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牟岐町関係人口創出事業を実施しました

最初に

11月24日、28日、29日の3日間、HLABは徳島県牟岐町より業務委託を受け、牟岐町関係人口創出事業を実施しました。今年12月末にHLAB TOKUSHIMA Winter Schoolを実施する大学生運営委員16名に加え、牟岐町の方々8名、牟岐中学校生徒の方々20名に遠隔でご参加いただき、大盛況のうちに終えることができました。今回は、徳島県牟岐町についてや、プログラム当日の様子、参加者の声などをまとめてお届けします。

牟岐町について

牟岐町は徳島県の南端に位置している人口4000人規模の小さな海沿いの町です。

徳島県

(出典:https://www.mapion.co.jp/map/admi36.html)
漁業が盛んで、伊勢海老やアオリイカなどの海の幸を楽しむことができます。また海だけでなく、山や川、そして島の全てがコンパクトに集まっていて、サーフィン、釣り、シャワークライミング、シーカヤック、登山といった様々なアクティビティが一年を通して楽しめます。

と、ここまでが牟岐町紹介のテンプレート。ここからはあくまで主観ですが、牟岐町の最大の魅力は「人」だと考えています。筆者も牟岐町を何度か訪れましたが、釣りに連れて行ってくださったり、家でご飯をふるまってくださったり、気さくに話しかけてくださったり、毎回厚く、厚すぎるくらいにもてなしてくださいます。牟岐町の人たちの気前の良さ、温かさ、少しおせっかいなところこそ、牟岐町が外の人を惹きつけ続ける最大の要因だと考えています。

牟岐町に住む人の魅力がいっぱいに詰まったウェブメディアはこちら。
https://mugizine.jp/
牟岐町観光に関する情報はこちら。
http://mugi-kankou.com/
ちなみに牟岐町の紹介動画はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=626cvDWqhJg&feature=emb_logo

HLABと牟岐町の関わり

HLABは2014年より6年連続で牟岐町と共にサマースクールを作り上げ開催してきました。大学生、高校生の累計参加者数は500人を超えます。プログラム参加者はサマースクール後も、牟岐町に旅行で訪れたり、現地NPOにインターン生として参画するなどの関わりを続けています。

本年度は新型コロナウイルス感染拡大により、大学生、高校生が牟岐町を訪れることができませんでした。そんな状況おいても、大学生運営委員に少しでも牟岐町とのつながりを感じてもらいたい、牟岐町の魅力を広めたいという思いから有志で運営委員が集まり、牟岐町の方々にお力添えいただきながら、今回の事業を実施するに至りました。

事前準備や企画背景、当日の様子

この事業は、牟岐の中学生とHLAB大学生との交流を目的として実施した「中学生企画」と、HLAB大学生が牟岐町の文化や人に触れながら、牟岐町の魅力を発信する施策を考えた「大学生企画」の2パートに分かれています。以下で各企画について紹介します。

中学生企画

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パネルディスカッション
HLAB大学生3人と牟岐町立牟岐中学校の3年生をオンラインで繋ぎパネルディスカッションを行いました。HLABの大学生が中学生だった時に何を考えていたのか、今だからこそできるアドバイスについて話しました。中学生が主体的な進路選択を行う上で、一歩先をゆく先輩からのアドバイスが参考になるのではないか、と思いから本企画を行う運びとなりました。徳島県出身の大学生もいたことから、境遇が非常に近かったこともあるのか真剣な眼差しでディスカッションを聞いている中学生も多く見受けられました。海外大学での生活や上京生活といった想像がつかない生活についても多くの話を聞いてくれました。また、中学生、高校生のうちからやりたい事に対して全力で取り組みたいと事後アンケートで答えてくださった生徒さんも多く、実りの多い50分になったのではないでしょうか。

