共通テスト2023

・箇条書きってことは書くことがないってことだ。どうもこんばんは、火曜日のnote更新です。

・共通テスト2023の国語を解いてみた。

・現役時代の点数が170/200だったからどう足掻いてもそれを超えることはないだろうなと思いながら解いたが、140/200だった。

・点数自体はまあいい。問題は現代文の点数がめちゃくちゃ低かったことである。

・私はそれなりに本を読むほうだ。現代文は論述と小説のパートに分かれており、私は現役時代、この論述が苦手だった。

・小説は共通テストの問題集を買うと真っ先に全部読んでしまうくらい好きだったし、私生活でも村上春樹だの伊坂幸太郎だの吉本ばななだのをその頃の私は好んで読んでいたのだが、論述はからっきしダメだった。そもそも書いてあることに興味が持てず、点数も振るわなかったと記憶している。

・しかし、30代を過ぎてからむしろ小説から離れ、論述に近い文章ばかり読むようになった。最後に小説を読んだのがいつなのか思い出せない。

・共通テストの今年の論述はル・コルビュジェの建築について。帝国ホテルの建築に関わったフランク・ロイド・ライトと並んで近代建築の3大巨匠のひとりに数えられている(もう一人はミース・ファンデル・ローエらしい。無知ですみません)。コルビュジェが関わった建築としては上野にある国立西洋美術館が有名だ。

・国立西洋美術館のオタク(企画展は必ず行くし、常設展にも繰り返し行く)なので、論述の文章は興味深く読んだ。

・昔と違ってスラスラ読めた。現役時代は論述を読むのが苦痛で、本文の読解もそこそこに問題文に飛んで、重要そうなところを読み返すスタイルでやっていた。しかし35歳の今、論述がむしろ面白い。実に興味深い。これなら問題も余裕で解けるに違いないぜ…!

・全然ダメだった。論述の点数、6割くらいでした。なんだったら、最初の数問は漢字のサービス問題だから、論述自体の読解にまつわる点数はおそらく5割くらいだと思う。

・え?

・いつも私はそれなりの量の本を読んでるけど、せいぜい5割くらいしか理解できていないってこと…?

・小説もそうだが、共通テストの問題はかなり緻密な解釈が要求される。普段私が文章を読む時、無意識に”作者がある議題を是としているか非としているか”ばかりを考えながら読む癖があるのだが、共通テストではその程度のゆるくてふんわりした読解力では絶対に正解に至ることはできないのだった。

・論述より、選択肢の引用を行う。

問2 傍線部A「子規は季節や日々の移り変わりを楽しむことができた」とあるが、それはどういうことか。

①病気で絶望的な気分で過ごしていた子規にとって、ガラス障子越しに外の風物を眺める時間が現状を忘れるための有意義な時間になっていたということ。

②病気で塞ぎ込み生きる希望を失いかけていた子規にとって、ガラス障子から確認できる外界の出来事が自己の救済につながっていったということ。

③病気で寝返りも満足に打てなかった子規にとって、ガラス障子を通して多様な景色を見ることが生を実感する契機となっていたということ。

共通テスト2023 国語より引用

・いや、どれも似てるって!!!!

・④と⑤は間違いだなと感じたので引用は省略したが、①〜③の選択肢は正直どれも似たり寄ったりだ。

・病床にあった正岡子規が絶望していて、それを救ったのがガラス障子越しの景色だというところまでは容易に理解できるのだが、共通テストはその先のさらに緻密な解釈を要求してくる。

・私にとっては国立大学の二次試験の方がよほど難しく、対策も苦労した覚えがあるのだが、共通テストも十分に難しいと感じた。そうか、受験生の頃はこんな試験で9割の得点を狙っていたのか。恐ろしいことだ…。

・しかし、小説の方では似たり寄ったりの選択肢から容易に正解を選ぶことができたので、やっぱり私は論述問題が単に苦手なのかもしれない。選択肢の微妙なニュアンスの違いを論述問題だと汲み取れないのに、小説だと即座に判別し正解を選ぶことができる。

・小説の方だと人の内面で波打つ感情を掘り下げていくような問題が多かった。私はそちらの方が得意なのかもしれない。単に小説問題が易化していただけという可能性はあるが…。

・普段の生活でいかに適当に本を読んでいるかが明らかになってちょっと凹んだ。私は雰囲気で本を読んでいる。

・人はそれぞれの能力で勝ち取れる分しか、本から何かを持って帰ることはできない。同じ本から持ち帰るものは、あなたと私では違う。共通テストではそんなことは許されないが、趣味の読書ではそれで良いのだと思う。

Big Love…