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地域・医療・福祉の“ かたり場 ” vol.13 「西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)」はじめました! その①

久々の投稿!!!!
最近では、InstagramにTwitterのような機能「Threds」が新しいSNSとして誕生するなど、情報発信の多様化はとどまるところを知らない…故に、全く追いつけていないサービス企画課水戸です!笑
みなさんは、いかがお過ごしでしたでしょうか?

さて今日は、この夏新規開設された「西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)」の専門相談員、藤木亮さんにインタビューしたいと思い筆を執りました。
これまで、OUCHI CAFE・KITCHEN(就労支援B型事業所)で一緒に活動していた藤木さんに、改めてインタビューなんて、とても不思議な感じですが、まずは自己紹介を兼ねて、藤木さんのご経歴から伺っていきたいと思います。

OUCHI CAFE・KITCHEN(就労支援B型事業所)
OUCHI | いつでも、誰でも、帰れる場所。
足立区にある大内病院近隣にできるOUCHIは、
精神障害を持つ人たちが地域に戻るためのサポートをする施設です。



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水戸:では藤木さん、よろしくお願いします!

藤木:はい、よろしくお願いします!
「西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)」の専門相談員、藤木亮と申します。
元々は、理学療法士(PT)として、病院のデイケアや在宅医療に従事し、お年寄りを対象にリハビリを行う他、地域事業として、地域に住まわれているご高齢の方の健康維持活動にも携わっていました。
PTとして10年目のところで、西新井にある就労支援B型事業所「OUCHI」に異動になり、その後「西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)」を立ち上げ、現在に至ります。

〖人間工学の研修室からリハビリテーションの世界へ。そして開かれた、障がい者福祉への扉。〗

水戸:最初はグループの病院で理学療法士としてお仕事されていたんですよね。理学療法士の道に進んだ経緯についても、少し伺ってもいいですか?

藤木:もともと父親が車椅子製造をやっていたので、家業を継ぐつもりで、大学は機械系の学部を選びました。当時は人間工学の研修室で、看護大の方々と看護動作に関する研究をしたり、医療器具の測定器を使って介護ベッド(多機能ベッド)の研究をしていたんですが、そのことが必然的にリハビリテーションに触れる機会となりました。また、夏休みには父親の仕事の手伝いで、営業先の病院の車椅子修理なんかもしていたんです。その時の経験が、後に自分がPTになろうと思ったきっかけになっていたいように思いますとはいえ、就職活動を始めた時にはまだPTになろうとは思っていませんでした。でも、実際に就職活動を進めてみると、なかなかイメージとかみ合わず、「自分はもっと現場寄りの仕事をしたいのかな?」と考え始めるようになり、大学卒業後に専門学校で学び直すことにしたんです。
専門学校は4年間夜間だったので、昼間は仕事をしていました。
最初の1年は病院の看護助手、残り3年はリハ助手で、いずれも資格不要の職種ですが、いろいろ学ばせていただきました。
卒業後は、学校の実習先だった老健に就職。その後新規開設の緑成会病院(平成医療福祉グループ)に転職しました。

水戸:なるほど、そこから10年間のPTとしてのキャリアを経て、病院から障がい者福祉の分野に自ら手を挙げ、現在に至るわけですね。
障がい者福祉に興味を持つきっかけはなんだったんですか?

藤木:病院でPTとして働く10年の中で、介護保健事業に携わりながら、障がい者福祉の課題に振れる場面があったからだと思います。
具体的な取り組みや制度について、もっと知りたいという想いから、当時の上司に相談したんですが、奇しくもグループとして障がい者福祉に力を入れていくというタイミングと重なり、精神疾患のある方のための、就労支援B型事業所であるOUCHIに関われることになったんです。

水戸:いいタイミングで、藤木さんのニーズと、グループの方向性がマッチしたということですね。
そこからさらに相談事業所を立ち上げるということで、理学療法士のキャリアからはどんどん離れていく印象ですが、その辺はどう考えていますか?

藤木:そもそもの話なんですが、OUCHIに異動してきた時も、利用者さんにリハビリ職として関わりたいと考えていたわけではないんです。障がいのある方が置かれている状況や、障がい者福祉全般の仕組みの方により興味がありました。

水戸:そんな藤木さんが、OUCHIに関わるようになってから5年。この5年間の経験で、ご自身が提供できたもの、また逆に得たものはなんだったんでしょう?

