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書くためにやることがある

昨年末にnoteの定期更新を始めた。仕事が忙しかったり、娘が保育園を休んでいたり、時間が取れない時期もあったのだが今のところなんとか更新が続いている。

書くのがしんどいなと思うのは、大抵毎週のことだ。耳目を集めるようなビッグイベントはそうそう起こらない。書くべきことが見つからないのはしょっちゅうだし、私の日記を読みにくる奇特な人たちが一体何を期待しているのか、いまだによく分からない。

更新を始めた最初の頃は、更新日の前日に8割くらいは書き終えていないと気持ちが落ち着かなかった。私は夏休みの宿題を7月中に終わらせてしまうタイプで、締め切りギリギリまでチキンレースをやるのにとにかく向いていない。

週に1回の更新だった頃はそれで良かったのだが、火曜日・木曜日・日曜日に更新するようになってからは、そうも言ってはいられなくなった。前日にストックを作っておこうとすると、更新の翌日に間髪入れずに再び2000字くらいの文章を書く羽目になる。そんなに書くことがあるはずもなく、ストック作戦は早々に破綻した。
それでも週3回更新が始まってからしばらくは踏ん張っていたのだが、2ヶ月くらい前、つまり定期更新を始めてから半年ぐらい経過した頃にとうとう前日のストックを完全に諦めた。前日に無理やりストックを書いておいても、大抵精彩を欠いた内容になることに気がついた。もちろん当日も大したことは書けないのだが、追い詰められて勢い良く書く文章には少なくともライブ感がある。
自分の定めた締め切りにケツをしばかれながら書く時、書き手はその場の勢いに身を任せる他なく、内容がぎゅっと纏まってくれる。前日に書くと時間が下手にあるせいで、だらりと間延びして使い物にならないことが多い。

矛盾するようだが、この文章は更新日の木曜日の前日、つまり水曜夜から書き始めている。
現在長めのnote更新に備えて書き溜めを行っており、今夜はその続きに手をつけるつもりだった。勤務中から、今夜はやるぞやるぞ…と気合いを入れ、晩酌もそこそこにし、頭をスッキリさせるために近所のジムで小一時間走り、シャワーを浴びてさっぱりしたところでさあ書くぞ!!となるはずが、どうしてなのかごろりと寝転んで床と一体化してしまった。運動後の心地良い倦怠感と熱いシャワーの余韻で火照った身体に、クーラーの冷たい風が最高に気持ちいい。今眠ったら絶対に最高の夢が見られそうだった。
でもなあ、文章を書かずに眠ると翌朝起きた時目覚めが最悪になるんだよな…と床に寝転んだままの私は思った。頭の中に溜まった澱のような思考を文章として出力するとスッキリする。絶対に書いた方がいいのは分かっている。しかし、腑抜けた頭で無理やりノートパソコンに向かっても、絶対にまともな文章は出てきてくれない。どうにかしてテンションを上げないといけない。

こういう時にTwitterを見たり、ブックマークしているサイトを回遊し始めるとろくなことにならない。スマホを遠くに投げ、本棚を漁って1年以上は読み返していない漫画を探す。私は手当たり次第書籍を買いまくる悪癖があり、Kindleには大量の未読本が溜まっているのだが、紙の本については(一応)慎重に購入するようにしている。
自宅には私専用の本棚が4つあり、その全ての段がほぼいっぱいになっている。これ以上本棚を増やすなと家族から釘を刺されているので、紙の本の購入はハードルが高い。
高いハードルを乗り越えて買われた漫画は、既にKindleでも購入しており、電子書籍として読んだ上で”これは…紙で読みたいな…”と思った漫画である。面白い上に絵も上手い、そういう漫画だけが本棚に並ぶことになる。

適当に3冊くらいを手に取り、読み始める。ああ、面白いなあ!と思っているうちにどんどんテンションが上がってくる。紙の中にいる人々の暮らしや感情は私のそれとはかけ離れていることが多く、こういう時に読むのは自分からの距離が遠ければ遠いほどよい。
共感や理解から遠いところで感動していると、自分もまた何かを書きたくなってくる。私にも何か書けることがあるはずだと思う。こうなってくると、あんなに重かったはずの身体がもう軽い。気分が高まっているうちに椅子に腰掛けて勢い良く書き始める。週3回の更新を、そうしてなんとか乗り切っている。

今回の更新に際して読んだ本はこれでした。まだ5巻までしか出ていないが面白いし何より絵がめちゃくちゃ上手い、大好きな漫画家さんです。

Big Love…