ヒント 増収の沼

国公立病院のはなしである。

わたしは国公立病院の増収について些か疑念をもっている。

国公立病院の経営計画では、患者数を増やすこと、診療単価を上げることが増収策として記載されている。そのためには、目玉商品となる高額医療機器に投資し、診療報酬を押し上げる要素となる医療職をかき集める。

当然とか、仕方ない、何が問題か、と思われるかもしれないが、そこに油断がある。病院が社会的資本としての公共性を備えていることには公も民もない。したがって、その役割を果たすためには、企業としての経済性を発揮することが期待されているというのは共通の理解であろう。

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医療経営学の視点から、病院経営の抱える問題について、解決策を考える上でのヒントになれば幸いです。