藤木:OUCHIは、精神に障がいのある方の施設ですが、最初は「ものすごく繊細で、振れただけでも壊れてしまうのではないか?」という思いが強く、傷つけないようにしなければと、勝手なイメージを持って接していました。
でも実際には、みなさん地域で暮らしながら通所されている方ばかりですし、病状も落ち着いている方が多かったんです。
なので、自分の持ち味である「明るさ」を存分に発揮することができましたし、そんなあり方が現場にもOUCHIの利用者さんにもマッチしていたように思います。
OUCHIは、利用者さんが安心していられる場づくりはかなりできていると思います。それは支援員さんの力によるところが大きい。OUCHIの支援員さんはみなさん、利用者さんに対してフラット。支援する側される側という関係性の前に、ごく普通のコミニケーションで、OUCHIの日常をつくってくれているんです。もちろん最大限の配慮があるのは大前提です。
そこに今は、少しずつ地域の方が出入りしてきてくださっていて、利用者さんの方でも、この状況に少しずつ慣れてきたような感じがあると思います。
OUCHIに関わり始めて5年。長いようで短くてまだまだできていないことが多いです。でも、ここからさらに支援の幅を広げていこうと思った時に、やはり施設の中にいるだけでは限界があるなと感じるようになりました。

水戸:「限界がある」とは、具体的にはどういうことですか?

藤木:もっともっと自分自身が地域に出て行かなくては、外側の実態や利用者さんの日常は見えてこないと思うんです。そこが当事者の方々にとっての課題であり、また大切な視点だと思った時に、「それを担えるのは相談支援事業なのではないか?」と思ったことが、相談室立ち上げのきっかけとなっています。

〖「西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)」はじめました!〗

水戸:前段がだいぶ長くなってしまいましたが、ここからは、「西新井まちの相談室」について伺いたいと思います。

西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)
西新井まちの相談室は、障害のある人が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるように必要な障害福祉サービス等の情報や地域のヒト・コト・モノの情報を提供しています。みなさんお一人おひとりの悩みごとやご相談に乗りながら、ご本人の自分らしい生き方・暮らし方を支援いたします。

Instagram
つれづれなるままに、日々のことをアップしていく予定です。

藤木:「西新井まちの相談室」は地域に根差した、とてもいい名前だなと思っています。でも実際には、まだまだ私は地域のことを知りません。
相談支援事業所を立ち上げることで、OUCHIにいた頃よりもっと地域側に軸足を置く必要があると考えています。なので、今はとにかく色んなところに自ら出向いて行って、ヒト・コト・モノに出会う機会をつくっています。
そうやって、様々な関係性を私自身が育むことで、相談に来られる方々に、より良い情報や、機会を提供していきたいと思っています。

水戸:藤木さんが自ら「つなぎ役」であるという意図をもって、地域資源と当事者の方の間に立つことで、病のある方にとっては人生の選択肢が増えることになりますね。

藤木:そうなっていけばいいなと思っています!

水戸:「西新井まちの相談室」を、具体的にはどんな場所にしていきたいですか?

藤木:どんな場所かというより、「相談支援相談員がいない相談室」を目指しています!

水戸:どういうことですか?

藤木:そのくらい、たくさん訪問をしていこうと思っているんです。
利用者さん宅への訪問は、3ヵ月あるいは半年に1回ぐらいが一般的なんですが、以前見学に行かせていただいた相談支援事業所では、お一人に対して、月1回は訪問するというスケジュールで運営していました。やはり、特に精神疾患がある方は波があるので、短いスパンで顔を見に行った方がいいと思っています。そうすることで、決定的に調子が悪くなる手前で、サポートできる可能性が高まります。
それに、半年前の事なんて、記録に残したこと以外、どんな話をしたかお互いに覚えていられないかもしれないですしね。

水戸:なるほど、相談室に座っているより、積極的に利用者さんのお顔を見に行ってサポートしていこうと。

藤木:まだやってみないとわからないところも多いのですが、ちゃんと向き合うためには大切なことだと思っています。登録される方の中には、日々の生活を整えることが難しい方もいらっしゃいます。ご本人が思い描いているあり方に少しでも近づけるよう、安心して生活できる環境づくりにどれだけ寄与できるかが、一番重要だと思っています。

水戸:OUCHIのビジョンとも重なりますね。

藤木:そうですね。
家の中だけでなく、地域で暮らしていく上での、安心・安全をどう担保してあげられるのか、相談支援事業所として、制度の枠組を超えたどんな支援ができるのか。それをしっかり考えていきたいです。

炎天下の下、毎日愛車🚲で訪問活動している藤木さん💦
その①
その②
その③

「西新井まちの相談室(特定相談支援事業所)」はじめました! その②
につづく…
(2023年8月公開予定)





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東京都足立区西新井4丁目4-1 1F
携 帯:090-1570-5051
FAX:03-4330-7030
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