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サメ映画の歴史、カオスから原点回帰へ

『シャークネード』(2013/アメリカ)

シャークネードシリーズはヒットすると思ってなかったそうなんですが、放送されるとSNSで話題となって瞬く間にカルト的な人気が出て、その後続編が5つも作られたそうですよ。まあ、私は2度と観るつもりはありませんが()

あらすじも何もないんですが、竜巻に乗ってサメがアメリカの街を襲うって映画です。B級にしてはまあ良い出来かなって感じます。

(面白さ:★★☆☆☆☆☆☆☆☆)

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ダークサイドミステリーより仕入れたサメ映画の知識披露

これ以上この映画で話すことはないですが、それで終わるのも寂しいのでサメ映画の歴史について述べてみたいと思います。

最初のサメ映画は何かといえば、ご存知スピルバーグの1975年公開の『ジョーズ』ですね。これは名作ですし私も大好きです。

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で、この『ジョーズ』が当時で一番の興行収入を出してしまったのです。そこでですよ、映画で金儲けしようとする輩たちが「サメ映画は売れる!」と安易に考えて、サメ映画をたくさん作るんですが、ぜーんぜん売れなかったそうです(笑)

なぜ『ジョーズ』が売れてその後のサメ映画がヒットに恵まれなかったのか。
簡単にいえばスピルバーグが天才だったからのなのですが、もうちょっと説明しますね。

スピルバーグは『ジョーズ』においてサメロボットを用意したんですね。こいつが縦横無尽に動いて恐怖の海を演出する予定だったんですが、なんということでしょう。ロボットが思った通り動いてくれなかったそうなんですね!

映画もスケジュールがありますから、思ったような映像が撮れずに時間だけ消費するわけにはいきません。そこでスピルバーグは何を考えたかといえば。。。

「じゃあロボット使わなきゃいいじゃん!」

なんという逆転の発想でしょう。サメロボットが壊れて動かないならサメを出さずに、急に人が海に沈んで食べられる描写を入れたり、海面からヒレだけ出してサメが迫ってくる描写を入れたり、音楽で怖さを出したりと、サメロボットを前面に出さないという演出で乗り切ったのです。実際の映画は85分頃にサメロボットが出てくるんですが、それまで出てこないです。大幅にサメロボットの出番を削ることで、ロボットの不調をカバーし、かつ姿の見えない恐怖を演出したんですね。すごい、天才!

24年の停滞期からCGで復活、その後はカオス映画へ

つまりですね、スピルバーグはサメ映画の原点にして頂点を『ジョーズ』でやってしまったんですね。だからその他の二番煎じのサメ映画なんて誰も観ないわけです。

実際は他にも海で撮影すると天候の問題もありますし、本物のサメを使ってもロボット以上に思った通りに動いてくれなかったりで全然いいものが作れなかったようです。

そのままサメ映画停滞期が続いたのですが、1999年『ディープ・ブルー』によりサメ歴史が変わります。これは『ジョーズ』以来のヒットしたサメ映画なんですね。なぜヒットしたのか。それはCGでサメ映画を作れたからなんです!

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CGならロボットや本物と違って、好きなように動かすことができます。またサメは動く部分が少ないのでCGで作るのも簡単だったようです。CGでサメを作るという革命が起きて以降、サメ映画は息を吹き返すのです。

ここからまたサメ映画が作られるわけですが、一つ困ったことがありました。
それは人間が海に入ってこないと襲えないのです!!
海で泳ぐシチュエーションばっかりじゃネタ切れになってしまいます。
どうしたものかとみんな考えました、、、

「サメが海から出ればいいじゃん!」

もう無茶苦茶ですが、サメが雪山に現れたり、宇宙に現れたり、2013年から2018年のシャークネードシリーズのように竜巻に乗って街に出現したりともう滅茶苦茶なサメ映画が乱発されます。もうなんでもありな感じがしてくると日本の特撮ファン向けに巨大タコと戦う巨大サメ映画など、もうピンポイントすぎる映画も作られて、日本でサメ映画愛好家も現れはじめます。

もはやカオスなサメ映画ですが、いろんなことをやりすぎたのか、観てる人に飽きられたのか「サメが海に戻ってきてほしい」という声があったようで、昨今のサメ映画は原点回帰の傾向にあるようです。僕は原理主義ですからサメは海にいてほしいですね()

ということで『シャークネード』でお話しすることもなかったのでサメ映画の歴史についてご紹介しました。

サメ映画をご覧になる際には何年製作の映画かな、なんてことも気にして鑑賞されると面白いかもしれません。

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