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アンソロ制作話⑤-LETTERS装丁

第3弾の『LETTERS』(2016)の装丁の話。


・まずは本文

執筆人数が6人だったのでノンブルページを凝れる!(負担が少ないから)と思い立ち、作中でレターに関係して使われている要素で描きました。
基本的にいつも隠しノンブルなので、わかりやすいようにこういうページを入れています。

各作品の最後にあるレター全文掲載ページと対に。
ここで使っている文章は各レター作者の方にお願いして書いて頂きました。
筆跡萌えってあるよね。

印刷は栄光印刷さん。『偏食』と『トランク』もお世話になりました。
安定して綺麗で、基本のセットがちょうどいい内容なのでお財布に優しいです。オプションもそれなりにありますが、凝りたい人には物足りないかも。
栄光コミック紙(に限らずコミック系の紙)は軽いのでページ数の多い本にはとても有難い!
厚みもあるので3冊とも背幅が…同人誌でここまで厚いと鈍器感ある。LETTERSが一番薄くて12.5mmでした。

同じページ数を上質90で作ったら背幅は2/3くらいになるかわりにみっしりと重い本になるので、鈍器としての実用性は上質紙の方が高くなります
好みの問題ですけど、わたしはコミック紙が好き〜!
表紙は、偏食・LETTERSはマットPP、トランクはクリアPP。PP種類も遊び紙も基本料金内で選べるのでやっぱり優しい栄光さん。


・表紙構成そしてイラスト…

ノンブルページでも使った、各作品内でレターに関連して使われたアイテムで構成します。
レターセットとリボン、ガラスボトル、キーボード、ふせんとホチキス、四つ折りの紙、サンシシの実と正方形の紙、がそれです。

こんな感じにラフイメージが決まりました。まだパースもくそもない。
小物を描くのが好きなのでこの時点で大分楽しみ!
猫の近藤さん(郵便局員バージョン)はガラスボトルの中にいます。

タイトルが入るガラスボトルが歪まないように中心にして3点透視のパースをとります。配置の調整は後回しにしてとりあえず物の大きさとかをざっくり先に。

右端の方がちょっとアレですが切れるし端っこなので気にしない…。
あとはとにかくパーツ毎に描く!描く!

最後に位置調整できるようにパーツ毎にレイヤー分けて、隠れる部分も描いてあります。↓マスク外すとこんなかんじ。

キーボードが地味〜〜〜に大変でした。ちまちました作業が好きなので楽しかったんですけど…。あとガラス部分はやっぱ楽しい。

市松模様のとこは透過。各作品要素だけ白地がついてます。
↓こちらは本の最後に入れたモノクロver。


・完成と思いきや

別に全部CLIPSTUDIOでもやってしまえるんだけど、テキスト周りはイラレの方が段違いに楽なので、イラレを使います。

実はタイトルの部分を箔押しにする予定でデータもそのように作ってあったんですが、唐突に思い付いてもうひとつのやりたかった装丁を実行に移すことにしました!それは…


・そう!トレペ帯だ!

帯!それもトレペ帯!これを一回やってみたかった!

いいじゃん…(自画自賛大好き)

作りながら、この表紙ならトレペ帯の方がいいかもと思い直したのでした。両方は予算の問題で無理だったので…
結果、帯にしてよかったなあと思います。トレペ帯テンション上がるね!

帯はプリントオンさんにお願いしました。
この印刷所さんは言わずと知れたって感じですけど、
特殊紙特殊加工がめ〜〜〜〜ちゃくちゃたくさんあるので見てるだけで時間がどんどん過ぎてゆく…装丁妄想が楽しい…紙とか加工に興奮するタチの人はみんなサンプルセット買ったらいいですよ。本作らなくても。
加工の相談にも丁寧にのってもらえるし1部¥1,500で試し刷りもできるから安心です。(この時はやらなかったけど)


・完成!

余談ですが、このアンソロ自体に対する感想として
「バターチキンカレー食べたらデザートにバターチキンカレー出てきた」
と言われるくらい濃い作品が集まっている本です。がっつり創作に浸りたい時に大変おすすめです。


・こぼれ話

このトレペ帯は本体と別に刷ったので、会場で巻く必要がありました。
が!初売りのコミティアはいつも手伝ってくれる友達が多忙でいなくて、弟が駆り出されてくれたという…(近くに住んでいたので…)
人の多さに非常に困惑している様子でトレペ帯を会場でぜんぶ巻いてくれました。

疲れている…(左上)


ありがとうございます🐈‍⬛