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2024年3月議会 一般質問 質疑【給食費交付金関連のみ抜粋】

抜粋していない全文はこちら。


2024年3月7日(木)五所川原市議会

〇花田勝暁議員 

つづいて、

7.子育て支援に関する県の2024年度予算案について

 です。県の2024年度予算案に、本年10月からの小中学校の給食費無償化が含まれています。

 当初、初動の報道で分かったことは、こういういいことでした。

 県内の小中学校の学校給食費、ほぼ全額無償化へ、ほぼ全額というのは、この時点では平均分しか出さないと、小学校で280円、中学校で310円で計算しますよと。特別支援学校も私立も対象だと。これは、思い切ったなと思いました。最初の年は10月からで、その翌年から通年の制度にするということでした。このときは、五所川原市が平均の給食費よりも高いのか低いのか、そんなことが気になりましたが、しかし、後日、当市にとって、驚愕の但し書きがあることがわかりました。

※既存事業への財源充当や単純な現金給付(※出産祝金など)は認めないが、拡充分は認める。
交付率:学校給食費の無償化事業 10/10、学校給食費の無償化以外の事業 8/10

 こういう但し書きです。当市は、学校給食費の無償化事業をすでに実施しております。また、予算の大きな子育て支援事業として、昨年から高校生までの医療費無償化も実施しています。

 当市は、学校給食費の無償化事業を既に実施しております。また、予算の大きな子育て支援事業として、昨年から高校生までの医療費無償化も実施しています。当市のような、既に小中学校の給食費無償化を実施している自治体は、既に行っている子育て支援以外に、新規の支援策を行った場合にのみ財源が配られ、その充当率は8割、給食費無償化にも使えないばかりか、高校生までの医療費無償化にも使えない。明らかに子育て支援に力を入れてきた自治体に比べ、これまで子育て支援に無関心だった自治体ほど財源が受け取りやすい案になっています。少なくとも青森県においては、子育て支援に力を入れてきた自治体は、予算が潤沢だから支援してきたわけではなく、どうにか予算を捻出して子育て支援策を実現してきた自治体ばかりです。今回の県が進めている給食費無償化を中心とした子育て支援に関する県の制度設計に関して、市側はどう考えているか、考えを教えてください。

〇木村清一議長 財政部長。

〇三橋大輔財政部長 青森県の給食無償化事業関係の御質問にお答えをいたします。
 新聞報道等で知ることのできる情報の範囲ということで、留保してお答えをさせていただきたいと思いますけれども、都道府県単位で一律学校給食費の無償化に取り組むのは、青森県が全国で初ということで伺っております。また、給食費無償化が社会全体で子育てを応援しているというメッセージを効果的に伝えることになるというのは、市の地域で子供を育てるという施策にも合致し、一定の評価ができるものと考えております。
 しかしながら、給食費を既に無償化している市町村に対しては、給食費以外の子育て費用の無償化事業やその他の子育て支援事業を行う場合に、必要経費のうち8割を限度に交付するとのことでございますので、給食費無償化の財源に県交付金を充当することはできません。そのため、給食費の無償化を実施していない市町村は、県が積算した給食費の必要経費が全額交付されますが、当市のように既に給食費の無償化を実施している市町村は、別の子育て支援事業を新たに実施することとなり、2割の新たな財政負担を生じることとなります。給食費の無償化の実施、未実施によって交付の考え方に差があることについては、正直なところ不公平感は否めないものと考えております。

(再7-1)

 最後が給食費、子育て支援についてです。この質問を通告準備していた時点では、この制度設計がサラッと報道れていました。その後、新聞報道でも議論に上がるようになって、問題が共有されているのですが、まだまだ不明なところがあります。

 各自治体独自の給食費無償化は、恒久的なものではなかったはずです。仮にもし、今、給食費無償化を行なっている自治体が、4月から9月まで給食費無償化をやめた場合は、本年10月から県の財源から給食費相当を満額受け取れるのでしょうか?

