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在宅介護 家で体を拭く時知っておいてほしい事

体が思う様に動かせず、お風呂に入る事が出来なくなった場合、温かいタオルで拭いたりする事ありますよね?

この体を拭く事を清拭(せいしき)と言います。

家で介護をされている方にとって重労働なケアですが、食事の準備やオムツを変えたりするケアに比べ、優先順位は低めで後回しになりがち。

でもこの清拭、ただ体がキレイになるだけじゃなくて、メリットがたくさんあるんですよ。

もちろん、今ご自宅で介護をされていて、すでに負担を感じている方に

「絶対、体を拭いた方がいいです!!」

なんていうつもりはありません。

自宅での介護を体験した元看護師が、清拭のメリットや自宅で行う注意点などをお伝えします。

何かヒントになれれば嬉しいです。

清拭のメリット


  • 皮膚の清潔を保つ

  • 細菌感染を予防する

  • 皮膚、爪の観察が出来、異常を早期発見出来る

  • 爽快感が得られる

  • リラックス効果が得られる

  • 血液循環が促進される

  • 便秘予防

こんな感じの事を看護学校で教わりました。

体がキレイになるのはもちろんの事、ご本人がいい気分になったりリラックス出来るのって大事ですよね。

ベッドで寝たまま過ごす方にとって、いい気分転換になりますが、みんながみんな喜んでくれるわけでもないんですよね。

「面倒臭いから後で」

「体が痛いから、また今度」

「こんな寒い日に体なんか拭いたら風邪をひいてしまう」

って言われた事もありました。

それから、認知症を患っていたり会話が出来ない方の場合、皮膚に異常があって痛くても訴えられないという事もあります。

寝たまま過ごす方は床ずれも起こしやすいので、注意が必要。

この床ずれ、治療開始が遅れるほど治りづらいんです。特にお尻かかとなんかは、普段なかなか観察しない場所なので、清拭する時はぜひ確認してみてくださいね!

清拭をする時気をつける事

  • 清拭をする事を伝える

  • 部屋の温度は25度前後に保つ

  • プライバシーに気をつけ、清拭を行う時も肌の露出を控える

  • 上半身→下半身→陰部の順番で拭く

  • 疲れていないか表情に注意する

  • 強くこすらない

  • 一度拭いた面で2度拭きしない

義父は体を拭くことをとてもイヤがる人でした。

寝たきりになるまではいつも清潔にしていたから、体を動かすのがしんどいのか、嫁の世話になるのが気が引けたのか。

義父はほとんどの時間をベッドで過ごしていたので、よく背中を痒がっていたんです。

なので背中を熱めのタオルで数秒押し当てると、とても喜んでくれました。

もしあなたが今、清拭を拒否されて困っているのであれば

「背中温めてみる?」

って聞いてみるのもいいと思います。

実は背中を温めるって大切なんですよ。血行が促進されて自律神経のバランスが整う効果が期待されます。

肩から背中にかけて温める事で、首や肩のコリも解消されるんです。

私の場合まず背中を温めて、ついでにサッと腕を手首から肩に向かって拭きます。

上の服を着替えてから、温かいタオルに変えて足首から太ももに向かって拭き、新しいズボンを履いておしまい。

足を拭くときはかかとやくるぶしが赤くなっていないか観察します。

骨が出ているところって床ずれになりやすいので。

陰部はオムツ交換の時に一緒に拭いていました。

お互いストレスなく出来る方法、ぜひ探してみてくださいね。

一人で抱え込まない


清拭のメリットと気をつける事、体験談をお話しましたが、あなた一人がしなければいけないものではありません。

いくら清拭が良いものだって分かっていても、時間がなくて疲れている時なんかは、優しい気持ちでケアが出来るはずがありません。

病院で働いていた頃は、清拭に負担を感じたことはありませんでした。

それは私が看護師として働いていて、するべき仕事だったから。

自宅で義父一人、しかも短時間で済ます清拭の方が精神的には遥かに辛かったんです。

家事の合間に時間を作って、私しかする人がいない。しかも嫁という立場上あまり強くすすめられない。

終わりの見えない介護生活。

やる気だけでは続かないと痛感しました。

なので、いま主体として頑張っておられる方の気持ち、よく分かります。

介護保険サービスも積極的に受けましょう!!

自治体によって制度が違いますので、まずは市町村役場の福祉課などで問い合わせてみてください。

私は一時期訪問入浴のアルバイトをしていました。

浴槽にしっかり浸かる事ができるので、とても喜んでもらえましたよ!

訪問介護の支援を受ければ、清拭も任せる事が出来ますし、身内よりプロの他人の方が気が楽な場合もあります。

実際、義父も私が清拭をしようと言っても嫌がったのに、訪問介護の方の言葉には嫌がらずに応じていました。




清拭にはメリットがたくさんある
ご本人の意向も尊重する
教科書通りにいかない事もある
在宅介護は一人で抱え込まない

自宅で介護すると言っても、ご本人の状況やご家族の協力体制も様々です。

看護師をしていて、ある程度どんな生活が待っているか予想出来ていた私でしたが、在宅介護の大変さは想像以上でした。

教科書通りになんか出来ません。

施設より在宅で過ごす方が幸せ?ひとそれぞれ違います。

あなた自身を大切にして下さいね。




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