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西アフリカのベナンに来て3週間、近況報告や考えたことなど

よしみひなこです。10月16日のフライトでベナンにきてから、あれよあれよという間に11月に突入し、最初は新鮮だったものが徐々に色あせ、良くも悪くも日常の一部になってきました。

緊張の線も徐々に緩み、アドレナリンが弱まり、生理が始まり、テンションが決して高いとは言えない状況ですが、だからこそ「なんだかんだたのしい!がんばるぞ!」だけじゃなくなってきた今の感覚を率直に残しておきたいと思います。

何食べてるの?美味しいの?

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この質問がたぶんいちばん聞かれる。今後これを聞いてくれた方にはこのnoteのURLをもって回答したいと思います。笑

穀物ベースではヤムイモ、キャッサバ、とうもろこしが多い。時々クスクスやスパゲッティ、あとはタイ米のようなものも出てきます。私は現地の家庭にホームステイをさせてもらっているのですが、ベナンの家では基本的にベナン料理を食べることがほとんどとのこと。

ベナン料理ではヤムイモ、キャッサバ、とうもろこしをいろんな形にして食べます。粉にして水で溶いて練ったものや、蒸しパンのようにしたもの、芋をふかしてお餅のようについたもの、粉のまま豆の煮込みにかけて食べることもある。芋をふかしてそのまま食べることもある。

穀物ベースの主食に加えて、「ジャ」と呼ばれる辛かったり辛くなかったりするトマトソースか、モロヘイヤのソース、それに焼いた魚か鶏肉かチーズ(形状は厚揚げみたいな感じ)を添えて一品になるというパターンが多いです。

美味しいかどうかという質問に答えるならば、多くの日本人が「美味しい!」となることは少ないかもしれない。決して不味いわけではなくて、ただどうしても慣れ親しんだ味ではないので、まだ「受け止めるフェーズ」って感じ。でもきっと1年後とかに食べたら、ベナンの思い出と共にすごく美味しく感じるようになってると思います。「美味しい」の感覚って、そんなものな気がしている。

生活はどうなの?シャワーとか洗濯とか、大丈夫?

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水回りは、トイレと洗面所とシャワーが一つになった感じで、お湯は全くでない。家のどこかで他の人が水を使ってたらシャワーもあんまりでない。ただ、インドを旅してた時もお湯シャワーには一度も出会えなかったので、ここのストレスは比較的小さめかもしれない。

洗濯については、先日Instagramにも載せたのですが、洗濯機なんてものはないので毎回手洗いしています。ホームステイ先の子供であるルイ(14才)が最初に洗濯の仕方を教えてくれたので、そんなに問題はなくただ粛々とやっている。しかしながら、全ての服を手でゴシゴシやっていると、改めて洗濯機ってすごいなと思います。大感謝。

仕事はなにしてるの?順調?

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以前退職エントリで「ドローン飛ばしてきます!」って言ったんですけど、ドローンの仕事はもともと政府とやっていて、いま政府との仕事はコロナウイルスで全然進められない状況なのでストップしています。

新規事業としてC向けのサービスを立ち上げてて、ベナン人の同僚たちとは英語でなんとか意思疎通しながら、私は主にプロダクト周りとか戦略とか、あとはまあ全部!って感じで泥臭くやっています。

こっちで仕事してまだ3週間弱だけど、自分の中で一番の大きな変化は「メンバーを幸せにしたい」という思いが生まれたことかな。具体的には「なんとか売上を立てて、もっと給料を払いたい」「この人の自己実現をサポートしたい」という気持ちが芽生えたこと。

たぶんあと5ヶ月ちょっとをかけて、その感覚はもっと育っていくと思います。一方でそこに対してのスキル不足も非常に痛感している。でも、じゃあいつになったらスキルがつくの?と考えると、いつまでも満足いくところへは行けないと思うので、やりながら学ぶんだろうなあ。

仕事は順調かと聞かれると、暗中模索すぎてなんとも言えないって感じです。ベナンはフランス語圏なのにフランス語が一切喋れないとか、お金ないとか、リソース足りないとか、課題を上げ始めたらキリがないけど、今一番クリティカルなのは何なんだっけをしっかり考えてがんばります。

「お金がないのでください」って言われたはなし

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印象に残っている出来事があって。先日オフィスに突然しらないおじさんが来たんです。社内全員、だれも知らない人です。基本的にはフランス語なので何を言っているかよくわからないのですが、時々片言の英語でこっちにも頑張って説明してくる。

同僚に聞くと「今仕事がなくて、でも整備の仕事ができるから応募したい、そのための書類と写真代として2,500CFA(500円ぐらい)払ってほしい」って言っていたらしくて。

そう言われたとき「え、もらえるわけがないのでは・・・?」と思いました。500円と思えばたしかに安いけど、25CFAでドーナツのようなスナックが買えるベナンで2,500CFAって結構たかい。私含めてみんな全然お金ないし、まず困ってるって嘘かもしれないし。というかそもそも知らない人だし。

でも、同僚はお金を渡してました。彼が渡さずとも他のメンバーが渡していたかもしれない、とも言っていました。ベナンではこういった助け合いがよくあるらしくて、しかも自分も困ってて助ける余力なんて到底ない人が、普通に助けるらしいんです。

それを聞いた時、「逆に、なぜわたしは目の前に困ってる人がいるのに当然助けないと思ったんだろう?」と空恐ろしいような感覚に陥りました。幼稚園の頃の私だったらきっと助けたはず。500円が高いと言ったって、私の財布にはそれが入っていて、500円がなくて死ぬわけではないのだから。日本で働いて、お金を使って、資本主義に揉まれる中で、いつの間にか500円というお金の価値が逆にわからなくなっている気がしました。

ベナンに来てよかったなと、すごく思った出来事でした。そうやって、当たり前だと思っていた感覚がごく限られた世界での当たり前だったことに気づいて、いろんな事実を別な視点から考える機会をたくさん得て、思考して、ほんの少しでも深い人間になって帰国できるといいなと思います。

おしまい。

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