見出し画像

新刊を発売して

昨日、私が商業誌を離れるきっかけとなり、第二の漫画家人生を共に走る…いや、歩いて行く作品である『Arriba! 2nd season』の記念すべき1巻が発売となりました。
(同時に最新の4話も発売です)


私にポイントが入りますので、是非このリンクからご購入ください(^_^;)↑

これは、ブログで書いたことがあるかどうかわかりませんが、書くきっかけになったのは私の占いの先生である、佐藤宗眩先生に初めて鑑定していただいたことでした。

鑑定していただいて初めて知ったことでしたが、私はその頃最も運気が下がっており、実際気持ちも下がっていました。
普段は基本的に自己満足度が高い人間なので(笑)、やっぱり運気が下がる時期というのはどんな人間にも避けようもなく巡ってくるんですね。

佐藤先生は、私が落ち込んでいるのは時期的に当然のことであり、これまでやってきた仕事についても、もうやり尽くしたんじゃないの?もっとあなたらしい作品を描いたら?と言って下さいました。
私はびっくりしました。
これまで、自分の意に沿わない仕事はしてこなかったつもりでしたし、恋愛漫画家として楽しく、自分にしか描けない世界を目指して精一杯やってきました。
もっと私らしい作品???

しかし、せっかく鑑定してくださった事。
行き詰まっているのも事実です。
私はそれからも「もっと私らしい作品」について考え続け、はたと思い至ったのがフラメンコだったのです。

恋愛漫画家として長年やってきた私にとって、ダンス漫画にチャレンジするというのは、環境的にも実力的にもほとんど不可能な話でした。
しかし、漫画家の道というのは、経験した人ならわかると思いますが、ほぼ全てが不可能へのチャレンジです。
ここで「無理」と思ってしまう人は、漫画家には向きません。

まず、比較的わがままが効く(笑)ロマンスの編集部に話を持ちかけ、とにかくフラメンコが出てくる漫画を書くことになりました。
ダンス漫画ではなくロマンスですが、フラメンコダンサー を描くことができるだけで、私には大きな一歩です。

しかし、後でスペイン音楽やフラメンコに造詣が深く、カンテ(フラメンコの歌い手)でもある濱田吾愛さんに読んでいただいたところ、『Arriba!』よりそちらのロマンスの方が楽しんで頂けた、という嬉しいこともありました。

ともかく、フラメンコを漫画に取り入れることができた喜びを小学館の編集者さんによもやま話として語ったところ、「いいじゃないですか、それ、うちもやりましょう」と意外なことに勧めて頂くということになり、『Arriba!』が誕生しました。
たまたま当時の担当さんが舞台作品がお好きで、フラメンコにも興味があったからこそ通して頂いたと思います。
小学館で『Arriba!』を連作させて頂いていた頃は、私自身は何のストレスもなく楽しいだけの仕事である一方、評価はよくもなく悪くもなく、という感じで、ひたすら著者と編集者の熱意に守られていた感じなのかなと思います。

最初から1巻だけの約束で始めた『Arriba!』。
明らかにイントロでしかないため、続きをどうするかは悩むところでした。
当時は私も商業漫画界にどっぷりつかり、できること、できないことの見極めははっきりしていました。
次第に、私の実力では『Arriba!』を続けるには、商業誌を離れるしかないという気持ちに傾いていきました。
私の念頭にあったのは、今もお世話になっているマンガ図書館Zさんです。
こちらへ相談させて頂き(とっても親切!)、旧作だけでなく、新作も公開可能ではあるが、収益はなかなか難しいということを教えて頂きました。

