THE BIG ISSUEの販売場所が決まっていたなんて知らなかったなあ。
地元の駅で降りた時、
その日はいつもと違う改札からたまたま出た。
目の前で、一人の男性が一冊のBIG ISSUEを持ち、
高らかに腕を上げている。
この駅前では、はじめてみたなあと驚いた。
ビッグイシューというこの冊子のことがわかりやすく簡潔に記載されていたので、以下に抜粋させていただく。
私はいままでこの冊子を何回か購入したことがある。
しかしいつもスッとは買いに行けなかった。
朝にみかけ、昼休みに見かけ、
一度横を通り過ぎてから
おもむろに踵を返し、意を結したように販売者へ近づいた。いつも自分でもわかるくらい、怒ったような顔つきになってしまう。
一冊ください。
なぜだろう。他に何か言わなくては。と焦る。
この怒った顔は怒っている訳ではないと
説明しなくてはと思うのだろうか。
がんばってください。という言葉が頭をよぎるが
その自分の傲慢さに嫌気がさす。
結局何も言わずに一冊を受け取り
また怒ったようにその場を離れる。
わかるかわからないかの浅い会釈をして。
それが精一杯なのであった。
自分の言動にピリピリしていると同時に
私は相手の言動にも神経を研ぎ澄ませてしまう。
どんな人なんだろう。
バカにするなよ!と、思っているのだろうか。
でも、この人は
きっとこの冊子に希望を抱いてはじめたはずだ。これを買ってもらうことで、人生が変わるかもしれない、そのチャンスにかけてみようと思っていることにはちがいない!そうだ、そうに決まっている。
こんなの自分の偽善ではないかという葛藤に打ち勝つべく、この冊子の存在の意味を何度も何度も確認する。
販売者の人柄は様々だった。
黙っている人。
少し困ったように笑う人。
バックナンバーもありますと言う人。
でも私が今まで購入した人の中には
ありがとうございますと言った人はいない。
そのことを毎回少し驚き、
また驚く私を自分でたしなめながら
やはり私は何かを期待しているのかと
恥ずかしいような気持ちで
考えさせられる。
ください。
今回の表紙の人を私は知らない。
でも、いいお顔だなあ。と思った。
読みたいと思った。
1000円しかないんですけど。と申し訳なく言う。
おつり、100円玉でもいいっすか。
はい、ええ。
おつりを用意してくれている間、何か話しかけてみようかとまた思うが、やめる。
ありがとう。私が言った。
あ、この駅で販売することもあるんですね。
聞いてみればよかったな、と少し離れてから思った。
私はこの冊子のデザインが好きだ。
ステキだと思う。
今回もとても良かった。
また、内容もとても私には興味深いものばかりで
買ってよかったなあと、心から思った。
おもしろかった。いつもより隅々まで見た。
『「ビッグイシュー日本版」の販売場所』という文字が目に入る。
え?決まっているの?
知らなかった。
日本各地の販売場所が記載されていた。
ああ、ココで前買ったな。
あそこはこんなふうに指定されている場所だったのか。
私は、
販売者が自ら考えて決めて立っているのかと思っていた。
今日買った場所を確認する。
あれ?ない。書いてなかった。
やはり、自分で決めて場所を選ぶ人もいるのだろうか。
私は知っている場所やここなら通るかもしれないという場所を頭の中にいれておこうと思った。
次号は8月1日らしい。
また欲しいと思った。
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