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【美術とスイーツ】虎屋と鉄斎


虎屋饅頭と富岡鉄斎の「羅漢虎上図」

蒸籠せいろうに入った白いお饅頭。
そして、この掛け紙に描かれた絵がまたいいなあと思いました。
富岡鉄斎とみおかてっさいという人の絵。
そして、この写真は
原田治さんの本「ぼくの美術ノート」の中で
見つけました。

この商品は、
あの、羊羹ようかんで有名な「とらや」のお菓子です。
欲しくて早速調べたところ、
このパッケージではもう販売されていないとのこと。
かなりがっかりしました。

でも「虎屋饅頭」はあるらしい
しかも今の季節、寒い季節限定のようです。
でも、
このお饅頭、デパートにある「とらや」でみたことあったかなあ?

本店に行ったら、
虎屋の全ての商品がみれるかも?

なんだか、いてもたってもいられなくなり、
早速、虎屋菓寮赤坂本店に行ってまいりました。

東京の港区赤坂4丁目にあり、最寄り駅は東京メトロ銀座線「赤坂見附」。そこから徒歩約7分です。

2018年にリニューアルオープンして新しくなったお店!
はじめてお邪魔しました。

「ことりっぷ」という小さな旅を提案する書籍をご存知でしょうか。(ことりっぷ大好きなんです!もうこの話するとまだ大脱線ですのでここではサラッと。)
以前この、ことりっぷの「東京」にて紹介されていた
「虎屋菓寮赤坂本店」のページに、美しいあんみつの写真が載っていて、行ってみたいなあとずっと思っていました。

「ことりっぷ 東京」より 美しい~美味しそう〜

虎屋は室町時代後期に京都で創業した、
京都御所にお菓子をおさめる朝廷の御用菓子屋さんでした。
その後京都のお店はそのままに、東京にも出店。
日本各地に店舗を広げていきます。

現在の本店は東京の赤坂御所のそばに構えています。
廊下階段部分も含め、全体に木材をふんだんに使ったあたたかみのある空間となっていて、2階に売り場、3階が菓寮、地下一階にギャラリーというつくりになっていました。

地下一階にはギャラリーがありました。
今は大きなすごろくが展示されていました
いろんな羊羹が描かれています!
虎屋文庫50周年記念の展示です。
12月15日から1月31日まで 入場無料

3階ではお菓子を作る職人の方たちの姿をみることができます。
また、ねりきりなどの生菓子がその美しい名前とともに展示されていました。

2階の売り場でこの生菓子たちも買うことができます。
やはり思った通り、ここでしか買えない商品もいろいろあり、ワクワクしました。おなじみの商品ももちろんあります。


あ!虎屋饅頭をみつけました!

販売時間があるのですね。
やはり期間限定。11月から3月の販売のようです。

わあ!赤坂店限定だ!やっぱり本店来てよかった~!


赤坂店限定といえば、こちらも!
建築家内藤廣氏の設計で新しくリニューアルされた虎屋赤坂店ですが、
そのスケッチが描かれた箱の商品がありました。
このパッケージには、おなじみの虎屋の小型羊羹が
3本入っています。

え?自動販売機限定販売?
(なんだか限定続きですね。(笑))

自動販売機、ありました!

わあ。おもしろいなあ!


ああっ!
この絵は鉄斎なんじゃない?

箱の側面をみたら、鉄斎の文字が!
わああ!このパッケージも赤坂店限定じゃないかしら?
もう嬉しくなってしまいました!


虎屋と鉄斎。
今回のこのテーマがなぜでてきたのか。

先ほど少しふれた、
原田治さんの「ぼくの美術ノート」という本を
ここで少しご紹介したいと思います。

図書館で見つけたのですが、装丁もいいなあ。と、すぐに手に取りました。
内容も、すごく、すごく、
興味深い話がたくさん載っていました。

原田治さんのセレクトされた「美術」が紹介されています。どれも興味深い内容で、さらに調べてみたいと思うことばかりです。
この本の中で、冒頭にご紹介したお饅頭と鉄斎の絵の写真があり、原田治さんがちょっとした手土産に選ぶ商品として、またご自身の鉄斎贔屓のことが書かれておりました。

