7'×Girls At Our Best!,Chin-Chin,PIC-NIC

・Girls At Our Best! / Getting Nowhere Fast (2021 OPTIC NERVE RECORDINGS)

画像1

通販で購入。1stシングルの再発。ポストカードとポスター付き。オリジナルリリースは1980年。Girls At Our Best!というバンドを知ったのはサロンミュージックがカバーをしていたことがきっかけだったような気がするが記憶は遠い。奈良に住んでいた当時に悪名高きV〇nyl Japanからリリースされていた編集盤CDを購入し現在に至るまで頻繁に聴いている。所謂ニューウェーブやポストパンクと呼ばれるものには思い入れも知識も薄い私ではあるが、Swell MapsやTVP'Sと並んで20代前半の頃から愛聴している数少ないバンドのひとつがGAOBだったりする。

クールでキュートなジャケットだけでも買う価値はあるが、鋭角的なディストーションギターのカッティングにVelvet Undergroundの「European Son」にも似たベースラインが絡んでくるイントロがかっこいいA面「Getting Nowhre Fast」と個人的にGAOBの中で一番好きな曲でもあるB面の「Warm Girls」共にいつ聴いても興奮させられるものがある。ニューウェーブと呼ぶにはリズムが直線的すぎるしパンクロックと呼ぶにはアレンジが派手で展開も多すぎるが、魅力的な声質のボーカルの力も相まって聴いた印象はポップ、というなかなか他に居そうでいないバンドだと思う。


・Chin-Chin / STOP! YOUR CRYING (2021 OPTIC NERVE RECORDINGS)

画像2

通販で購入。2ndシングルの再発。ポストカードとポスター付き。オリジナルリリースは1986年。Chin-Chinというバンドを知ったのはEVOL兼Que Sera Seraのベーシストが焼き鳥屋で「Chin Chinという53rd&3rdからリリースのあるバンドのLPがSlumberLandから再発された」と教えてくれたのがきっかけだったはず。その再発LP「sounds of the west way」はパンキッシュでポップな魅力あふれる良盤なので未聴の方は聴いてみるといい(多分廃盤)。

日本では名前のせいなのか知名度が低いように思えるChin-Chinはスイス出身の女性3人組(4人時代もあり)。同郷のKleenex / Liliputと比べるとRamonesやフィルスペクター系ガールグループからの影響を強く感じさせるストレートでFASTでポップなサウンドが特徴。スティーヴン・パステルが主宰する53rd & 3rdからのリリースもある事実が示すようにアノラックやC86と呼ばれたShop AssistantsやTalulah Gosh、FlatMatesなんかと通じる音楽性ではあるが個人的にはそれらのバンドよりも強力なエネルギーを感じる演奏が非常に良いと思っている。

当シングル表題曲はダークなジャケット写真のイメージとは裏腹にChin-Chinの中でも最もポップな曲といっても過言ではないキャッチーさがある。前述の再発LPには未収録だったので今回の再発はとても嬉しい。B面2曲も50's~60'sポップスからの影響を荒々しくスピード感溢れる演奏で表現している様子はとてもクールだ。短命に終わったバンドではあるがデモとかライブ音源とかあれば是非聴いてみたい。


・PIC-NIC / CALLATE NINA (1967 HISPA VOX)

画像3

ヤフーオークションで購入。高騰するかと思ったら200円弱で落札できたので驚いたがdiscogsでこのレコードの相場を調べたら14円で買えることが発覚したので更に驚いた。このバンド唯一のLPもUSオリジナル盤で持っているが2000円弱で買えたので比較的入手は容易ではある。私のようにモンドミュージックを読んでPIC-NICや後にソロシンガーとなるボーカル担当Jeanetteを知った人は多いかと思うが、対極の存在とも言えるG-Modernでもレコードレビューが載っていたりする。

PIC-NICは60年代後半にスペインで活動していたバンドでアメリカのフラワームーヴメントから影響を受けたようなマヂカルでサイケデリックでドリーミーでラブリー、などと阿保みたいな形容詞を羅列したくなるフォークロック/ソフトロックサウンドに当時10代だったJeanetteの幼くも魅惑的なボーカルがラテン的な情緒を伴って浮遊する。夢幻的な楽器の重なり、音色の広がり方などは60年代ならではのムードが充満していて艶やかな煌めきがある。

スペイン盤7インチを入手出来て嬉しかったが音質や音圧は期待していたほどではなかった・・・というのが正直な感想。リスニング環境の問題も多分にあるが。レコード聴くよりyoutubeにupされている当時の映像を見たほうが魅力的に思えたりもしたがジャケットもいいので買ってよかったとは思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?