〇木村清一議長 財政部長。

〇三橋大輔財政部長 お答えします。
  当市では、令和2年10月から市内小中学校の給食費完全無償化を実施しており、令和6年度も実施予定としております。県が令和6年10月から実施する学校給食費無償化と子育て支援市町村交付金において、令和5年度に学校給食費無償化を実施済みの市町村については、給食費無償化の財源として本交付金を充当することは認められず、別の子育て支援施策の無償化事業を実施することとされております。そのため、仮に令和6年4月から9月まで給食費無償化を実施しなかった場合でも、給食費無償化の財源として本交付金を充当することはできないものと考えられます。

〇木村清一議長 1番、花田勝暁議員。

〇花田勝暁議員 この質問は、再質問として通告はしていたんですが、県側には聞いていただけたんでしょうか。

〇木村清一議長 財政部長。

〇三橋大輔財政部長 説明会が3月の末にありますので、それがオーソライズされた答えになるかと思いますけれども、確認した範囲内では、5年度中に実施していて、6年度半年休止したからといって、充当することはできないというふうなニュアンスの回答を得ております。

〇木村清一議長 1番、花田勝暁議員。

(再7-2)

〇花田勝暁議員 ありがとうございます。聞いていただいたということで、よかったです。でも、今給食費無償化を実施している自治体が実施できなくなる可能性というのは、制度設計の中に当然検討されるべきですが、その点不十分かと思います。全県一律を目指していても、どこかやっているところがやめたとなれば、全県一律にならないですから。
 新規の子育て支援を行った場合に、充当率8割で財源が分配されるとありますが、その上限は幾らなのでしょうか。五所川原市がもし小中学校の給食費無償化を実施していなかったとすると、小中学校合わせて約1億5,000万円の財源が分配されたはずです。

〇木村清一議長 財政部長。

〇三橋大輔財政部長 あくまでも現在の知り得る範囲内でのということで、留保をつけさせていただきたいと思いますけれども、交付金の算定方法ですが、報道等によりますと、令和5年度の県内全市町村の学校給食費の平均単価を基に、1食当たり小学校では280円、中学校では310円、先ほどスライドといいますか、画像にもございましたが、そういう単価で算定をするということですので、これらの給食費の単価に提供日数、児童数、生徒数を掛けてはじき出しますと、年間ベースでは1億5,000万円程度に当市の場合はなるかと見込まれます。県では、10月から半年分の事業費を計上しているということですので、1億5,000万円の半分、7,500万円程度が令和6年度の上限額になるかと見込んでおります。繰り返しますが、3月の末に県で正式な説明会を持つということですので、それを待ちたいと思います。

〇木村清一議長 1番、花田勝暁議員。

(再7-3)

〇花田勝暁議員 ちょっと困らせているようですけれども、再質問通告もしていた内容ですので、続けさせていただきます。
 充当率8割で、県が1億5,000万円用意しているのであれば、受け取ることができる事業の予算は1億5,000万円ではなく1億8,750万円です。この認識で合っていますでしょうか。

〇木村清一議長 財政部長。

〇三橋大輔財政部長 そのとおりかと思います。

〇木村清一議長 1番、花田勝暁議員。

(再7-4)

〇花田勝暁議員 年間の話をさせていただきますけれども、3,750万円が市の負担分になります。先日は、1億5,000万円の2割の3,000万円が市の負担という答弁があったと思いますが、市長が5日におっしゃった、県が用意した予算を無駄にしたくないというところで、この制度設計で満額を受け取ろうとすると、事業の年間予算が1億8,750万円、市の負担が3,750万円です。現金での給付も認められません。当市は、高校生までの子供の医療費無償化も昨年から実施しています。新規でそのような規模の子育て支援のメニューは、現実的にあるのでしょうか。

〇木村清一議長 財政部長。

〇三橋大輔財政部長 県交付金の詳細については、今後県の説明会と情報収集に努めてまいりますが、他自治体の事例、それから予算規模、将来にわたって市の子育て支援に資する事業かどうかを十分に見極めた上、さらには市の財政負担も考慮しながら、充当事業を検討してまいりたいと考えております。

〇木村清一議長 1番、花田勝暁議員。

(再7-5)


〇花田勝暁議員 ほかの議員が似たような質問をされたときは、ちょっと考えているふうな答弁をいただいたと思います。もう少し具体的に事例を出していただけることを期待していました。

 もちろん、全県で、給食費無償化を実現したいという知事の考えは大歓迎しています。しかし、既に実施している自治体は、新規の支援策を実施しなければいけなく、しかもその充当率は8割という条件があることで、子育て支援を頑張ってきた自治体にとって理不尽な部分がある。平等ではないと考えています。

