6.

・波音の寝息のひとの安らかな眉をたどった先にある海

・写真立てくれたそれしかくれなかった顔をもう忘れてしまった

・でたらめのおまじない唱えて飴くれるチョコくれるひとたちといた

・稲光ものばかり転がる室内が鋭く咎められている

・鱗を剥がれる痛みを知ることはない幸運な肌にかさぶた

・月夜に
 マッチを擦る少女
 チョコを齧るわたし
 ブランコを漕ぐひと

・むかいのいえのあかりをけして
 かべごしのこもりうたきいておやすみ

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