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わざわざ面倒なことを

質問に答えないといけないのではないですか?

質問に答えます。

20歳です。後悔とのうまい付き合い方を教えてほしいです。 その時は良かれと思ってしたことが後々になって空回りしてとんでもない方向から帰ってくることがほとんどです。人生大体それです。そんなことを考えながら毎度良いと思う道を選び続かなきゃいけないと思うと人生の選択のたびに震えています。

良かれと思ってしたことが後々とんでもない方向から返ってくる、それって人生の本質じゃないでしょうか。全部予想通りに物事が運ばれていったらつまらないですからね。

私は人付き合いも、人付き合いに伴って発生する様々な出来事もどちらかというと苦手ですが、最近は”みんなあまりに人生退屈だから、わざわざトラブルを引き起こすために他人と付き合ってんのかな”と思うようになりました。

クイズをやるようになって、色々な人と会うようになりました。クイズの場で出会う人たちやクイズの場の雰囲気は、普段自分がいるコミュニティとは全く違うものです。医者である自分、母親である自分、そういうのを全部ぶっ飛ばしてクイズの強さで切り開いていく、その明快さが気持ちいいなと思います。

私が今までの人生で費やしてきた時間は、ほぼ全て仕事と家庭に結びついています。高校までの勉強は大学受験の成功という形で結実し、6年間の大学生活は医師免許になり、その後の研修と交友関係のほぼ全てが今の仕事と家庭に直結しています。ある意味、無駄のない、予想の範囲内の人生と言えるかもしれません。

一方、クイズはその知識も交友関係も、ここ20年くらいやってきたこととは遠い場所にあります。まあ、医学とか受験勉強とか、全く役に立たないとは言いません。クイズに問題として出ることがあるからね。でも、クイズにまつわる交友関係に関しては完全に0からのスタートです。人間関係をやるのがこの世で一番苦手なのに、まさかの0からのスタート。完全に手探りで進む私、今年37歳になります。

側から見れば、どうしてわざわざそんな面倒くさいことを…と思うかもしれない。でも、私が去年の初夏くらいにクイズにのめり込み始めた時、友人にはこう言いました。紺はずっと退屈そうだった。やっと情熱を注げるものを見つけたんだね、と。
彼女は私の医学部時代からの友人です。18歳くらいからの私を知る人間がそう言うのだから、私は退屈していたんだろうと思います。

クイズをやろうと決めた時、”うまくいくかな”とか”得をするかな”ということは私はあまり考えませんでした。
休日にクイズのために出かける時、家には子どもがいるのでどうしても他人の助けを借りる必要があります。今までなら”他人にお願いをしてまでやりたいことは特にないな”と諦めていたと思います。正直、頼まれる方も”こいつ、そこまでしてクイズに行きたいんか…”と思っている可能性がある(まあ、そう思われていたとしても私はクイズに行きますが)。

今はクイズが楽しいけれど、いつか後悔するのかもしれない。実力が頭打ちになって、これ以上は上に行けないと確信し、今までかけてきた時間の全てが無駄に思える日が来るのかもしれない。

でも、そういうことを考えていたら何もできません。今の楽しさを追求することしか、今を生きる私たちには許されていないんです。

良い道を選び続けなきゃいけないことが怖いとあなたは言いました。”良い”の判断基準を未来に置いているから怖いのではないでしょうか。今のあなたが、楽しい、やってみたいと思える方を選びましょう。

自分の予想の範疇の、安全なことしか起きない人生はおそらくつまらないのではないかと思います。だから人はわざわざ結婚したり仕事をしたり、子どもを持ったり新しい趣味をしたりして困難な道を選ぶのではないか、というのが今年37歳になる私の気づきです。

Big Love…