ヒント 急性期病院における薬価基準の役割

医師の処方箋を必要とする医薬品の販売価格(正確には保険請求の基準価格)は薬価基準として定められている。この薬価は二年ごとに改定(見直し)することになっているのだが、このような期間では近年の医薬品開発のスピードについていけないことが現実のこととなった。そこで国は改定期間を短縮することとするのだか、医療機関のなかにはそれに反対する向きもある。

ある病院団体の代表が反対意見を表明したが、その理由は"薬価差益が減る。""患者に説明できない。""現場の混乱が予想される。"など薬価基準制度の本質とは些か異なるものばかりであった。そのような意見からわかることは、今でも薬価差益をあてにしていることである。

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