだが、根本的な解決が求められる!私は大土地所有の制限法案を提出する!」 結果。 グラックス「よくわかった!ホルテンシウス法によれば

18.ポエニ戦争の爪あと

①属州の重税 消費税は10%になるなんてあまいこといってる場合じゃない。属州の税金は資産の50%をもっていかれるやばい税率だった。 なんでこうなったのか。 ポエニ戦争で属州を獲得することになったローマ。各地に徴税官を派遣し、そこから税を徴収する方式にした。 徴税官は総督と呼ばれ、任務についた。しかし、広すぎる土地で数人で徴税などできないのでお金に強い商人らを集めて徴税請負人を募集した。 給与は出ないが、税金に上乗せして手数料を取っていい。この税率は商人の自由だ。加え

17.ポエニ戦争

①広がるローマ領土 ローマの人々はローマ以外にも多くの土地を持つこととなる。土地の中にはローマの市民が建てた街や異民族の土地を支配した街とバリエーション豊かだ。ここでどの街にローマ市民権を与えるかで違いとつけた。 植民市 = ローマ市民権あり! 自治市 = 参政権以外のローマ市民権(結婚したり、裁判を受けることができたり) 同盟市 = ローマ市民権なし! 我々のイメージする「領土を拡大しして支配した地域=植民地」は上記のどれにも当てはまらない。 ローマの植民地は属

16.ローマ民主政

①ローマ建国 今回はローマの政治体制をやる。 周囲の状況。アテネを中心とするギリシャ人とフェニキア人が商圏を争って地中海沿岸に植民地を多く作っていたこの時代。 ローマはイタリア半島全てをおさめていたわけではなく、一部のみだった。ローマに住んでいたのは2つの民族。エトルリア人とラテン人。 勢力が強かったのはエトルリア人。建築に造詣が深く、やがて権力をもち、エトルリア人の王が出現した。ラテン人は不満を溜め込んだ。 ラテン人は反乱を起こし、エトルリア人の王を追放することに

15.アレクサンドロス大王の東方遠征

①フィリッポス2世の東方遠征 テーベから独立したマケドニア。 カイロネイアの戦いでテーベとアテネの連合軍を撃破。 フィリッポス「諸君!ギリシャはマケドニアを中心となった!しかし、ペルシアの脅威はいまだ健在。だから同盟を作り直す!」 コリントス同盟。 フィリッポスはペルシアに軍勢を差し向け、小アジアを占領。 この時、フィリッポスには妻オリンピアスとの間に子供アレクサンドロスが生まれていた。 妻オリンピアス「アレクサンドロスよ。お前は神の子供だ。世界を手に入れられる

14.衆愚政治は呆れる。

①アテネは堕ちた。 参政権をえた無産市民たち。 役職につけるようになった無産市民たち。しかも将軍職以外は抽選にした。アテネで能力関係なく、権利が合えば誰でも役職が回ってくる。 しかし、将軍職だけはアテネを守るので抽選で素人になられたら困る。だから選挙にした。 公職選挙法などないので、お金を持っている奴が、人々に金をばらまいて懐柔していく。お金のない奴は、理想ばかり喋っていて誰も見向きもしない。 将軍職に毎回当選している人物がいた。それはペリクレスだ。ペリクレスがいれ

13.ペルシア戦争

①みんな大好きペルシア戦争 ネットでよーく解説が入っているペルシア戦争を解説していく。ここら辺は高校で最初のテストの範囲で、しかも最初の具体的な戦争の解説が入るのでみんななんとなく知っている。 ②きっかけペルシアの領域内にギリシャ人の植民市があった。アテネがオリーブなんかを売りまくっていたので各地にギリシャ人が街を作っていた。 ペルシアはちょくちょく反抗してくるミレトスのギリシャ人を弾圧しまくった。ミレトスは弾圧に耐えかねて独立運動を起こした。 ミレトスの独立運動にア

12.アテネの民主政

①民主主義ができるまで。アテネの続き。アテネができた時は貴族、平民、奴隷に分けられていた。しかし、問題が発生したときに裁判のようなものは貴族が行なっていた。 だから法は貴族に独占され、平民には知るすべはなかった。 慣習法 = 文にはなってないけど共通認識がある。 成文法 = 文章になっているから認識が正確にできる。 慣習の具体例は「アメリカ大統領は3選禁止」が慣習。ちなみにこの慣習はルーズベルト大統領が破って4選した。戦争始まるから。 貴族は分かってるけど、平民は分

11.スパルタとアテネ

①スパルタ アテネと比較して内陸に存在しているドーリア人の都市国家、スパルタ。 エジプトも集落から文明ができますし、中国でも邑という城から始まっているから、まあギリシャでも都市国家ポリスができる。 スパルタを建てたとされるスパルタ王リュクルゴスが政治制度の基礎を気づいたのでリュクルゴスの制という。 スパルタ市民はめちゃめちゃ強い。映画「300」でも分かるように強靭な肉体を日々鍛え上げて、反乱や防衛に余念がありません。 少ない市民が多くの人々を支配しないといけないから

10.ギリシャの始まり、エーゲ文明。

①エーゲ文明=クレタ、ミケーネ、トロイヤ 3つの地域で起こった文明について書きます。地域ごとにクレタ、ミケーネ、トロイアの3つ。エーゲ文明の中に3つの文明が時代ごとに混在している。 ②クレタ文明 ギリシア神話ではフェニキアの王女ヘレネとゼウスとの子供、ミノスがいた。ミノスは妻と仲良くなかった。だから妻は心の隙間を埋めるためにたくましい牛と関係を持った。 ミノスの妃はやがて子供を産んだ。もちろん不倫相手の牛の子供だ。 子供は上半身は牛、下半身は人間の異形の姿だった。名

9.ギリシア神話と世界の始まり

①世界のはじまり。 ギリシア神話では世界は最初、「隙間」があった。これをカオスというらしい。まあ混沌だ。ここから大地の神ガイアが生まれ、ガイアは天空神ウラノスを産んだ。ウラノスは母であるガイアを妻としてさらに子供を大量に産んだ。 ギリシャの神々の貞操観念は、私には理解できない。笑 ウラノスは自分の産んだ子供の中に、一つ目のキュプロプスが気持ち悪くて、地獄に閉じ込めた。これを怒ったのが子供の一人、クロノスだ。 時空の神クロノスは、鎌で親父のちんこをちょん切って殺した。

8.あいつの裏切りは断罪されない。

①反逆者ダレイオス。裏切り者には天罰が下るのが必然ー。 そう思いたい我々がいる。呂布、吉良上野介、明智光秀、ブルートゥス。裏切りは悲惨な最期が待っていると思いたい。 しかし。 実際は、裏切って逃げおおせている人物が数多くいる。歴史の中で表に出てこない人々もたくさんいるはず。その中でも、今回のメインはすごい。 ダレイオス1世だ。 ②4つの国に分裂。 オリエントを統一したアッシリアに代わって、4つの国々が台頭した。特筆するのは北方のインドヨーロッパ系の民族のリディア王