ここで原田治さんのことにも触れさせていただきます。

オサムグッズをご存知でしょうか。

オサムグッズの仲間たち

私はこのオサムグッズのイラストに夢中になった時期がありました。
たしか小学生高学年の頃です。
トレッシングペーパーをあてて鉛筆で写しとり、それをまた台紙に転写させ、色をつけるということを何度くりかえしたことか。大好きな絵でした。
少ないお小遣いで手に入れたオサムグッズは大切すぎて使えなかった覚えがあります。この作品を描いた原田治さんというイラストレーターは、あのカルビーポテトチップスのキャラクターも描いていたと知るのはそれよりずうっと後になりますが、
あのポテト君の絵がオサムグッズと同じ人の作品だったなんて!と驚きました。


大好きなイラストをかいていた原田治さんが大好きだという鉄斎とはどんな画家なんだろう?
知りたいと思いました。


富岡鉄斎の作品は一見水墨画ですが、
雪舟のような水墨画家というくくりではなく、
文人画家という扱いで紹介されています。
文人とは、中国の高級官僚である士大夫したいふがその職を離れて(致仕ちし)自然の中で芸術や哲学に生きがいを求め、これを実践した人たちのこと。そんな人たちが描いた絵画を文人画といいます。詩を作り書を楽しみながら絵を描くことを目指し、高い教養が必要でした。
江戸時代には日本の文人(知識人)の間でこのような画を学ぶことが本格化されるようになっていきます。自分の楽しみのために描くという、「自娯じご」という考えが根本にありました。

ここで鉄斎の作品を少しご紹介したいと思います。
画だけでなく、書体もまたリズムがあり趣があります。

「山水画」紙本墨画淡彩 明治
「墨画白蓮図」 紙本墨画 大正8年 鉄斎84歳
「猛虎図(部分)」 紙本墨画淡彩 大正6年 鉄斎82歳
「水墨画趣図」紙本墨画 大正13年 鉄斎89歳

鉄斎は89歳で亡くなっているため、この作品などは最晩年の作品といえるかと思いますが、力強くて味わい深い作品です。


鉄斎は虎屋の京都店のすぐ近くに住んでいて、当時の虎屋支店長ともかなり親しくしていたこともあり、あの蒸篭の虎屋饅頭の掛け紙の絵も虎屋のために描いたものなのだそうです。
虎屋ホームページにも虎屋と鉄斎の関係のことが書かれています。



ここまで来たのだから、3階カフェにも是非寄りたいと思いました。
あの憧れのあんみつはあるかな。メニューでまっさきに確認したところ、もちろんあんみつあったのですが、
虎屋饅頭と抹茶のセットをみつけました。

冬場の今だけの限定ということにも心を動かされ、こっちにしよう!と決めました。

ふかしたてのお饅頭

お饅頭は酒饅頭です。

わたしは幼いころから日本酒が好きでした。
なんて言うと、子供が日本酒?と怒られそうですが、
日本酒の味がする食べ物を好んで食べるような子供でした。
奈良漬とかわさび漬けとかクジラの軟骨の粕漬(缶詰)とか。甘酒も麹のものではなく酒粕で作るものしか甘酒ではないと思っていました。また、時々母が買ってくる小ぶりの吹雪まんじゅうで、「酒々饅頭さけさけまんじゅう」という商品が大好きでした。日本酒の香りがほのかにするのです。

この虎屋饅頭はその味を思い出させました。
真っ白でシンプルなその誠実そうな姿も美しく、
また、あたたかいお抹茶もクリーミーでとてもおいしくて!ステキな時間をすごさせていただきました。
とらやさん!ありがとう!

今回は、鉄斎のことから文人画家のことを知り、
いままであまりなじみのなかった世界がまたひとつ広がりました。

調べてみたところ、
なんと!今年の4月に富岡鉄斎展が開催されるとのこと!
しかし、どうやら京都でのみの展覧会のようなのです。


京都店の「とらや」一条店には鉄斎が書いた「虎屋饅頭」の扁額へんがくもあるとか!そしてお店に行けたらすぐ近くにある鉄斎邸も見れるなあ!

先ほどの「ぼくの美術ノート」では鉄斎の宝船が描かれた絵馬も紹介されていて、

それが京都嵯峨の車折くるまざき神社で売られていると書かれていました。(鉄斎は明治21年から5年間この車折神社の神宮を務めて、その復興に努力しました)

ああ、ますます京都に行きたいー!

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