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VERY妻にはなれないが

美容院に髪を切りに行ったとき、どんな雑誌を出されるか気になりませんか?私は割と気にする方なので、今日はそういう話をします。

今通っている美容院は担当との相性が良く、数年通ってるんですが、最近決まって席に着くとVERYを出されます。
普段雑誌といえばオール讀物や文學界などの文芸誌しか読まないので、美容院に行くと担当とは基本的に口をきかずにずっと雑誌を読んでいます。

VERYは働く女性や子育てを頑張るママをターゲットにしているそうで、購読者層は私と同年代の30代半ば。ぱらぱらめくると、コンサバなスタイルを推奨しているような印象を受けます。
ファッションの傾向としては好みなんですが、”ママだけどやっぱり●●(任意のママらしくない趣味が入ります)が好き!”、”忙しい毎日でも自分磨きで輝くママでいよう♩”的なキャッチコピーは私には眩し過ぎて、うわ〜、普段は触れないようにしてるタイプの思想だ…とただただ感心して眺めます。眩しい。

こういう雑誌を読んでいると、パパに比べてママという言葉はまだまだ背負わされているものが多いなと思います。”パパだけどやっぱり●●が好き!”って言われても全くピンとこないもんな。
社会が求める理想のママ像から外れることを推奨するようなキャッチコピーは自由と解放を促しているように見えるけれど、ママが背負わされているものがあまりに重いことの証左であるように感じて、私は息苦しくなってしまう。これはVERYが悪いわけではなく完全に私が悪いのですが。私はVERY編集部がターゲットとしているタイプの人間ではない…。

とはいえ、普段は触れないタイプの思想に綺麗なモデルさんやブランドバッグの写真などを添えられると結構するする読めてしまうもので、なんだかんだ毎回美容院でVERYを出される度にかなり集中して読んでしまうんですよね。VERYのファンなのかもしれない。VERYに描かれている生活に憧れることはないけれど、あまりに遠い世界を覗き見るのは面白いから…。

毎回VERYを出してくる美容院側も、私が30代半ばの子どものいる親だということを知っているので、VERYを出しておけば無難だと思っているんだろうな。男じゃないから分からないんですが、男性って美容院に行くとどんな雑誌を出されるんだろう。私が通っている美容院では女は子持ちだとバレた瞬間にVERYを出されるシステムになっていますが、男だったらどうだったのかな?とたまに考えます。

美容院側からすれば客がどんな人間かある程度判断して雑誌を出したり会話をしたりする必要があるわけで、そんな中でママであることって強烈なとっかかりなんだろうな。
こんなふうにウジウジとVERYの愚痴?を書いているのに意外に思われるかもしれませんが、ママであることをとっかかりにされるのは嫌じゃないです。月に1回程度、当たり障りのない会話をして数時間過ごすだけの場所で深く自己開示をする必要性を感じないので…。

担当にも子供がいるので、毎回適当に育児の愚痴めいた話をしてお茶を濁しており、かなり気楽です。こういう時に当たり障りのない会話ができるという意味で、ママという属性はかなり便利ですね。こういう時以外に、ママという属性を持っていて良かった♩と思ったことは特にないですが…子どもが3歳半を過ぎたというのにいまだにママ友の1人も作れていないし…。

出されたVERYに、ママの睡眠特集があったので興味深く読みました。
特集によると、子どもが生まれてから1人で寝たことのあるママはなんと50%程度で、つまり半数のママは産後一度も1人で寝たことがないそうです。VERYは産後直後のママをターゲットにした雑誌ではないので、お子さんが小学生ぐらいのママもかなりいるはずで、それでも半数のママが産後1人で寝たことがないというデータにはかなり驚きました。
もっと驚いたのは、子どもと寝室をわけている家庭はほんの5%程度だそうです(美容院で見ただけの数値なので正確ではなく、これは大体の値です)。
このデータを見た瞬間、えーっ、本当かなあと思わず疑ってしまいました。なんせ私は、産後子どもと寝たのはおそらく両手で数えられる程度しかないからです。
睡眠時間が安定しなかった赤ちゃんの頃はベビーベッドのそばで深く眠るまで寄り添って様子を見たりしていたこともありましたが、安定して長時間眠るようになってからは、基本的に夫が寝かしつけを担当してくれています。生まれた時から子どもは子ども部屋の自分のベッドで寝ているので、寝かしつけが終わると夫も子ども部屋を出て、子どもは朝まで1人で眠っています。

VERYのデータを見るまで、睡眠に関しては自分がかなり恵まれているということに全く気づいていませんでした。そうか、みんなこんなに苦労しているのか…偉すぎるな…と美容院でしみじみ感じ入ったし、毎晩寝かしつけを担当してくれている夫もかなり偉いんだな…と改めて感謝の気持ちが湧いてきました。
娘は8時半くらいに夫と寝室に行くので、そのあと私は文鳥を寝かせて(文鳥の寝かしつけはする)、それから大抵パソコンに向かって酒を飲みながらnoteを書いています。夫が寝かしつけをしてくれていなかったら、そもそもこんなふうに週3回のnote更新などできなかったかもしれません。

やっぱり自分好みの、自分に似た思想の文章ばかり読んでいてはダメですね。たまには自分と全く違う価値観で生きている人間の意見も聞かないと、思考が凝り固まってダメになってしまう。
良い感じの結論が出たところで今日の更新はおしまいです。VERY妻にはなれないけれど、明日も元気にママとして生きていくぞ!

Big Love…