存在理由

私は物事の境界をあまり重要視しない人間だと思う事がある。

私からすれば生死とは生きているか死んでいるかの違いでしかなく、家族と他人は血が繋がっているかいないかの違いでしかない。
いま私を見つめている猫も私とは人間であるか猫であるかの違いしかないのだ。

私はできるだけ本質というか、そのもの自体を大切にしたいと思う。
自分にとって最も支えとなる存在は家族だとか人間だとか生きているかとかその程度のものは超えたものだと思う。

多くの人は教科書に載る事も、Wikipediaに自分の項目が作られる事もないと思う。
そこに名を連ねる人たちは、多くの人に大切とされる存在なのだろう。
それでも私はそこに大きな意味があるとは感じない。
結局のところ、大切に思ってくれる存在が多いか少ないかの違いしかないのだ。

私は教科書には載らない。
きっとWikipediaの項目も作られない。
それでも誰か一人くらいにとって大切な存在になる事ができればそれだけでいいと思う。

私は別に見返りが欲しいとは思わないし、誰かからあなたは僕にとって大切な存在なんです、と言われたいわけでもない。

ただ私が生きていようが死んでいようがそんな事関係なく、夕暮れ時にふと私のことを思い出してくれる人がいたらどれだけ幸福なのだろうかと思う。

私はその為にまだ生きている。