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ポスターワークショップ
HLAB大学生と牟岐中学生をグループに分け、グループごとに牟岐町の魅力を発信するポスターを作成しました。自分が生まれ育った町の魅力を町の内側から認識することは難しく、途中苦戦する中学生も見られました。しかし、大学生と打ち解けるにつれて会話が増え、大学生が住んでいる土地と比較などを行うことで牟岐町の魅力に気づき始めた様子でした。最終的には県外大学生の視点も取り入れたポスターを発表してくれました。時間が足らずポスター完成まで至らなかったのは残念ですが、この企画が自分の町の魅力を新しい視点から考え直すきっかけになっていれば嬉しいです。

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大学生企画

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1日目は15時30分からHLAB大学生が徳島県公認であるアンテナショップに介し4つのワークショップが行われました。

開会式では牟岐町教育委員会次長の久岡さんに挨拶を頂いたのちに、特定非営利活動法人牟岐キャリアサポート代表の大西さんに挨拶をいただきました。開会式後、牟岐町について理解を深めるため「インプットセッション」を行いました。自然、特産物、産業など多面的に理解を深める機会となり、関係人口創出に向けた提言を行う上で大きな土台となりました。牟岐への理解を深めたのちに、中間発表として伝えたい牟岐町の魅力、そして伝えたいターゲットを発表し提言の土台を作り上げました。

この日の夕食では牟岐に携わったことのあるゲストを開催会場であるターンテーブルに招き牟岐町に関してより深い理解を得るためにカジュアルに対談する機会を設けました。牟岐町に足を運んだことがない大学生も多々いたので実際に牟岐に携わった人から積極的に話を聞き、新たな牟岐の魅力、可能性を発見する機会となったようです。

ゲスト一覧
大内真 氏:牟岐町インターン、サマースクール運営
高田修太 氏:牟岐町でのサマースクール立ち上げ(一般社団法人HLAB理事)
水上友理恵 氏:牟岐町でのサマースクール立ち上げ
松田実希 氏:サマースクール運営

夕食交流会後は2日目の最終提言に向けて初日の反省や最終提言を行うために各HLAB大学生グループによる論点整理が行われました。より良い提言をしようとする積極的な姿勢が初日を通じて見受けられました。

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2日目は提言の最終発表も控えていたためHLAB大学生一同気合いが入っている様子でした。2日目最初のワークショップは牟岐で活動されている方々をお招きしてHLAB大学生がオンラインでインタビューする、「インタビューセッション」を行いました。

ゲスト一覧
井上正規 氏 牟岐の農業守る会代表
横尾浩紀 氏 牟岐町商工会会長
木村悠 氏  内妻サーフィンクラブ会長
中山拓真 氏 牟岐町役場職員
大西浩正 氏 特定非営利活動法人牟岐キャリアサポート代表

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初めて牟岐町の方々とお話する大学生がほとんどでしたが、大学生が知りたいことを質問すると10以上のことを返してくださりました。牟岐町に住んでいるからこそ理解している牟岐町の良さ、改善点等たくさんのことをお話いただき外部の人間だけでは気づくことのできない新たな視点やご意見を頂きました。牟岐町の方々の暖かさに触れた大学生もより良い提言をしようとグループワークに集中して取り組む様子が伺えました。

「インタビューセッション」が終わるとお昼ご飯休憩でしたが、お昼ご飯休憩を通じてより一層グループで仲良くなっている様子も見受けられました。休憩後は各グループで最終提言に向けた最終ワークを行いました。各グループ真剣に取り組む様子が伺えました。最終ワークの時間が終わると同時に各グループ、オンラインで繋いだ牟岐町の方々に対してプレゼンテーションを行いました。漁業をトレーニングに見立てて筋肉好きを誘致しようとする案や、海山川島を有効活用し料理人の登竜門として誘致する案などユニークなものから現実的なものまで幅広く発案されました。牟岐町の方々からご意見、感想をもらった後に牟岐町教育委員会次長の方からのお話を閉会式として本事業が終了致しました。

