ヒント なぜ、いま、ナレッジ・マネジメントか?

現代の病院経営に欠けている視点を提供してくれるのがナレッジ・マネジメントだからである。

地域医療構想、公的病院のあり方(すなわち、公民協働のあり方)、地方創生との関係、社会保障費の配分問題、医師の偏在問題、医学の進歩への対応などなど、他人まかせ、国まかせ、診療報酬まかせでは到底乗り切れないと思われる問題が目の前に横たわっている。

辣腕や豪腕の病院経営者が登場するとしてもその数はしれている。
かといって、医療現場の個々人で何とかできるというものでもない。
ここに、組織としての能力が問われることになるのだが、従来の機械的な組織ではこのうねりのような変化に対応することはできないと考えるのである。病院経営の近年の動向で目につくのは、先祖返りを思わせるような思考や振る舞いである。とりわけ公的病院にそれは目立っているようだが、収支や採算にとらわれすぎて本質を見失い、周辺との協調など顧みない。残念なことに、そんな病院があちこちで目につくようになったと感じるのである。

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医療経営学の視点から、病院経営の抱える問題について、解決策を考える上でのヒントになれば幸いです。