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いいこと・わるいこと どうやって教える?

子どもに、いいこと・悪いことを教える。
それが親の責任。

子育てをしながら、周りに気をつかうからこそ、正しいことをちゃんと教えていかなければとプレッシャーがかかりますね。

さて、善悪とは、いつ頃から身につくものなのでしょうか?

善悪を身につける時の2つのルート


身につけていく方向性は2つあります。
一つは、外がわから教えられて、理解していくこと。

もう一つは、自分で感じ、自分で心を動かし、自分で気がついていく、自分で掴んでいくこと。

外側から教えられることは、手っ取り早く身につくかもしれません。
早い時期から、『おりこうさん』になるでしょう。
しかし、「なんで?」と理由を聞くと、「だって、お母さんに怒られるから」「先生がダメって言ったから」

そのような返答になることも少なくありません。

一方、時間がかかっても、自分で気がつき、自分で心を動かし、自分で掴んだものは、「どうして?」と聞くと、その子なりの答えを持っている事が多いです。

子育てのゴールとは、いったいいつでしょうか?

今、この目の前の一瞬でしょうか?

それとも、子ども自身が自分で自分の人生を歩む。もっと遠い先の事でしょうか?

保育や教育の中では『生きる力を育む』と言われています。
外側から言われて理解することと
自分で気づき、掴んでいくこと
どちらが、『生きる力』となるでしょうか?


子育て中の毎日は、忙しくて、目の前の事をこなしていくだけで、精一杯です。毎日は忙しいからこそ、時には大きな視点で、子どもの育ちを見つめたり考えたりしていくことが大切です。

善悪の基礎となる「おもいやり」「やさしさ」


善悪の基礎となるのは、他の人、他の事への「おもいやり」「やさしさ」などの心が育つ事です。

それはどのようにして身につけていくのでしょう?

これには順番があります。

生まれてから1歳半前後までは「かわいい」「かわいい」と可愛がられて、抱きしめられて、“自分は大切な存在だ”と気がついていきます。

自分を大切にしてくれる、安心できる大切な人。人としての温かみを知る時代です。


「自分は大切な存在だ」と実感した心は、「ジブンデ!」「ジブンガ!」「ジブンノ!」と自分を自分なりに表現するようになります。

自分自身の存在を知り、確かめる。
お母さんとは違う自分を主張し、表現する。

自分でやってみたいことが増えて、次から次へといたずらをする。

通称『イヤイヤ期』
手がかかり、様々な姿に子育ての悩みが集中する時期でもあります。

このあたりで、多くのお母さんが、善悪を教えなくては!と焦り、先回りして色々と教えたくなる。周囲の目が気になるので、それも当然かと思います。

この時期に“教えること”を頑張りすぎると、子育てへの疲弊感・疲労感も大きくなるので、視野を『生きる力』長距離目標へと切り替えてみる事が大切なのです。

どんなに教えようとしても、時代は『ジブンガ!』のまっただ中です。
教えようとすればするほど、「イヤ」の反発心を強めるか?
反対に“自分”を構築しないまま、大きくなって、何をするにも自信がない…そんな感覚を身につけてしまします。

教える、ではなく「種をまく」

では、どうすればいいのか?
「思いやり」の種を、心にまいていくように関わります。

例えば、人形を投げたときに
「投げてはいけません!」
これは、大人が善悪判断をし、教えていく関わり方。

「まあ、小さいから仕方ないよね」
これは、放任かなと周囲から思われがちな関わり方。

「あら、人形がかわいそう」拾い上げて大人が大切にするモデルを見せる。
“かわいそう”と、感じ方を表す言葉をかけることで、子ども自身が何かを感じていくチャンスにします。

例えば、虫を潰してみたり、草花を引きちぎってみたり、興味や関心から乱暴をする事もあります。

「虫を殺してはいけない、草花をちぎってはいけない」これは、善悪判断を教えていくこと。
本当にダメなのでしょうか?
本当にダメだとしたら、どうして殺虫剤が売っているのでしょう?除草剤も売っています。

大人は、都合良く虫を殺します。草を抜きます。

人間は、魚や豚・鳥・牛などの動物を殺してそれを食べて生きています。
人参・大根・キャベツ…様々な植物を引き抜いて食べて生きています。

そんな安易に、善悪を教えていける事なのでしょうか?

「あー、ありさんのお母さんは、帰ってこなくて悲しいって言うかもしれないね…」

「あー、このお花は、明日も元気に咲きたかったかもしれないね…」

「かもしれないね」という子ども自身が感じたり考えたりする余白を残して、「あとは自分で考えてみて」そうやってバトンを渡すかのように、心に種をまいていきます。

この種まきの方法は、時間がかかります。

1回、2回ですぐに気づいたり、わかったりはしないので、何度も何度も繰り返す必要があります。

心に沢山まいた種は、いつ芽を出すのか?

4~5歳を過ぎ、6歳を迎える頃。
「なんで?」「どうして?」そう知りたがる時期がやってきます。

早くに善悪を教えすぎると、「言われたくない」「聞きたくない」という反発心から、
「なんで?」「どうして?」の知りたがりの心は小さくなってしまうのです。

「なんで?」「どうして?」と言うようになったら大チャンス!

子どもが聞いてきたときに、その理由を伝えていく。

「何でだと思う?」「どうしてだと思う?」
もう一歩子ども自身が考えてみるように返してみる。
心にゆとりがあるときには、そんなやりとりも楽しんでみたいものです。

種をまかずして、思いやりや優しさの心は芽生えない。

思いやりや優しさの土台がないのに教え込まれたことは、子ども自身の『生きる力』にはなっていかないかもしれない。

子育ては長距離目標。
「あわてない あわてない」
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