見出し画像

食べること〜取り込む・噛む・飲み込む〜【前編】

母乳やミルクなどでスクスクと成長をしてきた赤ちゃんたち。
生後5~6ヶ月頃になったら、そろそろ母乳・ミルク以外のものも食べる練習がはじまります。

これまでしあわせお母さんプロジェクトには、子どもの食事にまつわるご質問がたくさん届いています。

改めて、これまでまとめた”食事”に関する記事をお伝えしながら
食べる、という行為は単純に食欲だけの話ではないんだよ、というお話をしてみたいと思います。


”食べさせる”から”子どもが食べる”へ


食べ物を食べる、という行為は
異物を体内に取り入れる行為とも言えます。

これまでミルクや母乳で栄養をとってきた子どもにとって
それ以外の味や感触のする食物を口にするのは
「変なモノが口に入ってきた!」
という経験よりほかありません。

乳首を舌で押し上げて、出てきた液体を吸って飲んでいればよかったのに
この「食べ物」という異物は
自分で取り込んで、喉の方に送り込み、飲み込む必要があります。
段階が進めば、大きさが大きな食べ物を噛んで小さくすることもしなくてはなりません。

子どもは1歳までの短期間で、これだけの機能を発達させるのです。

練習をしなければなかなか上手にできないし
当然、子どもによって違いがあります。

味や食感に敏感な子どもは慎重に食べ物に慣れていきます。
固形物を飲み込むのにゆっくりさんな子もいます。
ガツガツなんでも丸飲みしてしまう子もいます。

おとなと同等に
味覚と食べる機能が発達するのはおおよそ4歳以降です。

食べること〜取り込む・噛む・飲み込む〜体験を積み重ねながら
練習と感覚を学んでいる途中なんだ
ということを念頭において

”食べさせる”
のではなく
”子どもが食べる”
の視点で

のんびりと子どもに付き合っていきたいです。


”食べる機能”の発達段階

子どもの食べる機能は、生まれてからおおよそ1年間で驚くほどの成長をしています。
機能が発達していく過程は、大きく以下のような時期にわけられます。

1)おっぱいやミルクを吸って飲む時期
2)とろみのあるものをごくんと飲み込む時期
3)舌で食べ物を潰せるようになる時期
4)歯茎で食べ物を潰せるようになる時期
5)歯茎や歯でリズミカルに潰したり噛んだりできるようになる時期

これらの時期を離乳食に当てはめてみますと

1)の時期は、お匙でお白湯や麦茶、果汁などからスタートしますね。

2)の時期には、ポタージュや重湯〜三分粥、野菜のペーストなどです。

3)の時期には、豆腐の固さくらいを基準に、柔らかく煮たり刻んだ食材です。

4)の時期は、バナナの固さくらいを基準にした食材で、手掴み食べもそろそろ始まるので、大きさも手や指で掴めるくらいにしていきます。

5)の時期にはいよいよ、小さなおにぎりや具沢山のお味噌汁など、大人の食べているものに近くなります。

離乳食もいよいよ終わりに近づき
完了期に移行できるかどうかを判断するときは
食べている時の口の動きを観察してみてください。

モグモグした時に、
①唇がしっかり閉じられて
②噛んでいる時に口角が左右に偏り(噛んでいる方に口角が縮む)
③舌を左右に動かせているか(舌を動かして食べ物を口の中で移動させながら飲み込むかがわかると思います)

これらの動きが見られるようですと、噛んで飲み込む準備はちゃんとできています。

この時期には、手掴み食べをたくさんして、食べこぼしたり、口に詰め込みすぎたりしながら五感を使って自分に適した「ひと口量」を子どもは覚えていきます。

ママたちにとっては散らかったり、汚れたり、遊び食べをされたりと、やれやれ・・・な時期ですが、

目で見て食べ物の位置や大きさを確認
手で掴んで食べ物の温度や固さを確かめどの程度の力で掴めばいいかの感覚を体験
口まで運ぶことで目と手と口とを協調運動

といった一連の動作は、子どもにとってはとても大切な発達のひとつです。


4歳くらいまでは気をつけたい食べ物


離乳食も完了期以降になると、大人とほぼ同じ物が食べられるようになりますが、機能がほぼ大人と同じになるのは4歳以降ですので、ちょっと気配りが必要です。

子どもの事故の中で、窒息事故は0歳〜3歳に多い事故です。
食べ物の誤飲(誤嚥ともいいます)が最も起こるのもこの時期になります。

誤飲や窒息に繋がりやすい食べ物には以下のような特徴があります。

○丸い/つるつる・・・プチトマト、ぶどう、豆類、あめ、ラムネ
○もちもち・・・白玉、餅
○もそもそ(唾液を吸う)・・・ひき肉(特に鶏)、ゆで卵、煮魚
○にちゃにちゃ(粘着質)・・・ご飯、パン、焼き芋、カステラ
○むちむち(繊維質・弾力がある)・・・こんにゃく、ソーセージ、わかめ、きのこ類

上記のような食べ物を与える場合には、少し注意して、ひと工夫加えてあげるようにしましょう。

○丸い/つるつる→分割してあたえる(豆類は消費者庁では6歳になってからと勧告されている)
○もちもち→噛む前の誤飲に注意
○もそもそ→とろみをつける、細かくして他と混ぜる
○にちゃにちゃ→水分をとって口を潤してから食べる
○むちむち→細かく切る

こういった、与えるときに少し注意が必要な食べ物を食べるときは

○大人がお手伝いをする
○決まった量をお皿に置く(食べ終わったらおかわりをしてもらう)

自分で食べる意欲を応援するために手掴み食べを楽しんでもらいつつ、詰め込み過ぎを防ぐために調整をしてあげると良いと思います。

そして食べるときの姿勢を整えましょう。

食べるときに姿勢が整っていないと
落ち着きがなくなったり、立ち上がろうとしたりして
食べ物を口に入れたまま動いたり
慌てて飲み込んだり
逆に口の中に溜め込んだり
誤飲を起こしやすくなります。

与えるときに少し注意が必要な食べ物は、子どもが立ち歩いているときなどにヒョイと与えないようにしましょうね。

それぞれのお悩みに対しての具体的なお話は後編で☆

私たちはいつでもここで待っています。 何かあったらぜひ頼ってください。 この「しあわせお母さんプロジェクト」の活動を継続するために、 皆さんのご支援をお願いします。