とりあえず旧作から少しずつ作品をお願いし、並行して個人出版の勉強を続け、最終的に配信代行会社の手を借りて、商業誌と同じように電子出版を目指す方針を固めました。

最初の配信代行会社電書バトさんも大変素晴らしい会社で、旧作をとてもしっかり売り込んで下さいました。
今でも感謝しています。
ただ、新作『Arriba! 2nd season』や、その後出すことになったロマンス作品の場合、電書バトさんの規格にページ数が満たない、受けたいサービスが不足しているなど考慮すべき点があり、現在のナンバーナインさんに作品を移すことになりました。

今回の『Arriba! 2nd season』1巻プレゼント企画にもナンバーナインさんがご協力下さっています。

↑この企画は、どなたでもご応募いただけて、全員プレゼントもあります。
是非お気軽にご応募くださいね。
皆さん、「読んでから」という事なのか、まだまだご応募少ないです(^_^;)
まずはご応募いただいてから、ゆっくり読まれても大丈夫ですよ〜(^ ^)

『Arriba!』『Arriba! 2nd season』は、現在のところ、ご覧いただいた方には比較的好評を頂いていると思っています。
そもそも、これを読んでくださる方は、漫画家浜口奈津子作品を好んで読んで下さっている方か、ダンス漫画に興味がある方ではないかと思います。
いずれの方々からも、
「フラメンコ なんて珍しい!」
「読んでみたら結構面白かった」
というお声をたくさん頂いています。
元々、自分がフラメンコを習ってみて面白かった事、もっとこうしたらいいのにと思ったことなどを基に、あまりに一般から認知されていない不遇から少しでも脱してもらえたら、という不遜なチャレンジでした。
一般の、フラメンコという名前は知っていても実際にはほとんど認識されていないマイナーなアートを、漫画に噛み砕いて少しでも知って欲しい、親しんで欲しいという思いから描いています。

正直、1月に石川亜哉子さんたちのフラメンコ公演で『Arriba!』を手売りした時に思い知ったように、フラメンコファンからも『Arriba!』はほとんど知られていません(^_^;)
本当に、私の作品こそ認知度は限りなくゼロなのですが、とにかくその第一歩を記した、という意味で、私にとって『Arriba! 2nd season』1巻発売は待ちに待った瞬間でした。

『Arriba!』シリーズは、読んだ人には好評でも、まず読んで頂くまでが大変な作品だと思っています。
第一は、私の知名度、実力が大したことのないレベルであるということ(^_^;)
それに加えて、フラメンコに特に興味のある人はそんなにいないということの、ダブルで注目される理由がないわけです。

なので、結果を他者からあれこれ言われない個人出版に切り替えて良かったと思っています。
もはや「売れなければならない」「高いアンケート結果を出さなくてはならない」というプレッシャーからは解放されました。
この作品を完遂するか否かはひたすらに私次第です。
しかし、想定外のことでしたが、思っていたより数年早く商業誌を離れる事になったため(当初は商業誌と並行して描いていく分にはやっていけると思っていました)やはり全く売れないでは生きていくこともできません。
一刻も早く世間にこの作品を広め、多くの方に
「面白い」
「フラメンコって魅力ある」
と感じて頂くことができれば、経済的にもメンタル的にも、この作品を描き続けていくことができます。

私は至って地味な、平凡な人間なのですが、思い返せば漫画家になるという大胆なチャレンジをし、結果的に十分なお仕事に恵まれ、多くの読者の皆様、出版に関わる皆様に支えられて33年目となりました。
今も不思議なチャレンジを続けていることを思うと、これが私の人生なんだと妙に納得してしまいます。
私は、ワクワクする事にしか興味はなく、好きなことしかできない人間なのでしょう。
それが許されてきた有り難さを噛みしめ、今後もご支援に感謝しながら一歩一歩進んで行きたいと思います。
どうぞこの一歩目がお気に召したら、引き続き『Arriba! 2nd season』の行く末にご注目下さい。
今後とも応援を賜れましたら幸いです。

頑張ります…! (>▽<)

これまでの個人出版タイトルはこちら↓


サポートはマンガ制作、出版のために大切に使わせて頂きます♡