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子どもの成長を大きな視点で見通したい

しあわせお母さんプロジェトは、1年以上続けながら、“いつも参考にしています”とメッセージをいただくことが増えました。

その言葉に私たちの方が、勇気づけられるこの頃です。
悩み事はいつも目の前の事なのですが、「発達を知りたい」「子どもの成長を大きな視点で見通したい」そんなご質問が増えてきたこの頃でもあります。

今回は、発達の大きな見通しを少しまとめてみたいと思います。
基本には田中昌人先生の発達の理論がありますが、現場で実感し腹落ちしている事を、私なりの言葉に編集しています。
(田中昌人先生の理論そのものではないので、著書を読まれたことのある方からみると、相違点もあるかもしれません)


子どもの発達の大きな見通し


田中昌人先生が表現した大きな道筋の言葉が好きなので、それをご紹介します。

人知り初めし心の営み
(ひとしりそめし、こころのいとなみ)

我知り初めし心の営み
(われしりそめし…)

理知り初めし心の営み
(ことわりしりそめし…)

価値知り初めし心の営み
(かちしりそめし…)


発達には『節目』があると言われています。
大きな節目はおよそ
1歳半、3歳、6歳、9歳

何か気がつく方はいますか?
1歳半健診
3歳児健診
就学前健診(6歳)

子どもたちが受ける健診の時期は、この発達の節目に行われています。

ただ、1歳半で○○ができる。3歳になれば○○できる。…そういう、「できるか?できないか?」という評価の軸で、子どもの発達を捉えると、とても苦しくなります。

だから、田中昌人先生の言葉に魅力を感じています。


《人知り初めし心の営み》

生まれてから1歳半までの時代を
『人知り初めし心の営み』
ヒトとして生まれ、人の愛情、人の温かさを知り始める時代。
人を知る心が営む=動き出す時代

あやしたことに笑い返したり、人見知り、後追いが始まり…大好きな身近な大人を知る。
抱きしめられ、愛情を感じる時代

立って歩き出す、言葉を覚え始める。
人間としての特徴的な機能の獲得が始まっていく時期。

何かができる・できないよりも
人としての人生が始まっていく尊い時代。
土台となる時代。


《我知り初めし心の営み》

人としての土台の上に
1歳半を過ぎる頃から、3歳を迎える頃までの『我知り初めし心の営み』の時代が重なっていきます。
“初めし”なので入れ変わって行くのではなく、重なっていく。そんなイメージで私は捉えています。

“自分が”“自分で”“自分の”…
通称“やだやだ期”

我=自分の存在を知り始める時代
“やだやだ”と手がかかる時代ではありますが、「自分探し、自分の土台作り」が大事なときです。
他者を思う、善悪や思いやりを教えるには少し早く、ここで“我”を押さえつけてしまうと、自分を表現しない子になってしまう可能性もあります。

だからこそ、その先を見通し、やがて通り抜けていく事を信じていたい時代でもあります。

《理知り初めし心の営み》


人を知り始めそれを土台
我=自分を知る。それがさらなる土台となり、『理を知り始める』時代が訪れます。およそ、3歳から6歳は『理』を知る時代。「なんで?」「どうして?」『理由』を聞きたがる姿。

椅子取りゲームや鬼ごっこなど、ルールのある遊びに興味が広がる。ルールのある楽しさがわかる。『理性』が働き出す。

ものの構造に興味をもち、組み立てたり、作り出したり、『理屈』『理論』などにつながる思考力が芽生え始める。

みたて遊び、つもり遊び、大きくなる事への憧れ、お母さんみたいに…お父さんみたいに…お姉ちゃんみたいに…お兄ちゃんみたいになりたい!『理想』を抱き始める時代。

だからこそ、トライ&エラーが必要で、エラーを責めない関わりをしながら、自分はできる!自分へのプラスイメージを大きくしたい時代。

自分の『理想』が描けるからこそ、現実の自分が『理解』できるからこそ、その間の心が揺れ動く体験もしていきます。

この心の揺れ動きを、安心できる身近な大人との関係の中で、十分に営む事こそが、人として大切な『理』をつかみ取っていく。

大人が正解を教える事が大事なのではなく、心が営む事が大事。


《価値知り初めし心の営み》

人の温かさを知りながら
自分を見つけ出しながら
理をつかみ取っていく時代が土台となり

心は価値を知り始める事に動きます。
6歳を過ぎておよそ9歳を迎える小学校低学年の頃。

九つ “つ”がつく時代まで
と表現した人もいます。

人としての価値、お金などの価値…
ちょっと意地悪をしては、相手を傷つけてしまうこと
物やお金のやりとりに関するトラブルなど、価値を求める心は、必ずしもプラスの姿ばかりではありません。

「どうせ自分なんか…」と自分の価値を確かめたいために、マイナスな会話や表現もするかもしれません。

「それはダメ」「それはいい」という、評価する目線ではなく、人としての価値を大人が表現していくことが大切になります。

生きる事の価値、楽しむことの価値、チャレンジすることの価値、人を大切にすることの価値、自然を守ることの価値…などなど

日常の生活だけでは、価値を伝える事が難しいからこそ、児童文学や映画、演劇などの文化に触れる体験や、自然の中で心や体を動かす体験、価値に心が動く「感動」を共にしたい時代でもあります。

この時代を迎えるために、小さい頃から絵本に親しんだり、自然に触れる興味関心を広げたりする事が大切です。

できる・できないの先に

人知り初めし心の営み
我知り初めし心の営み
理知り初めし心の営み
価値知り初めし心の営み

できる、できないの能力の獲得ではなく
心が豊かに営むことを、私たちの目的にしていくことで、目の前の一見マイナスに見える姿に振り回されずに、子育てを見通していける。そんな気もしています。

9歳のあとの大きな節目は『思春期』
心も体も、大人へと移り変わる時代を迎えます。
この思春期を子ども自身が乗り越えていく力を蓄えるために、幼い頃の1日1日がある。
土台を大きく大きく膨らませる。そんな子育てを楽しみたい。それが、私たち『しあわせお母さんプロジェクト』の願いでもあります。

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