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つもりの一致

よく聞かれる質問のひとつに、

どうしたら、子どもに話が伝わりますか?

というものがあります。

『伝え方』はそのときどきなのですが、
私は“つもりの一致”を確かめることにしています。


親と子の前提が違う


例えば、スーパーで買い物。お菓子やキャラクターソーセージを買って欲しいと言っては泣きました(笑)

そういう時に、
「今日は買わないよ」と根気強く伝えるのか?
「泣いている子は置いていくよ」と突き放すように伝えるのか?

お子さんによっては、激しく泣いてイライラしてしまうこともありますね。

娘が2歳半頃の話です。
娘にスーパーでひっくり返って泣かれて、困ったものでした。

ひっくり返って泣く娘を見ながら考えたのです。

「この子は意地でもお菓子を“買ってもらうつもり”だな~」と

そして私の心中は
「ここで泣かれたからと言ってお菓子を買って、それが癖になったら嫌だな…買わない。今は“買わないつもり”」

“買ってもらうつもり”の娘と
“買わないつもり”の私

そもそも前提が違うので、『伝え方』ではどうにもならない。何を伝えても、水と油状態。互いの反発心が大きくなってしまいます。


そこで、子どもに聞いてみる

娘に聞いてみました。
「泣いているけど、お菓子を買うつもり?」
ちょっと泣き止んで、ちらっと私の様子を見てきます。

「お菓子を買うつもりなら、お金を持っているの?」
「持っていない…」
「私は、夕飯の買い物の分のお金しか持っていないのよ。お菓子を買うつもりではなかったから」

当然2歳半、お金なんて持っていません笑

「娘ちゃんが、どんなにお菓子を買うつもりでも、私もお菓子を買うお金は持っていないのよ…」

ゆっくり話をして、ひっくり返っている娘の様子を見守りました。
冷静になってみるといろいろな人が、寝転がっている娘をのぞき込みながら通り過ぎていきます。

「そうか、お買い物に来たら、お菓子を買ってもらえるつもりだったのね…
このまま寝転がっている?今日は帰って、今度お菓子を買う準備をしてまた来ようか?」

娘は立ち上がり、納得したようでした。

「伝えた」というよりは、
娘と私の“つもり”が不一致だったことを確認したのです。

お菓子を買うには、その分のお金も持ってくるという準備“つもり”が必要だと言うことをあきらかにしました。

その次からは買い物の前に、“つもりの一致”をするということを儀式にしました。

「夕飯の買い物にいくけれど、明日は保育園だからおやつは保育園ででるので、お菓子は買わないよ」

「明日は、お休みだから明日の分のおやつを今日は選ぼうね。」

「明日の朝は、納豆にしようと思うけれど、娘ちゃんが選んでくれる?」

「明日の朝、ヨーグルトを食べようか?そのヨーグルトを選んでね。」

何を買うつもりなのか?
何を買わないつもりなのか?
“つもりの一致”作戦により、スーパーでのいざこざはほとんどなくなりました。
時々生じても、どこの“つもり”がずれていたかな?と探っていく方が、
「何を言っても伝わらない!」とイライラするより、楽になりました。

子育てをしながら、娘とのやりとりで学んだ“つもりの一致”の大切さです。

つもりの“不一致”を見つけだす


この
【つもりの一致】

一致している状態に意識を向ける事を掴んでから、レベルアップした私☺

保育の中でも、子どもの気持ちに近づく手がかりになっています。

例えば、いつも朝早い時間に登園する2歳半の子が、病院に寄ってからの登園。

いつもはもう泣かないのに、「ママがいい!」しがみついて離れない。

あ、もしかして、朝いつもよりのんびりした。その段階で「今日はお休みのつもり」だったかもしれないな。

「今日はお休みのつもりだった?」
「うん…。」
「そうか、いつもより朝はのんびりだったもんね。」
「うん」

“つもりの不一致”を発見する。
遡って、掛け違えたボタンを掛け直す。

子どもなりの見通しを持つ力が、子どもなりの“つもり”を生み出している。

子どもは、大人の所有物ではない。
子どもの“つもり”を確認し
大人の“つもり”を提示する。

何でも言うことを聞き入れていくことが大事なのではなく、私とあなたの“つもり”を合わせていくことが、人として対等につながっていくことだと思います。

※ちなみに大人同士も“つもりの不一致”は生じますね☺

仕事帰りに夫から
「炭酸買ってきて」とラインが来ました。

私は炭酸水を買って帰りました。

夫は「えー………炭酸って言っても、甘い物のつもりだった」

甘い物を飲まない私の受け取る『炭酸』は、甘くない炭酸水(笑)

結婚15年以上経っても、こんな些細な“つもりの不一致”があるのですね!

“つもり”の不一致の発見は、互いを理解し合うきっかけになっていくのかもしれません。

私たちはいつでもここで待っています。 何かあったらぜひ頼ってください。 この「しあわせお母さんプロジェクト」の活動を継続するために、 皆さんのご支援をお願いします。