 小中学校の夏休みの宿題に例えるなら、子育て支援というドリルに、先に取り掛かって頑張って終わらせていた生徒に、夏休みの途中で、今までやった分は評価からはずすので、新しく自分でドリルを買ってそれをやったら評価します、まだ、やっていなかった生徒は最初のドリルをやったらそれを評価します、と言われたような理不尽さを感じています。 給食費無償化を実現している自治体は、ただ単に、頑張って遊びたいのを我慢して先にドリルを終わらせていただけです。

 塾の例えも用意しています。うちは家計をどうにかやりくりして旅行にも行かず外食も控えて、なんとか子どもを塾に行かせていました。でも行政が急に、今まで塾に行ってなかった子が塾に行く場合、全額助成します。でも、今まで塾に行っていた子の場合、通信教育とか家庭教師とか、塾以外のことを新しく始めたら、その8割を助成します。そんなことしたら、今まで塾に行かせいていた家庭から反対されるのは、当たり前ですよね。隣の子は、塾には行ってないけど、先日も家族で遊園地に行って、車もピカピカの新車で…。うちは、色々我慢して、塾に行かせていただけなのに、なんでこんな仕打ちを受けなきゃいけないよって声が、当然上がるでしょう。

 すでに給食費無償化を実施している自治体と、まだ実施していない自治体で、 すでに実施している自治体の方が、財政的に余裕があるということを、県がもし示せるなら、納得しますよ。でも、それは示せないはずですよ。五所川原市の状況を見せたらいいですよ。 給食費無償化を実現しているかどうかは、子育て支援を意識して頑張ってきたかどうかです。自治体の財政状況と相関関係はありません。

 なんでこういう制度になったのか? 県は、今まで行われていない子育て支援の新しいメニューを、子育て支援を頑張ってきた自治体に期待しているのかもしれない。そうだとしたら、その充当率は10割であるべきだと考えます。給食費無償化についての充当率は10割であるのだから。

 一度、これが通ったら、一方は負担なしで、他方は負担ありで、という状況がしばらく続くことになります。負担する方の負担は毎年毎年積み重なっていきます。

 佐々木市長は、宿題を最初に片付けるタイプでした。外食も控えて、子どもを塾に行かせるタイプでした。子育て支援に取り組んできた側が、この負担を負わなければいけないこの制度設計は、やっぱり間違っていると思います。

 この間の新聞報道を簡単に振り返ってみます。この件に関して連日報道している東奥日報を題材に、この間の新聞報道を振り返らせていただきます。2月29日に「給食費無償化全額補助を 青森市議会県に意見書 議員提出へ」という記事が載りました。この記事で、意見書を提出する自民クラブの花田会長は、「青森市などは厳しい財政状況でも、苦心して無償化の財源を捻出してきたので、不公平感がある。県には、これまでの市の努力を考慮してほしい」と言っていました。

 3月1日、それに対して「県知事 誤解を取り除きたい」という記事が載りました。「最初は、一律で必要な財源を交付しようと考えた。ただ、こうした手法は、地方自治法を大事にする私の政治の基本原理に反する。市町村の自己決定や自治権を侵害すると思い直し、自らの意思と財源で既に無償化を決めている市町村と、無償化していない市町村を分けて交付する仕組みにした」という記事です。これに対して青森市議会は、「2割分の新たな財源が必要となり、さらなる既存事業の見直しや廃止につながると懸念を示している」と答え、それに対してまた宮下知事は、「県が80%を負担する破格の制度、こういう交付金を使って新たな支援をやってほしい」というふうに答えていました。同日、佐々木市長のインタビューも載っています。「誰が見ても不公平感があり、県に再考を求めたい」。「市議会意見書提案の動き」これら合わせて紙面の3分の1を占める大きな扱いでした。
 3月2日、県議会散会後、宮下知事は報道陣を前に説明しました。「知事、算定の公平性、協調」という記事でした。
 3月5日、「青森市、西市長、交付金を市の給食費に充当できれば助かる」という記事が載りました。
 3月6日、「知事、説明不足に当たらず」というタイトルで、ある県議の「自主財源でやりくりしていた分をほかの子育て支援に生かせる制度の改善が必要では」という質問に対して宮下知事は、「単なる市町村への財政支援になる」と反論しています。まずは、給食費を県内一律に無償化し、その他の無償化を加速度的、段階的に進めていくと、制度の趣旨を語ったとあります。これに対して、財政支援でもいいのではないかと質問した議員は答えました。
 3月7日、今日の新聞にも載っています。「2013年度に県内で初めて給食費無償化を実施した新郷村、櫻井村長、不公平感が出ないか。20%が自治体の持ち出しで、新たな負担になる」という記事でした。
 この記事を整理しながら、さらに私は怖いことを感じたんですけれども、一度自治体が自己決定した子育て支援は、延々と負担になっていくのではないかということです。負担の連鎖が続く可能性があります。宮下知事は、自己決定したものにはお金を満額出す気はないというようなお考えをお持ちなので、自己決定して先にいろいろやればやるほど負担の連鎖が続く、そういう議論になっていると思います。宮下県政では、独自の子育て支援をしないほうが財政面では得をするのでしょうか。そんなことはあってはなりません。なので、私はこの点をもって宮下知事の考えに反論したいと思っています。
 先日市長は、一度県が発表した仕組みは変わらないんじゃないかとおっしゃいましたが、当市の財政のためにも、子育て支援を頑張ってきた自治体にとってこそ困難な条件となる制度を改めていただくよう働きかけていただきたいです。いかがでしょうか。また、あした開催されると言われている知事と各自治体の首長とのウェブ会議に市長は出席予定なのでしょうか。