参加者の声

ここからは、実際に本企画に参加したHLABの大学生の感想をいくつかご紹介します。

「この企画ではオンラインだからこその気付きがありました。
一つ目に、画面を注視して対話に集中することで牟岐の方々の人間的魅力を濃く感じられました。これまで何度か牟岐を訪問していますが、今回の企画が一番深く牟岐の方々に触れられたと思います。私たちが全力で考えた案を一つひとつ尊重してくださる姿は、参加前に抱いていたイメージである「フレンドリー」「暖かい」という言葉では片づけられないです。二つ目に、カメラ越しで見る牟岐の自然についても、以前直接見た時とは違った感動が得られました。オンラインだからこそ、画面の向こう側の果てしない風景が想像できて却って神秘的であったと思います。ここでは二点を取り上げましたが、書ききれないほど様々な気付きのある素敵な企画でした。」
「この企画以前の私の牟岐町のイメージは「海、カツオの叩き、行灯」くらいでした。しかし、オンラインながらも、この企画を通じて牟岐の様々な側面に触れることで牟岐という町への理解が深まりました。特に印象に残っているのは、「人」と「食」です。牟岐町の人たちと会話をする中で、どんな質問にもユーモアを含めながら丁寧に答えていただけることに話しやすさを覚え、「人のよさ」を実感しました。そして牟岐町の食材をいただき機会を通じて、牟岐の食材がカツオだけでなく、伊勢海老、もち麦、実生柚子など多岐に渡ることを知りました。この企画を通じて牟岐町に「是非行ってみたい」という思いが芽生え、体現できる日が楽しみです。」
ターンテーブル企画ではさまざまな方の協力のもと、東京都渋谷区にて牟岐町や徳島を感じることができました。この企画に参加するまでは、私は牟岐町についての知識やイメージなどあるものの、牟岐町を実感したことがなく、自分の言葉で牟岐町を言い表すことはできませんでした。企画を通して牟岐町の方々とお話ししたり、送っていただいた食材を味わっていく中で「人のあたたかさ」や「つながり」を感じることができました。また新型コロナの状況をみて牟岐町に足を運び、企画でお会いできた方々と再会したいと思っています!
「牟岐の名を初めて聞いたとき、海は思い浮かんでもそのさざ波は聞こえてこなかった。コロナ禍で直接訪ねることもできないのだから、実感が伴ってこないのも当然かもしれない。それでも、牟岐の人々の暖かさや思いに触れるにつれ、いつしかそんな画面の向こう側が自分ごとになったと思う。取り揃えられた牟岐の幸はどこか柔らかい味がして、漁師や農家の方々に思いを馳せる。あるいは人々の町の文化への誇りと愛着に大きな感銘も受けた。中学生とは、語り合いながら未来を描き、共に町の当たり前を見つめて、牟岐の生活の息遣いに耳をそばだてていた。企画を通して人々の魅力が身に染み、それがまた心を捉えて離さない牟岐にまたすぐ足を運びたいと感じた。」

最後に

この事業の目的はHLABの大学生が牟岐町の魅力を発掘し、その魅力を発信する方法を考えることで牟岐町に貢献しようというものでした。しかし裏の目的として設定していたのは、企画中大学生がひたすら牟岐町の文化、食、人に触れることで単純に牟岐を好きになって、いつか牟岐に行ってみたいと思う人が一人でも二人でも出てくるということでした。

そのため、企画後大学生から「牟岐、マジで一回行きたいよな」「コロナおさまったらみんなで行こうぜ」「牟岐行って〇〇さんに会いたい」という声を聞くことができたことこそが、この事業の本当の意味での成功を表していたのだと思います。

最後に、この事業は、運営委員の無理な要望の数々を快く聞いてくださった牟岐町の方々、ターンテーブルの方々のご協力なしには絶対に成し遂げられないものでした。この場を借りて、大学生一同、心より感謝申し上げます。本事業を基点に、また次の企画を共に作り上げられることを心より楽しみにしております。

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http://turntable.jp
(大学生企画で使用させて頂いた徳島県の公式レストランです!是非よろしければ立ち寄って見てください!)


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