1.

・荷造りしては解いている窓の外を時折電車が通過する

・寂しい本を2冊並べてみる
 閉じても開いても黙っている

・星の降る話を聞いた夜動かない空をじっとして見ていた

・わたしのなにかと置き換えるように噛み砕くチョコレートチョコレート

・殴られる瞬間このひとを母は何て呼んだか考えていた

・寂しさを分類する棚の引き出しの中身はどれもひとつきり

・背表紙を撫でる臆病さで受話器からあなたの心音聞くだけ

・とめどないひとりごと掬い上げる手の隙間からさらさらこぼれる


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