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怒りは全て理不尽

試験まであと1週間を切っており、勉強の追い込みをしないといけない時期なのだが、3歳児を抱えた週末に勉強などできるはずもなく、2日間を無為に過ごして今に至る。
3歳児が寝たのだからここから勉強のアクセルを踏むべき、理屈ではそうだ。そんなことは分かっているが、週末の育児が無事に終わった解放感は本当に凄まじい。
密かに買っておいた秘蔵の獺祭を開け、うまいうまいと言いながら飲み、完全に副交感神経優位のリラックス状態に入っている。時刻は午後9時である。ここから2000字程度のnoteを…試験勉強もせずに書く…?頭がおかしいのかもしれない。でも、書きたいので書く。

恒例の質問に答えるやつをやります。

就活生です。生まれも育ちも田舎の方なのですが、地元企業の方のお話を伺う機会があるたびに時々ウワーーーッッッ!!!!!となっています。

「他にも一人『女の子』が来てくれたんですがね、」「むさ苦しい男なんか映しても仕方ないからね、」 前者はインターンへの参加を私にすすめる時、後者はその企業の事業広報動画内で女性社員に話しかけている時の言葉です。

私にはこれらがどうにも許し難く、おそらく成人しているであろう女性が一人の大人として仕事を体験する場に訪れているにも関わらず女の子呼ばわりというのは馬鹿にした態度ではないか、冗談交じりとはいえただ仕事をしているだけの女性の容姿を消費するようなやり方は間違っているのではないか、女性を増やそうという取り組みはいい、それをするならばもう少しよく考えてほしいということを出来るだけ失礼にならないように伝え、以降の選考を辞退しました。

その後すぐに意見についての感謝と反省したという旨を記載したメールが届き、それからずっと悩んでいます。
怒りに対して殊勝な反省を見せられるといつも、自分が勝手に怒り狂って暴れただけなのでは?頭がおかしいのは自分なのでは?という気持ちになってしまいます。

そのような態度に対してどのようなスタンスで過ごしていらっしゃいますか。また、怒りを覚えることに対して罪悪感を持ってしまうような時はどうしたらよいのでしょうか。

社会的に承認を得た怒りとそうでない怒りがあり、後者を口にするとき戸惑ってしまうみたいなことって誰にでもある気がします。

”自分が勝手に怒り狂って暴れただけなのでは?”とのことですが、おおいに結構じゃないですか!全ての怒りは理不尽で聞くに耐えないものです。現状に満足している人間にとって、社会に対する怒りを叫ぶ人間は皆、鬱陶しく度し難い。女性差別のように、既に社会的に(ある程度)承認された怒りであったとしても、差別を生々しく感じている側の人間でなければ、それは変わらないと思います。

私だって出来れば、差別のことなんて考えずに暮らしたかった。実際、運よく得た偏差値と若さと健康ゆえの体力で誰とも対等に渡り合えた頃は、差別のことなど考えずに生きてきました。本当にそれで良いのか?と思い始めたのは、自分が立っているこの場所が、先人たちが嘲笑われながらも怒り、その怒りによって勝ち取ってきた場所だと知ったからです。

今でこそ女性差別に対する怒りは社会的に(ある程度)承認されていますが、昔はそうではなかったはずです。女性に参政権がなく、職業選択も今よりずっと自由がなかった時代ってそう昔ではないんですよね。私たち女性に参政権が与えられてから、実は100年も経っていないんです。

女性と比べて男性は激しい社会的競争に晒されがちであるとか、早死にしやすい傾向にあるとか、男性が不利な面は多々あり、男性特有の生きづらさがないとは言いません。ただ、私個人としては、参政権があり、女性にも職業選択の自由が(ある程度)ある現代に生まれてきて良かったと思っています。

私が今ヘラヘラしながら酒を飲み、子どもを持ちながら仕事をし、自由に生きられているのは、先人たちが感じた理不尽に対して怒ってくれたからです。頭がおかしいとか、勝手に暴れて怒り狂っているとか、そんなふうに言われても怒ってくれた人がいるから今私はここにいる。

SNSのせいだと思うんですが、今は社会的に承認された怒りとそうでない怒りがあまりにはっきりと分かれすぎており、前者ばかりがフォーカスされて、後者は声をあげづらい傾向にあると思います。女性差別は比較的前者に近い部類にあるはずです。恐れることはない、社会の後押しもあるのだからどんどん怒るべきです。

SNSではスカッとするような顛末の怒りがバズりがちですが、大抵の怒りの発露は格好悪く、あなたのように、”言わなければ良かったかな…”と後悔している人が大半です。本当にスカッとするような顛末は現実では1%未満、今回のあなたのようにほんのり後悔が残るケースが大半で、あとは全部作り話です。あなたや私の怒りで世界は簡単に変わったりはしない。言わなきゃよかったと思うことの方が多いんです。それでも、諦めずに怒り続けてくれた人がいたからこそ、今の私たちの自由があるんですよね。みっともなくても良いから後世に対して責任を果たすという気持ちで、自分の怒りに正直になってみてはいかがでしょうか。

試験が近いので今回は以上です。試験勉強を、やるぞ…!


Big Love…