〇佐々木孝昌市長 今花田議員から、いろんな意見も確かにそのとおりだと思いますけれども、また何か私が議場で発言すると、またあした新聞の紙面に出るような気がしておりますので、あまり強烈な発言をしないようにしたいと思いますけれども、昨日は容認という話を東奥日報が書きました。私は、決してそんなに積極的に容認というような発言をしたという考えはありません。
 ただ、一旦県が、宮下知事が、自分の基本、原理原則だという政治姿勢の下で発言したものに対して、そう簡単にはこれは変わらないだろうという思いの下で、であればやはり8割を使って、いかに2割を捻出しながら、できる限りの子育て支援をどうするかということにも傾注しておくことが必要だろうと思っております。あしたのウェブで、9時から開催されますけれども、40市町村の方々から、当然いろんな不公平感の意見は出るだろうと思っています。今現在、市町村でいくと五所川原、青森、平川、それ以外の町村合わせて17市町村が給食費無償化を実施しております。17市町村、多分それなりのやはり不公平感があるという声があるのは事実だと思っております。
 ただ、何度も申しますが、鳴海初男議員の代表質問に対して私答弁いたしましたが、まずは一旦県が出した以上は、なかなかこの制度の見直しというのは難しいことを前提にしながら、であればこの交付金をいかに有効に子育て支援に活用するかということを私は考えるべきだという考えを申し述べて、それが容認というニュースになっております。あしたのウェブの後に、私に取材したいという取材の申出が3件ないし4件入っていますけれども、できる限りコメントは避けたいなと思っています。
 ただ、県においては、子育て費用の負担軽減に資する取組として、40市町村全てで学校給食の無償化をまず優先的に進めたいという観点から、現在実施している市町村には交付率の差を設けて、やっていないところに交付します。これある意味では、交付を100%するということは、やってくださいということなんです。それで私は、令和6年の10月1日に40市町村が一斉に小中学校の学校の給食の無償化を実施するということをまず最優先に考えるべきだろうし、そのインパクトがこれからの子育て世代に対するメッセージ、これからの少子化に対する県の取組の大きなメッセージになっていくと思うんです。令和6年10月1日から、そういう具合にスタートします。
 では、令和7年度の4月1日から全市町村が実施した場合、県がどのような交付をするのかと、これはまだ明確になっておりません。この辺のものをこれからいろいろ議論できると思っております。その議論の時点において不公平感が生じるのであれば、私は私なりにまた意見を述べたいと思っておりますので、まずは令和6年の10月1日から、全県統一して小中学校の給食の無償化を実施していただきたいというのが私の本心であり、そういう意味では、消極的でありますが、今の制度を容認して、7年度からに対しては、また意見を述べる機会があると思っていますので、その辺の御理解をお願いしたいと思います。

〇木村清一議長 1番、花田勝暁議員。

〇花田勝暁議員 答弁ありがとうございます。私も子育て支援が盛んになるのは大賛成なんですけれども、宮下知事のこの考えでいくと、負担するものの負担がますます増えていく可能性があるので、私は今最初の段階で、この制度設計を改めるべきだと考えています。


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