![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/123030933/rectangle_large_type_2_1e203483a5f4fc1f21315566950d2c87.jpeg?width=800)
相模川
十一月の川は様々な鳥がいる。
河原に群がるカラス。水面を泳ぐ鴨。
オナガが川の中央へ飛んできては河原の木へ戻ってゆく。
三角州の縁をゆっくり歩く小鷺、中鷺。
小鷺の子供がどこからも分からず飛んできて、親の足元に降り立つ。
空中を悠々と飛び回る鳶に、その上を遊ぶように飛び回る雀。
その更に遠くの空を、雁が二羽と一羽。
不意に横からぱしゃりと音が鳴る。
鮎か鱒が跳ねたようだった。
いつの間にか中州に集まってきた白鷺達が、魚が跳ねた方をじっと見ている。
これから夕食の時間なのだろうか。
ぼんやりと眺めていると、今度は真っ黒な川鵜がやってくる。
中州に立ち、風に向かって羽を広げ、乾かしているのか風の力強さを感じているのか、しばらく煽られるがままにしていた。
最後に小刻みに羽を動かして仕舞う。
見ていると私も少し寒くなってきた。
そろそろ家に帰ろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?