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R5 美術系日記

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ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズが、県立施設を紹介します。
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記事一覧

Y字路の魅力: 横尾忠則の心情と変化する世界

「Y字路」シリーズ誕生20周年を祝うため、2020年度に開催される予定だったが、コロナ禍により延期となった今展覧会。 シリーズの原点である初期作品と新近作を見比べると、横尾さんの心情の変化に触れられた気がする。 weblio辞書によると、 「Y字路」とは、アルファベットの「Y」のように分岐している道、3本の道路が交差している交差点であるとされている。 3人のサポーターズによる「Y字路」のような交差した取材内容を楽しんでもらえると幸いだ。 今回はちり️、おみ、のんの順に

託されるコレクター、守り継ぐ美術館

1.4度目の取材(くもり時々晴れ)こんにちは、ヒョーゴミュージアムサポーターズ美術チームです! 今回は2月24日に取材させて頂いた、兵庫陶芸美術館の特別展『令和の新収蔵品展-「コジン」からの「オクリモノ」』での驚きや高揚感を皆さんにも共有出来たらと思います。 本展は、兵庫陶芸美術館が令和に収蔵した作品のうち、摂津や丹波、但馬、播磨、淡路など兵庫県内各地で制作された古陶磁と、4人の個人コレクターから受贈した貴重な作品の数々に焦点を当てたものとなっています。 残念ながら会期

未来へ続け!極めし陶芸の技と美、篠山の輪

1.秋晴れに出会う、伝統工芸のチカラ サポーターズ美術チーム、三度目の兵庫陶芸美術館訪問。 雨天・曇天続きのこれまでとはうって変わって、目も冴えるような青空と、秋めく風の香りを堪能しつつ、なんとも穏やかな一日を過ごすことができた。 帰り際には大雨が降り注いだが、大事な日に天候が悪くなるのは雨女(筆者)の宿命。活動時間に晴れてくれるだけありがたいので、ノーカウントとしよう。 さて、本取材のメインテーマは、現在開催中の特別展『日本工芸会陶芸部会50周年記念展 未来へつなぐ陶

Down the Yokoo-Wonderland 横尾忠則の世界にまっさかさま 

王子公園で下車し、横尾忠則現代美術館に向かう私はとてもウキウキしていた。 学校へ向かう時、友人と遊びに行く時、バイトから帰る時、阪急電車を利用すれば同じポスターに目を奪われる。今回の「Yokoo in Wonderland -横尾忠則の不思議の国」のポスターだ。 余白の中に迷い込むアリスと「人生の楽園or架空のオペラ」の文字。 どのような展覧会なのか、どのような作品を鑑賞できるのか、全く見当もつかない。 さあ、謎を解き明かしに行くか!という少年心に満ちた私は美術館へ向かった。

愛の詰まったこだわりを、君も体験してみないかい?(Perfume COSTUME MUSEUMに潜入してみた)

Perfumeの楽曲を一度も聞いたことがない、全く存在を知らない人はいるのだろうか。 乳幼児を除けば、そんな人はほとんどいないだろう。 日本を代表する、Perfumeの衣装が驚くことに「兵庫」に大集合している。 9月16日(土)、まだ容赦がない日差しを浴びながら、私たちは駅から兵庫県立美術館に向かった。 その大集合を見るためである。 今回は、Perfume COSTUME MUSEUMに訪れた大学生4人が自由にコラムを書いてみた。 兵庫県立美術館 📍神戸市中央区脇浜海岸

超絶技巧が織りなす逸品 デミタスカップの"推し"を語る

1.取材班、手のひらサイズの芸術と出会う 7月1日、くもり時々雨。 灰色の空とどんよりとした空気の中で、我々取材班は美術館を前にワクテカ(死語)していた――。 遡ること1時間前、今回のメンバー約6名はJR相野駅で1時間に1本しかないバスを待ちながら、こんな会話を繰り広げていた。 『え、デミタスカップめっちゃ楽しみやねんけど』 『え、それな。絶対ゆっくり見たいやつやん』 『いやーほんま。そもそも陶芸美術館行ったことある人おるん?』  全員が首を振る。 『(スマホでHP

コレクション展の世界へようこそ!

2023年6月24日、とても暑い日。 兵庫県立美術館の訪問が終わったのち、みな日傘を片手にミュージアムロードを歩きながら、話していたのは「どの作品が”刺さった”か」だった。年齢、出身、専攻も違う私たちは”刺さった”作品もそれぞれ異なっていたことが非常に面白かった。 今回の記事では、兵庫県県立美術館の2023年コレクション展Ⅰ:特集1「虚実のあわい Between Fiction and Reality」で、私たちが”刺さった”作品をリレー形式で語らせていただこうと思う。

金山平三の世界へようこそ!(後編)

このコラムに足を運んでくれたみなさん、ようこそお越しくださいました。金山平三の世界へご案内いたします! 今回は、兵庫県立美術館で開催中の特別展で見つけた作品を、大学生の目線から「自由に」語る回です。そのため、書き口調、触れる内容、何でもありとなっております。誠に勝手ながら、私たちが感じたことそのままをお届けさせていただきます! また取材班の熱意の分だけ、文章が長くなってしまったので前後編に分けて投稿します。 (この記事は後編です。) それでは、目次どーん。 INFORMAT

金山平三の世界へようこそ!(前編)

このコラムに足を運んでくれたみなさん、ようこそお越しくださいました。金山平三の世界へご案内いたします! 今回は、兵庫県立美術館で開催中の特別展で見つけた作品を、大学生の目線から「自由に」語る回です。そのため、書き口調、触れる内容、何でもありとなっております。誠に勝手ながら、私たちが感じたことそのままをお届けさせていただきます! また取材班の熱意の分だけ、文章が長くなってしまったので前後編に分けて投稿します。 (この記事は前編です。) それでは、目次どーん。 INFORMAT

考えるな、感じろ〜横尾忠則の世界〜 (後半)

このコラムは、6月17日に訪れた横尾忠則現代美術館の「原郷の森展」について、大学生の視点から感じたことを自由に書いている。 これから始まるのは後半のコラム2.3である。 まだ読んでいない方は、前半から読んでいただきたい。 それぞれ違う学生が書いているため毎度前置きがあるが、ショート小説みたいに読んでいただけたら嬉しい。 それでは後半。 どうぞお楽しみあれ‼︎ INFORMATION横尾忠則現代美術館 〒657-0837 神戸市灘区原田通3-8-30 開館時間:

考えるな、感じろ〜横尾忠則の世界〜(前半)

「横尾忠則現代美術館に来たことはありますか?」 「…。何人かは来たことがあるみたいです…。」 6月17日の昼、エレベーターで広報さんとの気まずい会話を少し。 そう、地元なのに行ったことがないのだ。 私は高校の通学で、バスの窓から毎日見ていた。 しかし行ったことがない。 なんでだろうか。 気になっていたが、なかなか行くタイミングがなかったのである。 そんな思い出?がある横尾忠則現代美術館にとうとう入場することができた。うれしい。 やっと入れた嬉しさ、美術班初め